表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/30

隠し洞窟⑦

 ついにわたんの体力も厳しくなってきたようだった。

 最初のように飛びながら歌う余裕はなく、私にもたれ掛かりながら一生懸命歌ってくれている。

 そして私の方も限界が近いことはわかっていた。


 白さんはまだ、目を覚まさない。


 なるべくギリギリまで時間をおいて、白さんとわたんにバランスを見ながら『ダブルヒール』をかける。

 ただの時間伸ばしでしかないことはわかっていた。

 これではいつか限界が来る。


 どうしよう、どうしよう。

 約束したのに、絶対って言ったのに。

 絶望の闇に囚われそうになりながらもスキルを唱えた時、目の前にウィンドウが表れた。


...............................................

 治癒魔法Lv24→Lv25

 スキル 『カースヒール』習得

 状態異常(呪い)回復

...............................................


 レベルアップによって新しいスキルを覚えたようだ。

 それを確認した時、白さんが言っていた「呪いみたいなもの」という言葉が頭をよぎった。


 もしかして……!


 これは賭けだ。

 でももうこれしか道はない。



「『カースヒール』」



 祈るように白さんに新しく覚えたスキルをかける。

 すると剣が嫌がるようにガタガタと震え、纏っていた黒のドロドロが減ったように感じた。

 やっぱりこの剣は抜いてもまだ白さんと繋がっているんだ!もう1度!


「『カースヒール』!」


 力強くはっきりと口に出す!

 そしてスキルがかかった瞬間、白さんと剣から一気に黒のドロドロが溢れ出したかと思うと、剣もへ泥のように溶けてなくなった。

 何か先程まで感じていた嫌なものがなくなったように思う。


 急いで体力を更に消費したであろう白さんに『ダブルヒール』をかける。

 すると先程までいくらヒールをかけようと塞がなかった剣の刺傷がみるみるうちに塞がっていった。

 それを見て、判断が正しかったことを確信した。

 呪いがヒールを邪魔してたんだ。


「うっ」


 白さんが呻く。

 まだぐったりとはしているが、意識は取り戻したようだ。


「白さん!大丈夫?」


 掠れてもうほとんど音は出ていないような声で呼びかける。


「うん……うん……ありがとう。なんだろう、今とてもいい気分なんだ。もう、きっと大丈夫だ」


 すっかり元気とは言えないものの声は明るく、話せる状態にまで回復している。

 本人の言葉もあるし、これでひとまず安心してもいいだろう。

 というかもう私も限界。


「よかった。じゃあ私しばらく眠ってもいいかな?ちょっと疲れちゃった……」


 地面にゴロンと寝転がる。

 あまりいい寝床とは言えないけど、もうそんなこともいっていられないぐらい疲れていた。

 わたんも既に従魔の守り石の中で休んでいてもらっている。


「うん、僕も少し眠る。また起きたら改めてお礼を言わせて。本当に本当にありがとう……」



 こうして白さんの穏やかな声に見送られながら、私は意識を現実世界へと戻したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ