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【7月24日発売決定!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第二百二十五話 無事に入園式が終了です

 順に学園生が屋敷の中に入り、順に席に案内された。

 クリスとスラちゃんも案内役として動いていたが、僕は司会席で内容の確認をしていた。

 すると、予想外の元気の良い声が聞こえてきた。


「「「おはよー!」」」

「ウォン」


 なんと、王家のちびっ子がユキちゃんと共に元気よく姿を現した。

 しかも、式典で着るようなキチンとした服装だ。

 ちびっ子達が来るとは聞いていなかったので、ここは元々来賓として来る予定だった人に聞いてみよう。


「アーサー様、おはようございます。あの、みんなも来賓なのですか?」

「ケン君、おはよう。難しいものではないし、経験を積むには良いと思ったのだよ」


 アーサー様も、勿論キチンとした服装で姿を見せた。

 あっ、そうだ。

 あの事を、アーサー様に言わないと。


「アーサー様、酷いですよ。僕が学園長補佐だなんて、何で黙っていたんですか……」

「ははは、ケン君も言う様になったな。とはいえ、元は父上もケン君を学園補佐にと言っていた。そこに、イアンからの話があったから良いタイミングだと思ったのだよ」


 おお、まさか黒幕が陛下だったとは。

 後で、陛下にも文句を言わないと。


 ふりふりふり。


「「「頑張るよー!」」」

「ウォン」


 僕とアーサー様の横では、ちびっ子達がスラちゃんに元気の良い返事をしていた。

 どうやらスラちゃんは、挨拶を頑張ろうとちびっ子達に言っていたみたいだ。

 折角なのだから、ちびっ子達にも頑張ってもらいましょう。

 では、全員揃ったところで早速入園式を始めましょう。


「それでは、これより入園式を始めます。最初に、学園長先生より祝辞を頂戴いたします」


 僕のアナウンスで、イアン様が演台へと向かった。

 そして、真剣な表情で学園生に話し始めた。


「皆のもの、入園おめでとう。皆は、いわば学園の第一期生となる。長い王国の歴史に、その名を刻むものとなる。学園は以前よりも設置構想があったが、帝国との講和会議の際に【蒼の治癒師】様が教育の重要性を訴えて設置が加速した。ある意味、【蒼の治癒師】が学園の創設の一員と言えよう」


 イアン様、その話はここでしなくてもいいと思いますよ。

 学園生は尊敬の眼差しで僕を見ているが、あの時は色々な事が重なったんですよ。

 だから、アリアちゃん達も凄いって目で見なくて良いですよ。


「王国がより良く発展する為にも、皆の力が必要じゃ。様々な事を学び、大きく成長する事を願う」


 イアン様は、ササッと挨拶を終えた。

 前世の記憶だと、だいたい偉い人達の挨拶は長いと思っていた。

 そういえば、陛下も年頭の挨拶などは短めだった気がする。


「続きまして、来賓よりご祝辞を頂戴いたします」

「「「はい!」」」


 僕の合図で、ちびっ子達は元気よく立ち上がった。

 どうやら、先にちびっ子達がお祝いを言うみたいだ。


「「「おめでとうございます!」」」

「ウォン」


 ちびっ子達はユキちゃんも一緒に大きな声でお祝いを言い、学園生も思わずほんわかとしていた。

 では、続いてアーサー様の挨拶なんだけど……

 あれ、もしかして挨拶なし?

 と思ったら、アーサー様はニコリとちびっ子達とユキちゃんの頭を撫でながら前に出た。


「諸君、入園おめでとう。国を代表し、挨拶をする。とはいえ、大事なことは学園長が話をした。ここには、普段なら学びを願おうとも叶わない優秀な教師がいる。大いに学び、大いに成長する事を期待する」


 アーサー様も、とても短くハッキリとした話だった。

 それでも、学園生の心にはきっと届いたはずだ。

 ちなみに、今回は新入生代表挨拶とかはなかった。


「それでは、これより教職員の紹介を行います。教職員は前に並んで下さい」


 最後の式次第になり、教師陣が前に並んだ。

 勿論クリスも前に並び、足元にはスラちゃんもちょこんといた。


「クリス・アスターです。宜しくお願いします」


 教師が順に一歩前に出て挨拶をし、クリスもごく普通に頭を下げた。

 学園生のみならず、ちびっ子達からも大きな拍手が起きた。


「最後に、ケン・アスターです。学園長補佐も仰せつかっております。よろしくお願いします」

「「「わー!」」」


 学園生に負けじと、ちびっ子達も大きな拍手をした。

 これで、早いけど無事に入園式は終わった。


「それでは、これから教室に移動して今後の説明に移ります。忘れ物をしないようにして下さい」

「「「「「はい!」」」」」


 僕の司会も、これで無事に終了。

 学園生は、クリスとスラちゃんが教室へと案内してくれた。


「みんなも、元気の良い挨拶だったよ」

「「「「頑張ったー!」」」

「ウォン!」


 満面の笑みのちびっ子達に負けじと、ユキちゃんも頑張ったと尻尾をフリフリしていた。

 すると、アーサー様からとても残念なお知らせがちびっ子達にもたらされた。


「では、我々は王城に帰る。帰ったら、勉強を頑張らないとな」

「「「そーだったー!」」」


 どうやらちびっ子達は、入園式に出る代わりに勉強をする事になっていたみたいだ。

 さっきまではニコニコだったのに、ガックリしながらアーサー様にドナドナされて行ったのだった。

 さて、僕も教室に行って説明をしないと。

 アーサー様達を見送ってから、急いで教室へと向かった。


「それでは、学園生活の諸注意をします」


 教室内では、女性の専任教師があれこれ話をしていた。

 僕やクリスは仕事をしているので、いわば兼任教師という立場だ。

 来年からは、専任教師を数名増やす予定だ。

 僕も幾つか話をして、今日は解散となった。


「さっそく、安息日明けから授業となります。当面は午前中で終わりますが、秋前より通しでの授業を行います。また、適宜現場視察も行いますので、その際には改めてアナウンスします」

「「「「「はい!」」」」」


 最後の説明も終わり、これでホームルームは終了だ。

 はあ、何だか色々と緊張しすぎて疲れちゃった。


「ケン先生、さようなら」

「また、週明けにお願いします」


 うん、不意打ちだった。

 まさか、先生と言われるとは思わなかった。

 歳は一個下だけど。


「ケン、変な顔しているよ」


 クリス、それからスラちゃんもちょっと酷いぞ。

 ドン引きしなくても良いと思うぞ……


「でも、私もケン様の気持ちは分かります。初めて先生と言われた時は、とてもこそばゆかったですから」


 おお、仲間がいた!

 僕は、思わず専任教師にウンウンと頷いた。

 すると、またクリスが変な事をしているとドン引きしていたのだった。

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