表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

241/265

第二百四十一話 久々の学園での授業

 ダイナー男爵家に生まれた赤ちゃんは、ニアちゃんと名付けられた。

 お乳も良く飲み、良く寝る手のかからない元気な子だ。

 僕達も張り切って贈り物をしたのだが、何故か他の貴族からの変な贈り物は殆どなかった。


「お母様が、生まれた赤ちゃんが女の子だからだって。男の子なら嫡男になるからつけ込むことを考えるけど、そうじゃないから問題になりそうな貴族も普通のものしか贈っていないんだって」


 朝食時にクリスがケーラさんの話を伝えてくれたが、何とも現金的な対応だ。

 その分、育児に集中できて良かったと思わないと。


「ガブガブガブ」

「「「美味しい?」」」

「ガウッ、ガブガブ」


 そして、トラちゃんはそのまま我が家で暮らすことになった。

 アイちゃん達もトラちゃんと仲良くなり、一緒に屋敷内を散歩していた。

 三羽のサンダーホークも我が家にいることになり、スラちゃんがアルファ、ベータ、ガンマと名付けた。

 何でスラちゃんがそんな言葉を知っているかと思ったが、何とこの世界にそんな言葉があるという。

 ピーちゃんも、先輩としてアルファ達にあれこれ教えていた。


「じゃあ、僕とクリスは学園に行ってくるね」

「「「はーい」」」

「ガウッ」


 今日は学園に行く日なので、屋敷から直接学園に向かった。

 トラちゃん達は、アイちゃん達を守ると張り切って返事をした。

 災害対応で二週間ぶりの学園なので、ちょっと緊張していた。


「「おはようございます」」

「二人とも、おはよう。大活躍だったと聞いているぞ」


 職員室に入ると、イアン様がニコリとしながら出迎えてくれた。

 他の先生も、無事に僕達に会えたと再会を喜んでくれた。


「ミッシェル先生、先週授業を丸々お願いしちゃって申し訳ありません」

「いいのですよ。それこそ、ケン様は国のために動かれていたのですから」


 ミッシェル先生も、問題ないと言ってくれた。

 僕がシェイク子爵領の暴風雨被害対応で向かったのは先生も生徒も知っており、僕ならではの対応だと言っていた。

 さて、今日も頑張って生徒に勉強を教えないと。

 僕は、気合を入れてミッシェル先生と共に教室へと向かった。


「皆さん、おはようございます」

「「「「「おはようございます!」」」」」


 教室に入って生徒に挨拶をすると、生徒も元気よく返事をしてくれた。

 僕の顔を見て、若干ホッとしている人もいますね。


「シェイク子爵領の暴風雨被害対応で、二週間ぶりになりました。今日は災害対策の授業なので、実際にどんな事をしたのかを皆さんにお話します」

「「「「「はい」」」」」


 生徒も、僕がどんな事をしたのか興味津々ですね。

 ミッシェル先生も、凄く興味深そうにしていた。

 それでは、実際に何をしたのか話しましょう。


「今回対応した風水害、そして過去に対応した地震被害など、自然の脅威はいつ起こるか分かりません。普段からの備えがとても大切ですし、いざという時には迅速に動くのが大切です」


 ちょうど魔導船の第一号機の見学に行った時に、大きな地震災害が起きた。

 あの時も無我夢中で対応して、無茶をしたと怒られたっけ。

 更に、兄が馬鹿な事をして王都に連れて行かれた。

 そう思うと、もう結構前の話なんだ。


「例えば、地震災害には揺れに強い家づくり、風水害には河川改修や土砂崩れが起きやすい場所の対応などが必要です。ただ、大きな工事になるので計画的に予算を確保して作業を進める必要があります」


 大きな工事の場合は、たくさんの人と魔法使いなども確保しないと駄目です。

 前世のように重機がある訳ではないしね。


「地震災害の際は念動で壊れた家を持ち上げて人を助けたり、同じく念動で土砂を避けたりしました。どうしても人海戦術になりますが、人命救助は短時間の勝負です。素早く助ける必要があります」


 念動という例を上げたけど、これなら魔法使いでなくても多数の人で対応できる。

 魔法使いが常にいるとは限らないので、人の手でやらないと駄目だ。


「仮設住宅の建設なども必要になります。住処を失った人達は、暫くテント暮らしになります。でも、治安やプライベートの問題などもあるので、仮設住宅を作って入居してもらった方がいいでしょう。壊れた家を解体して、新しい家を作るのにも時間がかかります。短期的なビジョンと長期的なビジョンを持つ必要があります」


 短期と長期、両方を同時に考えるのはとても大変です。

 どうしても、目の前の事に集中しちゃうからです。

 この辺の知識を、どんどんとつけて欲しいですね。


「幸いにして、僕には沢山の仲間がいます。震災の時にはスラちゃんやチビスライム達、今回もフォレストタイガーのトラちゃんやサンダーホークのピーちゃん達が活躍してくれました。僕一人では、きっとあの災害対応はできなかったと思います。災害対応は、チームワークがとても大切です」


 僕一人に功績や注目が集まりがちだけど、多くの人の支えがあってこそだ。

 モーニング様やクリス、ナッシュさんにもとても助けられたのは事実だ。

 僕一人だったら、助けられなかった命もあったはずだ。

 これで、僕の説明は終わりです。


「あの、先生はどうやって土砂崩れ現場を直したのですか?」


 ここで、生徒から質問が上がった。

 やはり、どんな感じで対応したか興味津々ですね。


「土砂崩れ現場の土を、念動などで道路の端に避けます。大きな岩などは、魔法や魔法剣で粉々にしました。崩れそうな場所は敢えて崩して、そこから土をブロック状に固めて崩れないように積み重ねました。ブロックにするのは、土のう袋などを使えば人力でも可能ですよ」


 黒板に絵をかきながら説明したが、生徒やミッシェル先生は思わずポカーンとしちゃった。

 うーん、いきなり話が壮大過ぎたかな……


「あと、山の移動はフォレストタイガーのトラちゃんに乗りました。事前にサンダーホークのピーちゃんに山道付近の土砂崩れ現場を教えてくれたので、作業はやりやすかったですよ」

「「「「「ふぉ、フォレストタイガーに乗って……」」」」」


 トラちゃんはとても大人しい性格だし、みんながイメージする獰猛なフォレストタイガーとはだいぶ異なる。

 今度、キングレオなども学園に連れてきたら面白そうだ。

 ということで、今日の授業はこれで終了だ。

 僕は、職員室に移動して手続きをしてから王城へと向かった。


「フォレストタイガーに乗るなど、普通は考えられない。それこそ、【蒼の治癒師】様は凄いと生徒は思うはずだ」


 僕の話を聞き、陛下は思わず苦笑した。

 そもそも、そんな猛獣を飼っている人など限られている。

 確かに、非日常的な事なのだろう。


 ガチャ。


「「「「きたよー」」」」

「ガルッ」


 すると、このタイミングでキングレオに乗った王家のちびっ子が執務室に入ってきたのです。

 キングレオの後ろには、苦笑しているミュウさんの姿が。

 何というタイムリーなタイミングなのでしょう。


「その、書類を持っていくタイミングで皆さまと出会いまして……」

「ああ、うん、分かった。そういうことだな」


 ミュウさんが申し訳なさそうに言うと、陛下もアーサー様も直ぐに事情を理解した。

 このキングレオと王家のちびっ子達は、とても仲がいい。

 それに、キングレオも体が大きいから子どもが四人乗ってもへっちゃらだ。


「でも、流石に王城内でキングレオに乗って歩くのは良くない。他の人達が驚いてしまうぞ」

「「「「はーい……」」」」


 アーサー様に言われ、ちびっ子たちは渋々キングレオの背中から降りた。

 実際に執務室の職員が驚いているから、十分気を付けましょう。

読んでいただき、誠にありがとうございます

ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

作者のモチベーションも上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ