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「あった?」


「ミューちゃん、ないよ」


 ぐぬぬ…。


 そんなバカな…。


 言い伝えが間違っていただと…。


 いや、そんなはずはない!!


「次はどうするの? ギャバッ!」


 アタシはその場にあぐらをかいて座った。


 静かに目を閉じる。


 瞑想に入る。


 必ずどこかにエッチな本はある。


 アタシがマーリンなら、どこに隠すだろうか?


 葉を隠すには林に…木を隠すには森に…ポック、ポック、ポック、チーン!!


 ひらめいた!!


 アタシはダッシュで、いつもマーリンが本を読む部屋に戻った。


 机の上には3冊の本がある。


「サラマンダー金融道」


「ヨーカンを召喚!」


「HIPHOPZAP」


 ヨーカン?


 HIPHOP?


 何じゃこれは…?


 いや、騙されぬぞ!!


 アタシは「サラマンダー金融道」を手に取ってページをパラパラとめくった。


「やったーーーっ!!」


「ミューちゃん!?」


「ネコノ、これを見よ!!」


 アタシはネコノに本の中身を見せた。


 そこには裸で四つん這いになったイケメンが目の部分だけを隠す仮面を着けたセクシーな格好の美女に、お尻を叩かれてる画が描いてあった!!


 我、エッチな本、発見せり!!


 フハハハハハ!!


 あのドエロメガネ、とんでもねーものを隠してやがったぜ!!


 残りの2冊も中身は同じだ!!


 カバーを違う本に変えて、普通の本を読んでるフリをしながらエッチな本を…ド、ド変態じゃあねえーかっ!!


 いつもアタシのお尻を叩いておきながら、実は自分が叩かれたがっていたとは!


 ドエロメガネめ!!


 どんな上級プレイだよ!


 ネコノはエッチな本を見て赤くなってる。


 お前が興奮してどうする!?


 「ただいまー」


 地下の階段からマーリンの声がした。

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