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「こ、こんなの…」
口から大量に吐血して、虫の息のバーディがうめいた。
「カッコ良くない…ワタクシに似合わない…」
バラが口から落ちた。
てか、こいつずっとバラを咥えて、よく普通に喋ってたな…。
「あなたの美意識など何の意味もない。ここにあるのは、あなたたちが敗けたという現実だけです」
マーリンが言った。
「ネコノ!」とマーリン。
「ギャバッ!!」
マーリンの呼びかけにネコノが答える。
おやつタイム…。
ブルブル…。
終わった。
結局、マーリンは強かった。
「じゃあ帰りましょうか、マーリン様」
アタシは笑顔でマーリンに話しかけた。
「ミュー」
マーリンが静かに言った。
ま、まずい…。
やはり、メガネ外してからのお尻ペンペンモード発動は免れないか…。
「こう何度も裏切られては…僕も堪忍袋の緒が切れました。もう、終わりにしましょう」
そうですか…。
そうですよね。
じゃあ、今からお尻を出しますので、こうパパーンと景気よく叩いてやってくだ…
ええーーーーっ!!
今、何てった!?
「ここでさよならです、ミュー。さあ、ネコノを返して下さい。ネコノ、お別れの挨拶を」
「グギャバッ! マ…マーリン、本気なの? ミューちゃんが、かわいそうだよ!」
ネコノの言葉にもマーリンは無表情だ。
アタシからネコノを取り上げた。
「早く挨拶しなさい」
「ダメだよ、マーリン!!」
マーリンが何か呪文を唱えるとネコノは静かになった。
「それでは。これから頑張ってくださいね」
マーリンはそう言って、アタシに背を向けた。




