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25.お見舞い
夜遅くに、トラモンタ国の兵士が手紙を持ってきた。
「夜分に失礼いたします。ジル様からシェリー様へのお手紙を持ってまいりました」
「まあ、こんな遅い時間に? ありがとうございます」
メイド長が手紙を受け取り、シェリーに届けた。
「シェリー様、ジル様からのお手紙が届きました」
「ありがとう」
シェリーは手紙を受け取ると、自分の部屋に入り封筒を開けた。
『親愛なるシェリー様 怪我はひどくはありませんが、退屈しております。 あなたのお話を聞きたいです。 ジル』
シェリーはジルの怪我がたいしたことがないようだったのでほっとした。
明日は、ジルのお見舞いに行こうと決めた。
夜が明けた。
シェリーは町ではやっている本や、つまみやすいお菓子、お花を持って馬車に乗り込んだ。
「それでは行って来ます」
「気を付けて」
「私たちが行くと、かえって気を使わせてしまうかもしれないからね。たのんだよ、シェリー」
「はい、お父様、お母様」
シェリーを乗せた馬車は、トラモンタ国の王宮に向けて出発した。




