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最終話

その時、天から声が聞こえてきた。全能の神であり、3人の父であるジアスの声だった。


「息子たちよ、長い間ご苦労だった。もう天界に戻ってくるが良い。」


「どういう事ですか?」


「もういいのだ。全能の神である私だけが持つ「神の怒りの(いかずち)」に匹敵する、いやそれ以上の兵器まで手にしてしまった人類を救う事はもはや不可能なのだ。息子たちよ、長きに渡りご苦労であった。我々はこれ以上人類に干渉してはならないのだ。」


「なぜこんな事になってしまったのでしょう?」


「マーラの乗り移った人間が子を産み、孫を産み、その子孫は星の数ほどもいるだろう。もはや邪悪な心を持った人間は世界中に散らばってしまったのだ。その事に気付かなかった私の責任だ。私はマーラに負けたのだ。確かに私は地上の様子を見るたびに後悔し続けるのであろう。」


3人の息子にはもはや返す言葉はなかった。




天界に戻った3人の息子たちはそれぞれ、酒の神、豊穣の神、音楽の神となった。


それから100年近く経ったある日トリスが地上を覗き込んでいると、おびただしい数の閃光が見えた。それは「神の怒りの(いかずち)」の何倍もの光だった。


しかしその閃光が消えた後、地上からは何の音も聞こえなくなった。


不思議に思ったトリスはジアスに尋ねた。「父上、地上に凄まじい数の閃光が見えた後、何の音も聞こえなくなってしまいましたが、一体どうしたのでしょう。」


ジアスは答えた。「第3次世界大戦が起きたのだ。何百という核兵器が使われ、1時間足らずで人類は滅びてしまったのだよ。人類は私以上の力を手に入れた。しかし、邪悪な心を取り去る事は出来なかった。そんな人類に私以上の力など使いきれるわけがないのだ。巨大な力を持つものは、それ以上の制御できる心を持たねばならないのだ。しかし、全ては私のせいだ。許してくれ、人間たちよ。」


そう言って涙を流す全能の神ジアスに声を掛けられる者は誰もいなかった。




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