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「ぎぇーーーっ!! 死ねっ!!」
ババアが叫んだ!
「おっと。申し訳ないですが、それは受け入れかねますね。あなたの身体はもう、僕の魔法で操られてますよ」とマーリン。
「な、何じゃと!?」
ババアが驚く。
「う、動けない!!」
「さあ、ではミューに飲ませようとしていた薬を、ご自分で試してもらいましょうか」
マーリンが真顔で言った。
お椀を持っているババアの右手が動きだす。
自分の口に薬を運ぶ。
「ぎゃあああっ!! や、やめてくれ!!」
ババアが泣きわめく。
「アハハハ!! おかしなことを言いますね。あなたが今まで麓の村人たちにしてきたことですよ。そんなに怖がらないでください」
「た、助けてくれ!!」
「あなたが実験した人は、そうやって許しを乞うたのでは? あなたは彼らを許しましたか?」
「ングッングッングッ」
ババアは自分で自分の薬を飲んだ。
直後に口から泡を吹いて倒れる。
「おやおや、運が悪かったようですね。いきなり死んでしまうとは」
マーリンがニヤリと笑った。
「ゲババッ!!」
マーリンのローブからネコノが飛び出した。
「ミューちゃん、今、助けてあげるからね」
ネコノの細い触手がアタシの拘束を解く。
アタシは上半身を起こした。
「ちょっと!! これはどういうことよ!!」
「ごめんね、ミューちゃん」
ネコノが謝った。
「実はミューちゃんと別れたフリして、ずっといっしょに居たんだよ。マーリンの悪ノリがひどくて。1人で怖かった?」
めちゃくちゃ怖かったわ!!
よくも騙したな!!
「アハハハ!!」
マーリンが爆笑しだした。
アタシの顔を指差して「その顔!! お腹痛い!!」
このクソメガネ野郎ーーーっ!!
アタシは台の上からジャンプして、マーリンに襲いかかった。
マーリンが後ろへ倒れる。
マーリンの胸をボコボコ叩く。
「ミュー! 痛い、痛い!」
めちゃくちゃ腹立つ!!
でも少し…ほんの少しだけ楽しかった。




