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「分かりません」
アタシは答えた。
あれ…?
何だか…急に…すごく…眠くなって…きた…。
「いろいろ実験をしておるんじゃよ。いつもは麓の村から人をさらってくるのじゃが、今日は楽できたよ」
お婆さんの声が、やたら反響して…アタシは意識が無くなった。
目が覚めた。
目の前にお婆さんの顔がある。
「起きたね、お嬢ちゃん」
頭がボーッとしてる。
アタシは身体を起こそうとした。
手足が動かない…。
この部屋の中央にあった台の上にアタシは寝かされていた。
台と連結した鉄の輪が両手足に、はめられてる。
こ、これは!?
しまった、やられた!!
「このババア!!」
アタシは怒鳴った。
「まあまあ、元気が良いね。実験には最適じゃ」
「実験!?」
「そうじゃよ。これからお嬢ちゃんに、いろんな薬を飲ませる。運が悪ければ最初の薬で死ぬかもしれんのう、ヒヒヒヒヒ」
「ふざけんな、ババア!! ぶっ殺すぞ!!」
「ハイハイ、分かりましたよ。そんなに早く薬が飲みたいのかい」
お婆さん、いや、ババアが木製のお椀をアタシの顔に近付けてきた。
「ギャーッ!! やめろ!!」
アタシは絶叫した。
「ホレホレ、口を開けるのじゃ。無理に飲まされたいか? 無駄なことは止めなされ」
ギャーーッ!!
なんでミーナヘイムの魔女のアタシが、カルナディアのこんな洞窟で得体の知れないババアのいけにえにならんといかんのじゃーーっ!!
アタシの最後、悲しすぎるっ!!
アタシは気が付くと「マーリン!! ネコノ!! 助けて!!」って叫んでた。
あんな薄情な奴らが助けに来るわけないのに…。
ババアのお椀が止まった。
ババアの後ろから、誰かが顔を出した。
メガネしてる。
変な寝グセのついた髪の毛…。
マ、マーリン!?
な、何で!?
「また、何とも悪趣味なことをしてますね」
マーリンが言った。
冷静な声。
「だ、誰じゃ、お前は!? い、いつの間に入ってきた!?」
ババアが怒鳴った。
めちゃくちゃ驚いてる。
「いつの間にって…僕はずっと、この娘のそばに居ましたよ。透明にはなってましたが。このレベルの魔法を見破れないとは、あなたは対した実力ではなさそうですね」
マーリンが肩をすくめた。
ずっと、いっしょに居た!?
アタシのそばに!?
何それ!?




