没落の王都
未踏破のダンジョン【没落の王都】はミノンから少し離れたところにあった。
案内魔:「こんにちは。こちらでダンジョンの受付をしてください。」
男:「わかりました。」
男は受付を済ませるために古い小屋に入った。そこは物置小屋みたいな感じで椅子やら使えない剣などのものが乱雑に置かれていた。
受付魔:「ダンジョンの受付をしますか?」
と急に言われたので、男も驚いた。
男:「はい。そうです。」
受付魔:「では、ギルドカードを見せてください。」
男:「はい。これですね。お願いします。」
男は図書館で勉強中に魔王検定を受けるのにもしかしたらギルドカードが必要になるかもしれないと思い、ギルドカードを作りに行っていた。
受付魔:「はい。確認が終わりました。では、今から注意事項を話しますのでよく聞いといてください。」
受付魔:「まずこの【没落の王都】は未だに踏破されておらず。とても危険なダンジョンとなっています。ですので、たくさんの死者が出ております。なので、途中でリタイヤするのでしたら、Побегと唱えてください。そうすると、瞬間移動をして戻ってくることができます。説明は以上です。質問はありますか?」
男:「ちなみに、どのくらいの時間が必要ですか?」
受付魔:「大体、1週間前後でございます。」
男:(3級魔王検定まであと2週間ぐらいだから大丈夫だろう!)
男:「わかりました。」
と快く返事をし【没落の王都】へと入っていった。
【没落の王都】。もともと古代イレセナ王都と呼ばれていた。古代イレセナ王都は、聖都ミノンよりも栄えていて、魔界都市と言われていた。人族がここ一体を占拠してしまい、【没落の王都】として、ダンジョンになってしまった。
さて、さっさと終わらせようか。オレはこれが終わったら、魔王試験を受けるんだ!!
古代イレセナ王都は、いかにも現実世界という感じがして、懐かしく感じ、今からここを襲うという、盗賊や略奪者に似ているような感覚だった。だだ、ここで腹を括らないと、絶対に魔王検定に合格することはできない。そうじゃないと、おれは現実世界に戻ることはできない。だから、やらねばならない。
すると、一人の人族がこちらによってきて、殺意の目を向け、剣を振りかざした。
男は、持っていた剣で相手の剣をいなし、人族と距離を取った。人族は何かこちらに話しかけている。だが、男はその言葉はわからなかったので、黙り込んでいた。
すると、また剣を振ると思いきや、今度は杖持っていた。杖の先には、現実世界のルビーに似ていたものが埋め込まれていた。すると、人族は「네가 구하는 곳에 큰 바람의 가호가 있기를. 웅장한 바람의 힘을 지금 여기에【폭풍】」と唱えると、あたりに荒れ狂う暴風が吹き始めた。男は体勢を崩し、暴風によって飛んでしまうのを防ぐのに精一杯だったが、人族が男の首を狙いに来ていたので、相手の手首を蹴り、腹にも蹴りをいれた。人族は戦い慣れていないのか、少しうずくまってしまったが、もう一人の人族が「네가 구하는 곳에 큰 재생의 가호가 있기를, 상처 입은 자에게 다시 일어설 힘을 주리라【재생】」というと、うずくまっていた人族の一人がスクリと立ち上がった。なるほど、一人の人物が使っていた魔法は風魔法で、もうひとりの魔法は再生魔法だな。オレも異世界転生系のものを読んだことがあるから、そのへんはわかるぜ!!たしかあれは、無職◯生っていうやつだったなぁ。おっといかんいかん。目の前の敵に集中しないと。
じゃあまずは、厄介な再生役から潰そう。すると男は再生役の人族を標的として、走りながらその人族の胸に剣を振りかざした。人族の胸から青い血が吹き出していた。人族は再生魔法を使おうとした。しかし、男は人族の喉を切り裂いた。そして人族は倒れ込んでしまった。そしてすかさず、風の魔法の使い手の方に走り、剣をしたから振り上げた。剣はその人族の顎を突き破り、その人族は倒れ込んでしまった。
男は自分のスキルを風魔法の人族に試してみた。「汝の求めるところに大いなる神の加護あらん。偉大なる貴殿の力を当方に授けよ|【複製】」すると、白い魂のようなものがふわふわと上がり、男の心臓へと消えていった。少々驚きながら再生魔法の人族にも詠唱を唱えた。すると今度は緑色の魂が男の心臓へと消えていった。
意外と苦戦せずに行けるもんだな。男は近くの塀に寄りかかり、考えていた。
どうやら、この異世界では人族は魔術と剣術をどちらとも使えるらしい。また、魔術を使うのには必ず詠唱が必要だということ。俺のスキルも、詠唱が必要だ。しかし、魔族ならば詠唱を省略でき、そもそも詠唱がいらない無詠唱で魔法を繰り出すこともできると何処かで聞いたことがある。だが、今はとりあえず自分の魔法の手数を増やすことが目標だ。そして、男はダンジョンの奥へと進んでいった。
その後、男は火の魔法の人族や、水の魔法、氷の魔法、土の魔法などの基本的な魔法を【複製】で手に入れることができた。このあと、とんでもないことが待ち受けていることにはもちろん気づかなかった。
男がもっと強い魔法を求めてダンジョン内を彷徨っているとき、突然、男の目の前に、小さい人族が現れた。男は今までみたいに、首を切り落とそうとしたが、その人族の首は鋼鉄のように固くなり、鉄と鉄を打ち付けるような音がした。
そして瞬時に「汝の求めるところに大いなる火の加護があらん、雄大なるその土地ごと焼き尽くせ【火炎咆哮】」と詠唱すると真っ赤な炎がビーム状になり、人族のもとへといった。すると人族は、「汝の求めるところに大いなる水の加護あらん、水を使いしものに、大きな壁を与えよ【水壁】」というと水が男の前へと集まり、大きな水壁を作った。そして炎が来たと同時にその水壁を前に押し出し、一瞬にして炎を消し去った。
男が再び攻撃をしようとすると、その人族が低い声で話し始めた。
人族:「お前は何をしたいんだ。なにがしたくて、ここに来た」
男はドキッとした。今まで男と話すことができた人族がいなかったからだ。
男:「な、なぜお前は、俺が知っている言葉で話すことができるんだ」
人族:「...俺が勇者だからだ。」
その言葉を聞き男は呼吸が荒くなった。
人族:「もう一度聞く。お前は、何がしたい。答えろ!!」
男は呼吸が荒くなって答えるどころの話ではなかった。
殺される
人族:「...もういい。死ね。」
そうすると、人族が持っていた剣が、男の左胸に突き刺さった。男は再生魔法を使ったが、傷が癒えることはなく、そのまま死んでしまった。
目が覚めると、一面お花畑のところに飛ばされた。
神:「やっと目が覚めたか」
男:「ここはどこだ?」
神:「常世。現世と天界の間だ。」
男:「ってことは、俺はいま生死の狭間にいるってことか...」
神:「その通りだ。」
男は再度周りを見渡す。寒色系の花があたり一面に咲いてる。心地良い。
男:「で、お前がなんのようだ。」
神:「...」
男:「お前がここにいるってことはお前は俺に何か用があるってことだな」
神:「...そうだ。お前に助言をしよう。」
男:「...いきなりだな。」
神:「私はお前に現実世界に戻って欲しいからな。協力してやる。」
男:「話をそらそうとしてるな。さっさと話せ。」
神:「わかった。では、助言をしよう。」
神:「【没落の王都】の最深部まで行き、攻略しなさい。そうすればあなたに、幸運が訪れるだろう。」と神が言うと、段々とあたりが暗くなっていった。
目が覚めると、あの勇者はここから去ろうとしていた。男は力を振り絞って詠唱した「汝の求めるところに大いなる氷の加護があらん、氷を使いし者に大きな氷柱を与えん。【氷柱】」氷の氷柱が勇者の腹を貫いた。




