第10話:復讐
盗賊の後を追いながら、復讐の手立てを考える。
「ユキ、技は使える?」
「うん、炎なら生み出せるし、操れる。」
「わかった。」
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この世界での争いは、パートナー同士の闘いで決着を付ける。
主人が死ななけば、パートナーはも死なないからだ。だが、悪人は人を狙う。手っ取り早く、済ませたいから。
だから、パートナーは主人や自分を守るために技を使う。
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既に、森の奥まで来てしまっていた。
少しだけ開けた場所で盗賊達は、次の手立てについて話し合っている。
盗賊は全部で3人。
顔が傷だらけの男。
太った豚鼻の男。
酷く痩せている下っぱのような男
さらに、ハイエナのような魔物が3匹いる。
奴らのパートナーだろう。
僕は、手始めに痩せた男に対して言い放った。
「ユキ、『火玉』」
ユキは、手のひらから火の玉を出して痩せた男に放った。
ーーボッ
見事に頭に命中し、痩せた男は転がり回る。
その拍子に、二匹のハイエナも燃える。
「あっぢぃぃぃぃいいい!!」
「「グルワァァァン」」
「なんだ?おい!誰だ!」
すぐに、他の2人は戦闘態勢に入るがもう遅い。
「ユキ、『火玉』」
ユキは、太った方に狙いを定め、もう一発放った。
「うがァァァァァァァああ!!」
太った男も、全身燃え上がり、その場に倒れ込んだ。
「ちっ、誰だか知らねえが、そこにいるのはわかったぜ。こんなくらい場所じゃ、火の玉は目立っちまうなァ。」
「ユキ、『火陣』」
僕がそう言うと、ユキは火の玉で男とハイエナを取り囲んだ。
「な!おい、ちょっと待てよ!」
そんな男の言葉を無視して、僕は淡々と命令を続ける。
「ユキ、『火玉』」
「クソっ、こうなりゃ.....オラッ!」
だが、男は自分が燃えるのをかえりみず、火の円の中から、転がって脱出し、森の中へと逃げていった。
そんなことをしても無駄なのに。
この森は、家の近くにあるから小さい頃からよく遊んでいる。僕にとっては庭も同然のこの森で、あいつが逃げる場所なんてあるはずがない。
狐状態となったユキを肩に乗せ、あいつが逃げた方向に向かって、先回りする。
「はぁはぁはぁ、ここまで来ればいいだろ」
「ユキ、『火玉』」
「んなっ!」
また、男が間一髪で避けた。
ガシャンと男の腰の刀が落ちる。
僕は、それをすかさず拾い上げ、男に詰め寄る。
「す、すまん。俺が、悪かった。頼む、許してくれ。」
男の腐れっぷりに、心底呆れ、僕は冷たく言い放つ。
「許すわけねぇだろ。」
しかし、男は笑いながら言う。
「じゃあ、しょうがねぇな。『ブレイクファング』!」
死角から、ハイエナが飛び出してくる。
だが、そんなことは分かり切っている。
「ユキ、『火玉』」
肩に乗ってる狐から、火の玉が放たれる。
真正面からそれを受け、無様に、燃えたハイエナが転がり回る。
僕は、一呼吸置いて
「死ね」
そう言って、男の首を跳ね飛ばした。
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家に帰り、両親を火葬し、土に埋めて墓を作った。
僕が両手を合わせてると、ユキも合わせて合掌する。
星が降る夜に、2人は夜空を見上げた。




