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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第百十七話 直轄領に戻ると大事件発覚

「はあはあ、もう嫌……」


 何回かのゴブリン襲来後、僕の広範囲探索魔法でも何かの反応は確認されなかった。

 クリスはゴブリンを相手にするのが相当嫌だったのか、げっそりした表情で馬に跨った。

 リーフちゃんの後始末も終わり、一旦直轄領の軍の基地に戻ることになった。

 行きは五分で到着した道のりを、周囲の確認も行いながらもう少し時間をかけて戻っていった。

 すると、町に着くと兵がドタバタしていたのだ。


「おい、いったい何があったのか?」

「ダイナー男爵様、ほ、報告いたします。脱税と贈収賄により、代官と関連するものが捕縛されました」

「なんだって!?」


 確か、エレンお祖父様がアクアちゃんと兵を引き連れて代官邸に行っていたはず。

 門兵曰く、エレンお祖父様たちは無傷だという。

 僕達は軍の施設ではなく代官邸に向かい、残りの兵が巡回時の報告をする事になった。


「わあ、沢山の兵が建物に出入りしているね」

「確かに、これはただ事ではない。脱税や贈収賄だけでなく、何か他の罪もあるのかもしれないぞ」


 代官邸は大勢の兵が出たり入ったりをしており、前世のテレビで見た家宅捜査みたいな状況だった。

 代官邸の状況に、クリスだけでなくビーズリーさんもかなり驚いていた。

 これは予想以上に大変なことになっていると、僕達は急いで代官邸に入った。


「こりゃ、凄いこと……おお、皆も来たか」


 玄関ホールでは、エレンお祖父様が忙しそうに兵に指示をしていた。

 木箱が沢山積まれていて、中には押収した資料がぎっしりと入っていた。


「これは、中々凄いことになっていますな」

「所謂、二重帳簿と関連資料だ。代官は、私達が馬車に乗っていて到着するのは明日だと勘違いしていたみたいだ。呑気に、豪華な応接室で町の商人と談合や贈収賄の話をしておった。アクアちゃんが鑑定魔法で確認をし、拘束魔法で捕まえてお終いだ」」


 エレンお祖父様たちの目の前で、違法な話をするとは……

 代官は、相当馬鹿なのではと思ってしまった。

 エレンお祖父様も、肩を竦めるほど呆気なかったらしい。

 魔導船で来る事は決まっていたし、到着の日にちも代官にキチンと伝えてあったはずだ。

 因みに、アクアちゃんは鑑定魔法を駆使して押収物の確認をしているという。


「そちらはどうだった? 見た感じ、だいぶ疲れているのう」

「オオカミに加えて、ゴブリンまで大量に現れました。巡回は行っていたらしいですが、何かあったのかもしれません」

「もしかしたら、一部の兵が問題行動を起こしていた可能性もある。代官に与していたものがいたらしいが、全てスラちゃんが確認した上で捕まえている」


 エレンお祖父様は、少し溜息混じりでビーズリーさんに話していた。

 そうなると、今頃軍の基地もかなりドタバタしているのかもしれない。


「そうそう、負傷兵の治療はキッチリとやったそうだ。数人手足を切断しているレベルの怪我を負っているものがいるらしいが、ケン君なら治療可能だ」


 たとえ重傷者でも、ある程度治療しておけば再治療する際の消費する魔力も変わってくる。

 何より、負傷兵も元気になったと実感できるはずだ。

 スラちゃん、シロちゃん、レモンちゃんは治療に慣れているし、その辺りも重々分かっているはずだ。

 しかし、軍の基地も捜索でドタバタしているとなると、僕たちは今夜どこで寝れば良いのかという問題も出てくる。

 だが、エレンお祖父様は寝る場所は問題ないと言った。


「魔導船の客室には、こういう時のために簡易ベッドが備わっている。ちょうど、設備の良い確認となる」

「確かにいい機会だ。料理などもできるし、魔導具のトイレもある」


 エレンお祖父様の意見に、ビーズリーさんも同意した。

 魔導船には緊急用も兼ねて通信用魔導具も備え付けられており、一度報告も兼ねて軍の基地に停泊している魔導船に向かった。


「陛下は、ゴブリンの存在をかなり気にしておられる。明日、徹底的に巡回をするように指示を出された」


 ビーズリーさんが通信用魔導具からの返信を教えてくれたが、やはり生命の安全に直結するゴブリン対策を重視した。

 更に、直轄領に向かっている馬車隊にも、予定よりも早く出発するように指示を出すという。


「明日朝、魔導船は捕まえたものを乗せて王都に向かう事になった。脱税関連の調査は、王都でも引き続き行うという」


 思った以上に大事になっているため、王都からの折り返しの魔導船に助っ人を連れてくるという。

 この時点で、当初の予定より滞在が延びることが確定したのだった。


「ケン君は、私と共に代官邸の捜索の続きだ。クリスちゃんは、ダイナー男爵と共に軍の施設での捜索を手伝ってくれ」

「「はい!」」


 こうして、僕たちはエレンお祖父様の割り振り通りに夕食前まで忙しく動いた。

 僕はアクアちゃんと一緒に代官邸の色々な場所を調べたが、その度にお金の入った袋や怪しい書類を見つけた。

 代官の寝室が金品宝石や豪華な服などでとんでもない事になっており、貴族の屋敷よりも豪華なのではと思った。

 強制捜査の良い勉強にもなったが、代官がこんな豪勢な暮らしをしているのだから町の人がどのような生活をしているかと心配になったのだった。

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