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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百十六話 今夜は一緒に寝たいなあ?

 夕食時にピエール様とビクトリア様も一緒になったため、日中どんなことがあったのか報告された。

 といっても、一番手はこの子だった。


「あのね、僕はマルちゃんと一緒にいっぱい治療したんだよ! スイちゃんも、とっても頑張ったんだよ!」

「おお、そうか。それは良かったな」

「うん!」


 満面の笑顔で報告するライアンちゃんに、皇帝陛下も釣られて笑顔になった。

 実際にライアンちゃんが張り切っていたのは間違いないし、町の人にとっても大きな影響があったと感じた。


「奉仕活動自体は大きなトラブルはありませんでした。犯罪者関係のトラブルも、ある程度予想通りでした」

「報告は聞いていたが、昨日の件があったからな。まあ、ケンなら多少のことならどうにでもするだろう」


 僕の話を聞き、皇帝陛下も満足そうに頷いていた。

 町の人も大満足だったらしいし、今後もライアンちゃんとマルちゃんコンビで治療を行うだろう。

 スイちゃんも、これからも料理を勉強するぞと意気込んでいた。


「会談も、問題なく終わった。帰国時に兄上に報告するが、お互いの良いところだけでなく悪い所も改善していきましょうという内容だ」

「王国軍にもメリットがある話だ。そもそも、王国軍もまだまだ改革の途中だ」


 ヘルナンデス様とルーカス様が会談の内容を簡単に教えてくれたが、王城内も絶賛改革中だ。

 やるべき事が山積みで、本当に大変だ。


「さて、明日は早朝から出発となる。今夜は早く休むように」


 皇帝陛下から、僕達に気を使った話がされた。

 すると、目に見えて落ち込んでいる人が。


「ほら、みんな明日には王国に帰るのだからね」

「うん……」


 皇妃様に頭を撫でられても、ライアンちゃんはしょぼーんとしていた。

 僕達と仲良くなっても、直ぐにお別れになるのだから仕方ない。

 ましてや、ライアンちゃんはまだ幼いのだから。

 何とかライアンちゃんの気持ちを切り替えようと、大人に加えてスライム達もあれこれ手をうった。

 ライアンちゃんも、何とか笑顔になったのだった。


「うーん、子どもってやっぱり対応が難しいね」

「そうね。ライアンちゃんは一人っ子ってのもあるから、余計に私達とお友達になれたのが嬉しかったのね」


 客室に戻った僕は、クリスとスラちゃん達とあれこれ話をしていた。

 僕とクリスの間にまだ子どもはいないが、身近に多くの子どもがいる。

 みんな、やはり別れ際は寂しく感じている。


「アリアちゃん達もアイちゃん達も、僕達と離れている間は寂しくしているのかもね。特に、アイちゃん達は僕達と一緒に住んでいる訳だし」

「アイちゃん達は、寂しくしているかもしれないわ。でも、流石に私達は仕事で家を空ける事もあるだろうし、会った時にめいいっぱい可愛がってあげることがいいと思うわ」


 僕は幼い頃家族から酷い扱いを受けたので、どうしてもみんなが心配になってしまう。

 逆にクリスは温かい家庭で育ったので、今の状況なら大丈夫だと思っていた。

 スラちゃん達もあーだこーだ話し合っていた、その時だった。


 コンコン。


 もう寝る時間なのに、客室のドアがノックされた。

 誰だろうと思いながら、僕はベッドから降りてドアへと向かった。

 念のために安全を確認してっと……


 ガチャ。


「あっ、皇妃様。それにライアンちゃんも」

「もう寝るところなのに、申し訳ないわ」


 ドアの外にいたのは、苦笑している皇妃様とマルちゃんとスイちゃんを抱きしめているライアンちゃんだった。

 クリスも僕の側にやって来たが、どうやら直ぐに事情が分かったみたいだ。


「ふふ。ライアンちゃん、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒に寝ましょうか?」

「いいの?」


 ライアンちゃんは、クリスの話を聞くなりびっくりした表情に変わった。

 僕は皇妃様に顔を向け、コクリと頷いた。


「ライアン、二人に迷惑をかけないようにね」

「うん!」


 ライアンちゃんは、夕食時以来の満面の笑みで皇妃様に頷いた。

 そして、ライアンちゃんは僕とクリスよりも先に客室のベッドへと向かって潜り込んだ。

 僕とクリスは、ライアンちゃんを挟むようにベッドへと入った。

 すると、ライアンちゃんはこんな事を言ってきたのだ。


「あのね、またケンお兄ちゃんとクリスお姉ちゃんがやってくるのは大変なんだって。だから、今度は僕がケンお兄ちゃんとクリスお姉ちゃんに会いに行くね!」


 ライアンちゃんは、とっても強い子だ。

 こうして、目標を作って叶えようとしている。

 僕もクリスも、スラちゃん達もライアンちゃんの意気込みにとても感動した。


「僕も、ライアンちゃんと会えるのをとても楽しみにしているよ。次に会う時には、ライアンちゃんも大きくなっていそうだね」

「凄く大きくなるんだよ! いっぱい食べるんだよ!」


 こうして、ライアンちゃんと他愛もない話をしていき、暫くすると小さな寝息が聞こえてきた。

 きっと、僕達と一緒に寝られるか緊張していたのかもしれない。

 枕元では、スラちゃん達がマルちゃんとスイちゃんにあれこれ話をしていた。

 きっと、今夜はスライム談義も盛り上がるのではと思ったのだった。

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