37
アタシを追ってきた!?
力を失ったアタシを!?
「我らに復讐するどころか、何という体たらくか! ああはなりたくないものよ!」
「我らをゴミムシと比べるでないわ! ワハハハ!!」
5人のアドロポリスの神々がアタシを嘲笑った。
おのれーっ!!
おのれ、おのれ、おのれ!!
アタシの中に恐怖よりも怒りが広がった。
何かおかしい気もする。
元々の魔女の姿でも敵わなかった神々に対して、村娘モードのアタシが本気で戦おうと思ってる。
瞬殺されるのは間違いないのに。
いや、そんなのかまわん!!
奴らを生かしておかぬ!!
存在そのものを消してやる!!
アタシはアドロポリスの神々に向かって走り…
「ミュー」
マーリンの声がした。
マーリンの両手がアタシの両肩に置かれてる。
「マ、マーリン!?」
「落ち着いて。この霧は魔法です。その人の最も憎んでいるものを見せ、怒りで我を失わせる効果があります」
「マーリン…やられたはず…」
「さっきのは遊びですよ。彼らの自由にやらせてみたのです。実際は怪我はしていませんし、シールドも破られたように見せただけです。驚きましたか?」
めちゃくちゃ驚いたわ!!
イタズラにも程があるだろ!!
「もう、術は解けましたよ。ほら、ごらんなさい」
あ!!
ホントだ!!
アドロポリスの神々が消えてる!!
そして…。
少し離れたところにバーディとガダッシュが密着して立ってた。
ガダッシュの仮面は落ち、顔が血まみれになってる。
バーディのサーベルでやられたのか?
ガダッシュの太い両腕はバーディの腰に回って締めつけてる状態だ。
「あの2人はお互いを憎い相手と思い込み、全力で殺し合ったのですよ」
マーリンが言った。




