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6.クリーンアップ(ゴミ捨て)機能

 覚えているだろうか。メニューのクリーンアップを選んだ先にあったクリーンアップポイントってものがあったことを。クリーンアップ(ゴミ捨て)機能で消滅させたゴミはクリーンアップポイントに変わるんだ。何だろうと思っていたが、アイテム強化に使うことができるんだな。

 捨てたアイテムでポイントをためて、アイテムの強化を行う……と。場合によってはポイント用にアイテムを捨てる必要も出てきそうだ。

「となると、勝手にレベルが上がるってことはなさそうだ」

 手持ちの道具は転移ボーナスみたいなもので、最初からレベル2になっていた説が自然かなあ。ゲームで言うところのチュートリアル的にレベル強化したアイテムを「お試し」できるような感じなのかも。

「おっけ、アイテム一覧の続きを見るぞ」

 軽自動車に積んでいたキャンプグッズ、調味料、調理器具などなどに加え、イノシシの肉もしっかり一覧に乗っていた。

「キャンプ雑誌までちゃんとアイテム一覧に乗っているじゃないか」

 キャンプ雑誌を見つめても、異世界で地球の道具は手に入らないよな。料理のアレンジとか道具の使い方などなら参考になるかも。

 あって困るものではないよな。一旦内容をチェックしておく……え?

「なにこれ」

 キャンプ雑誌の詳細を見たら、注文ってメニューが出ている。キャンプ雑誌をカタログのように開くことができ、気に入ったアイテムがあればその場で注文できるようだ。

「試しに注文ボタンをタッチしてみるか」

 ふむむ。日本円で注文するわけじゃく、ここでもクリーンアップポイントを使うのかよ。

 もちろん、全てが発注一覧にあるわけじゃあない。

「ん、一部注文ができないものもあるのか」

 意図的に注文できないようにしているよな。異世界にふさわしくない、とか判断したんだろうか。誰がって、ベースキャンプシステムを作り俺に使うことができるようにした誰かだよ。

 その誰かってのを見つけ出すことができれば日本に帰ることができるかもしれない。

 もっとも、その「誰」が男なのか女なのかも、どこにいるのかまで、全て不明なのでどうにもうにもなのだが。

 キャンプ雑誌から削られていたものは、自動車や自転車、一部の家電や食料品といった感じ。

 自動車と自転車が一覧に存在しないのに、カー用品や自転車用品があるのだから小憎らしいったらありゃしねえ。

 文明の利器全てが削られているわけじゃあないので、話がややこしい。いや、削られていない方が俺にとってはよいことなのだけど、こういうものだと納得することにしよう。

 バーナーとかラジオ、懐中電灯なんかは注文できる。

「いざという時のために携帯食糧を多めに確保しておくとして……んで、調味料は必須だろ。食材は現地調達が基本ってところか」

 アイテムを発注するにはクリーンアップポイントが必要なので、いろいろゴミ箱に入れてみてどれくらいのポイントが入るか確かめてみるのもよいかも。

 そうそう、クーラーボックスで解体した時にイノシシの皮や骨が消えただろ。消えたのはクーラーボックスにクリーンアップ(ゴミ捨て)機能もついていたみたいで50ポイントを獲得していた。

 塩コショウを発注するのに必要なポイントは2だから、調味料に関しては種類を揃えキープすることができそうだ。

「あとはアイテム強化の確認を……ふああ」

 急速にくる眠気に急ぐこともないかと、今日のところは寝袋に入ることにした。

 そういや、魚を釣るために朝日が出る前に起きたんだっけ……色々あり過ぎたし今日はもう限界……。

 

 ◇◇◇

 

 ピピピピというスマートフォンのアラームで目が覚める。もうちょっと寝ておきたい。

 アラームを止め、再び目を閉じる。

 スマートフォンのアラームって月曜日から金曜日でセットしたら祝日の朝にも鳴るからなあ。鳴らないようにすればいいだけなのだけど、設定をいじると平日にアラームが鳴らずに大惨事、ってことになりかねないからそのままにしている。

 今日はまだ奇跡的に取れた有給の途中で本来なら平日……ん、いや。

「夢だったか確かめないと」

 そうであってくれという願望の方が強い。

 ポップアップテントから外へ。

 左右を見渡すも、キャンプ場の広場も湖もなかった。

「やっぱりか……」

 がしがしと頭をかき、寝袋の上に座り込む。

 昨日の出来事は夢ではなかった。ポップアップテントの中もリュックの代わりにウエストポーチがあることも変わっていない。

 そこでハッとして慌ててスマートフォンを手に取る。放置していたら充電が減ってしまうじゃないか!

「ベースキャンプ」

『メニュー

 アイテム一覧

 アイテム注文

 クリーンアップ

 ヘルプ』

 ああ、やっぱりメニューも出るのね。

 ついでだ。スマートフォンの充電器がキャンプ雑誌のリストにあるか見てみよう。

 バッテリーと充電器、どちらも揃っている。しかし、電源の供給源がないからソーラー付きの充電器とかじゃないと充電ができないな。

 手持ちのバッテリーは2個なので、クリーンアップポイントがたまって余裕ができるまではスマートフォンを節約して使っていくことにしようか。

 余談であるが、スマートフォンそのものはリストに存在しなかった。スマートフォンを壊さないように注意しなきゃ。

 話を戻すとやはり俺の異世界生活は続くらしい。元の世界に戻ることができるクリア条件は分からぬまま。

「危険はあるが外を散策しなきゃはじまらないな」

 このままポップアップテントの中に引きこもっていてもじり貧だ。水筒の水じゃ洗濯も体を洗うのもままならないし(クリーンアップ機能で綺麗にできるとはいえ)。

 山菜や果物を採集できればよいのだけど、異世界だから食べられるか食べられないのか判断がつかないかも、という不安はある。

 既にイノシシ肉を食べているので、異世界の食べ物を俺が受け付けないわけじゃないことは確定か。

 不用意にイノシシ肉を口にしてしまったが、気が付いたのは後からだったし、結果オーライだ。


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