「死亡」
色んな思いがあったけどどれもいい思い出じゃない、近道を進みながらお姉ちゃんの言ってた事を思い出す。
「危ないなんて日時茶飯事でしょ、ちょっとくらい破ってもいいよね♪」
私はお姉ちゃんの忠告を破って工事現場をスルスル進める。
後少しで着く、やっぱり何もなかったじゃんってその時は思ってた。
上から何かが降ってくるまで私は最後まで楽観的に走っていた。
私をあんなに殴りたいって思ったことは一度も無いよ。
☆★☆★ 約束の時間・・・
「遅い・・・どうしたのかな」
何時になって返って来ない妹に内心自嘲する。でもどれも妹らしくなく一抹の不安が襲う。
「お願い、帰ってきて・・・!」
考えたくない不安は二十分後に回収された。
何やら外が騒がしい、音の正体は今朝ユカリちゃんに忠告した工事現場のド真ん中で起きてる。
私は居ても立ってもいられずついにその場所に向かった。
野次馬がいるだけで警官はまだやって来ていない。
私は不安と焦りが混じり心臓の動悸が酷い。
大丈夫と内心落ち着かせるように呪文を唱えながら進むと・・・
「あ・・・え・・・」
見覚えのある服装は鉄骨で突き刺さり大量の血溜まりが出来ている。
喉と心臓を貫き、下半身は鉄骨の下敷きになり潰れている。
私は顔を見ることが出来ず震える手で身体を引っ張ると下半身が千切れた。
内蔵がグチャグチャと音を立てながら流れ落ちる。
私は近くを見渡すと誰かにあげる予定の愛らしいラッピングされたプレゼント袋の中には私の大好きなペンギンの縫いぐるみが何かの衝撃により血痕に浸かっている。
見たくない嫌だ、見たくない、顔を見たくない。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
顔を・・・見てしまった・・・眼球が潰れてる。押し潰され脳みそが脳漿と一体化して零れ落ちる。
原型を留めない顔面が彼女と判断してしまったのは飛び出た眼球が最愛の妹のモノであるルビー色の瞳だった。
「あ・・・・・・・・・あぁ・・・・・」
人間とは思えない絶叫を上げ心の何かが壊れた。
吐きながら狂ったようにユカリちゃんの名前を吐き出し最早人語とは呼べないレベルで発狂した。
言葉では形容し難く、表現だけじゃ伝わらない人間の絶叫。
私の・・・私の人生は崩れた。
二時間も絶叫し、喉が潰れ、声が出なくても私は壊れたまま一週間が過ぎた。




