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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百六話 会談の終了

 コンコン、ガチャ。


「王国も、人を育てるのに苦労しているということか。王国でこうなら、帝国は尚更苦労するだろう」

「「「「「陛下!?」」」」」


 ちょうどこのタイミングで、仕事を終えた皇帝陛下が会議室に入ってきた。

 たまたまヘルナンデス様の話を聞いていたらしく、皇帝陛下も考えるものがあるみたいだ。


「帝国も、既に働いている者への対応を進める。不正していたものを捕まえた際に、自分がいないと帝国の政治は回らないと豪語していたものがいた。だが、優秀な下のものをあげて、何も問題なく政治ができている。自分でないとできないと思い込むのは、とても簡単でとても危険な事だ」


 きっと、皇帝陛下は自身の母親などを捕まえた際にかなりの抵抗を受けたんだ。

 帝国の政治はまだ新たに進み始めたばかりだから、旧体制のしこりが残っているのだろう。

 でも、きっと徐々に変えていくことはできるはずだ。


「また、学園生には月イチで余も教える。場所は城になるかもしれないが、余の口から新しい帝国の構想を話さないとならない」


 そして、まさかの皇帝陛下が学園生に話をするとの宣言だった。

 確かに皇帝陛下が学園生に直接話す効果は大きいだろうし、逆も然りだ。


「勿論、余は帝国の未来を導かないとならない。だが、政治的な事に加えて人材も育成しないとならない。だからこそ、ケンやニース将軍の意見はとても貴重だ。優秀な人材を揃え、高度な政治をしなければならない。専門的な知識を持った官僚を増やす事は、帝国においても使命と言えよう」


 人材育成は直ぐにはできないけど、継続して行わなければならない。

 上の意思を下の者が理解しないと政治は上手く回らないし、上の者が全てを行うのも難しい。

 逆を言うと、帝国には色々な改善の余地があるということだ。


「ただ、少し効率も上げないとならない。統計学なども駆使し、時間があればマニュアルも整理する」


 おお、皇帝陛下は統計学などの知識もあるんだ。

 分析して改善するのも、とても重要な事だ。

 その後も、官僚や行政改革について意見を交わした。

 帝国の内情を全て知っている訳では無いので、できるだけ当たり障りのない言葉を選んだ。

 それでも、皇帝陛下は貴重な意見交換ができたと満足そうにしていたのだった。


「僕ね、マルちゃんと一緒に頑張ったんだよ!」


 意見交換終了後、お城に戻ってきた皇妃様とライアンちゃんと応接室で会った。

 シロちゃん曰く、マルちゃんと一緒に一生懸命負傷兵の治療をしたという。

 ライアンちゃんもマルちゃんも、とても充実した表情だ。


「普段は、負傷兵に声をかけたりすることしかできません。しかし、今回は息子と共に負傷兵の治療をする事ができました。負傷兵も元気になりとても良い表情をしていて、【蒼の治癒師】様はこうして治療に励んでいたのだと実感しました」


 ライアンちゃんとマルちゃんと一緒にいた皇妃様も、とても良かったと良い表情をしていた。

 僕も、怪我や病気の人が元気になるのを見るととても嬉しくなる。

 ライアンちゃんもマルちゃんも、とても貴重な経験をしたんだ。


「間違いなく、帝国軍の医療環境はまだ改善の余地があります。今日負傷兵を治療して、改めて痛感しました。更に、皇太子でもあるライアン自ら負傷兵の治療をしたのも大切な事だと思いました」


 王族のアリアちゃん達も治療などには積極的だし、相手の痛みを知るのはとても重要な事だ。

 ライアンちゃんも、今後大きく成長するのは間違いないだろう。

 なお、マルちゃんはスラちゃん達からあれこれ指導を受けていた。

 マルちゃんも、もっと良い治癒師になれるはずだ。

 すると、ヘルナンデス様がこんな事を言ってきた。


「十年前の戦争時、我が国は僅か六歳の幼い男の子に多大な負担をかけた。子どもが経験するには、かなり過酷な現場も見せた。だからこそ、王国も後進の育成や発掘に力を入れている。【蒼の治癒師】でないと治療できない怪我や病気もあるが、そうでないものはできるだけ他のもので対応するようにしている」


 アリシアさんが王国軍の治癒師として頑張っているし、アイちゃん達にも治癒師の適性がある。

 僕も、できるだけ多くの魔法使いに指導して、正しい魔法使いになって欲しいと思っている。

 勿論、クリスもスラちゃん達も、他の人に魔法を教える時はかなり真剣だ。


「きっと、息子とマルちゃんが帝国の治癒師として貴重な経験を積むと思います。私共も、正しい心を持った治癒師を育てていきますわ」


 皇妃様も、ヘルナンデス様の言った意味をよく分かっていた。

 上のものがしっかりとした意見を持つことは、とても大切だと実感したのだった。

 今日の予定はこれで終わり、僕達は客室へと戻った。

 ライアンちゃんが僕達と一緒に夕食を食べたいとご所望なので、それまでの間にお風呂に入って通信用魔導具で仕事をしたのだった。

 なお、クリスは一日中難しい話ばっかりで脳がオーバーヒートしていた。

 その為、お風呂に入ったらベッドにぐたーっと横になっていたのだった。

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