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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百十四話 帝国の大教会で奉仕活動を行うことに

 翌朝、着替えて食堂に向かうとライアンちゃんの側にマルちゃんとは違う別の小さなスライムの姿があった。

 アクアちゃんみたいに水色のスライムなのだが、マルちゃんと同じくらい小さかった。


「あのね、スイちゃんだよ!」


 ライアンちゃんが嬉しそうに報告したが、どうやらこのスライムがスラちゃん達がスカウトできそうだと言っていたスライムの様だ。

 属性はアクアちゃんと同じく水と氷で、今もアクアちゃんからあれこれ教わっていた。

 ライアンちゃん自身は、新しいお友達が増えてとても嬉しそうだ。


「ライアンは、その立場上親しい友人を作り難い。スライムだとしても、こうして友情を育むのはとてもいい経験だ」


 パンを口にする皇帝陛下も、楽しそうな息子に思わず目を細めていた。

 皇妃様も同様で、ライアンちゃんの心の成長を期待できると言っていた。


「ライアンちゃん、今日の奉仕活動でアクアちゃんとリーフちゃんがスイちゃんに色々なことを教えるみたいだよ」

「おおー! スイちゃん頑張ってー!」


 ライアンちゃんも、お友達の頑張りを応援していた。

 こうしてお互いに高め合う関係は、とても良いと思った。


「スラちゃんも、ヘルナンデス様とルーカス様を宜しくね」


 僕の代わりに会談に参加するスラちゃんも、頑張るぞと触手をふりふりした。

 軍に関する専門的な会談なので、流石に僕も意見は言えない。


「スラちゃんには、気になった事があったら意見を出しても良いと伝えている」

「普通のスライムではない事は、昨日の結婚式での対応も見れば帝国軍も分かるだろう」


 ヘルナンデス様とルーカス様も、スラちゃんとの付き合いは長い。

 スラちゃんなら大丈夫だと、ある種の信頼を寄せていた。

 では、朝食を食べ終えたらそれぞれのところに移動しましょう。

 僕とクリスは、皇妃様とライアンちゃんと同じ馬車でお城から大教会へと向かった。


「皇妃様、ライアン様、そして【蒼の治癒師】ご夫妻様、本日は宜しくお願いいたしますぞ」

「ベクター枢機卿様にも、今日は色々とお手数をおかけしますわ」


 昨日と同じくベクター枢機卿が僕達を出迎えてくれ、皇妃様が代表して挨拶をした。

 ベクター枢機卿も、昨日の結婚式がうまくいってホッとしているようだ。


「ライアン様達のフラワーボーイとフラワーガールは、とても良い演出でした。子ども達に新郎新婦が祝福されるのも、とても良いですな」

「とっても頑張ったんだよ!」


 昨日の結婚式での演出は、多くの人から称賛されたという。

 満面の笑みのライアンちゃんに、ベクター枢機卿もニコリとしていた。


「本日は、民への炊き出しと無料治療を予定しております。結婚式が盛り上がったのもあり、多くの人が訪れるかと存じます」

「僕も、マルちゃんと一緒に治療するよ!」


 ライアンちゃんとマルちゃんは、やる気満々に手を上げた。

 治療には僕もつき、クリスと皇妃様がシロちゃんと共に交代で治療にあたる。

 アクアちゃんとリーフちゃんは、スイちゃんを指導しながら炊き出しのスープを作ることになった。

 シスターさんや手伝いの貴族夫人と貴族令嬢も集まり、帝国軍も配置についた。

 それでは、早速奉仕活動を始めましょう。


 シュイン、シュパパパパ!

 グツグツグツ。


「す、凄い。スライムが魔法で野菜を刻んでいます。しかも、全て均等な大きさです」

「こっちのスライムは、料理を始めています。【蒼の治癒師】様が連れているスライムは、とんでもないスライムなのですね」


 料理はお任せなリーフちゃんとアクアちゃんは、魔法を駆使してドンドンと料理を作っていた。

 勿論、スイちゃんを指導することもわすれない。

 シスターや貴族令嬢は、スライムの華麗な料理に目を奪われていた。

 勿論味もバッチリで、早速列に並んでいる人に配られていた。


 シュイン、ぴかー!


「どーかな? 元気になった?」

「ええ、とっても良くなりましたよ」

「良かったね!」


 治療でも、特にライアンちゃんが張り切っていた。

 町の人も、張り切る皇子様に思わずニッコリだ。

 勿論、僕もクリスも治療を頑張っている。


「皇妃様、ライアン様の成長は素晴らしいですな」

「ええ、私もそう思いますわ。昔から色々なものに興味を持っていましたが、こうして自分で色々な体験をする事で更に成長しておりますわ」


 ベクター枢機卿と皇妃様は、ライアンちゃんの頑張りを微笑ましく見ていた。

 僕から見てもよくやっているし、町の人からも高評価だ。

 だが、まだ幼いライアンちゃんなので、無理はさせないで定期的に休憩を取らせた。


 シュイン、ぴかー!


「胸だけでなく、お腹も悪かったので一気に治療しましたよ」

「体が一気に楽になった。流石【蒼の治癒師】様ね」


 僕が重傷者などを受け持ったが、王国よりも重傷者の割合が多いなと感じた。

 ベクター枢機卿から、教会などの治療体制を整えている最中だという話を聞いた。

 今すぐは良くならないけど、少しでも治療体制が良くなればと思ったのだった。

読んでいただき、誠にありがとうございます

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