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「キャーーッ!!」
セレスティアの身体がネコノミコンの中に吸い込まれた!
ネコノが床に落ちる。
「ゲバッ!」
ネコノが動いた。
「あ、あたし…どうなったの!? 何なのこれは!? 力が…力が手に入るはずじゃ…あ、あた…オ…オイラ…ゲババッ!!」
「ブワハハハハ!!」
ボロ服のおっさん…人間の身体に封じられた怠惰の神(?)が、大笑いした。
「バカな女め!! ネコノミコンの呪いでその女の自我は、どんどん無くなっていく。そして最後は本そのものになってしまうだろう! どうだ、マーリン!! 愛する者を奪われた苦しみは!? お前の策略で神の身体を失った我の苦しみに比べれば、大したことではないだろう!! ブワハハハハ!!」
マーリンが高速詠唱した。
ネコノが光に包まれる。
「女とネコノミコンの融合を遅らせたか? お前の魔法でも進行そのものを止めることは出来ぬ!!」
「怠惰の神…」
マーリンが懐からきらびやかな短剣を取り出し、刀身を抜いた。
「あなたを殺す!!」
アタシの視界が突然、暗転した。
再び見えた光景はマーリンが怠惰の神を組み伏せ、その首に短剣を突き刺している姿だった。
神の首からほとばしる血潮がマーリンを深紅に染めあげる。
血はときどき、その色を変え銀色に光り輝く。
そしてまた、深紅に戻るのを繰り返してる。
「神を殺す短剣『ニーヴァレイン』か…」
怠惰の神が口から血を吐きながら、うめいた。
「我の血を浴びたお前は、もはや寿命で死ぬことはない。しかし、その永遠の命がお前を苦しめるだろう。今日というこの日を、お前が愛する者を失ったこの日を、本に変わっていく女を元に戻すことも出来ずに傍観するしかない日々の始まりを心に刻みつけて生き続けるがよいわ!!」
怠惰の神は最後にそう叫ぶと、それきり動かなくなった。




