プロローグ
初の恋愛長編作品です。
遅筆なんで更新が遅い時がありますが、応援して頂けると励みになります。
次話は本日中に投稿します
私は死ぬ。それは確定事項。
宮下つかさ。高校一年生の16歳。
青春を謳歌したい年頃で逝くんだ。
ああ、また泣きそうになってきた。
入部したばかりのバスケット部を続けたかった。ジャンプシュートが入った時に先輩から「言いセンスしてるじゃん」って言われた時は本当に嬉しかった。
夏合宿に行って、夜は皆とコイバナで盛り上がりたかったな。ユッコに好きな人がいるみたいだから相手を教えて欲しかったけど、こんな身体だ。仕方ないか。
恋もしたかった。
デートなんて一度もしたことがない。容姿が悪いわけじゃないよ。2回だけど、告白だってされたことあるし。幼稚園の時と中学の時。幼稚園で告白された事もカウントに入れてもいいよね?
友達とカラオケ行ったり、買い食いしたりしたかったなぁ。バイトも経験してみたかったし。もう全部無理なんだね。しょうがないよね、来世に持ち越そう。
また涙が出てきた。
仕方ないと分かっているのに、どうしてだろう。
私は自分が死ぬ原因が分からない。
医療が発展した現代で原因が分からない病におかされているから。
先週、担当医に言われた。
「宮下さん、我々は最後までベストを尽くしますが、恥ずかしながら治療方法が分かっておりません。最悪のケースを考慮に入れておいて下さい」
自分の身体は医者よりは分かっている。
私はもう助からない。
病室を訪ねてくれるみんなには本当に感謝しているよ。それはホントの気持ち。
でも泣かないで。笑ってて欲しいな。
ユッコに咲ちゃんに若っち。小学校からの腐れ縁。
学校帰りに必ず誰かが見舞いに来てくれる。
みんな大切な私の友達。私が死んでもみんなにはずっと仲良しでいて欲しいな。
ベッドの上にいると暗い考えしか浮かんでこない。
体を起こして片耳に付けていたBluetooth型のイヤホンを外して、テーブルの上に置く。近くに置いてあるスマホを手に取り、流していたZARDの曲を止めた。薄手のカーディガンを入院着の上から羽織り病室を出た。
「さて、どこに行こうかな」
廊下を歩きながら、考えてたけど妙案が出てこない。
受付近くの壁に貼ってある案内図を見て考える。
「うーん、今の気分だと……。ここかな」
建物を出てからヒーリングパークに行くことにした。
ここは入院している患者さんの散歩やリハビリ目的に利用している場所。私も週に3,4回は行ってる。
園路の至る場所には座って過ごすベンチや寝ころべるウッドデッキや人工芝のスペースがある。散歩の道中に歩くだけではなく、いろんな発見とか体験をすることがある。
座って眺める景色の中には、四季を彩る花木は草花が映り、思わず写生したい気持ちが沸き出てくるほどだ。目を閉じれば香りの風が吹くのを感じてリラックスできる。年寄りっぽいかもしれないけど、風にそよぐ花や木の葉の動きも楽しめる。
しかもここ、近隣の住民に自由に利用できるように解放しているって所が何気に凄いと思ったね。
なんとも太っ腹な病院様だよ。入院するまで利用したこと無かったけど、感謝感謝だね。
自販機で買ったお茶を飲むために空いてるベンチを探していると、見たことある男子がベンチに一人で座っていた。
普段なら遠慮して声かけることもないんだけど、この日はなぜか声を掛けてしまった。
「えっと、クラスメイトの吉川君だよね? 私は宮下だけど分かる?」
私が声を掛けると、彼はこちらを見てきた。
「うん、知っているよ。長いこと入院しているから心配してたんだ」
私は5月のGW明けに体調を崩してから2か月と少し入院している。
「嘘でも心配してるって言われると悪い気はしないね」
「クラスメイトがずっと休んでいるのに心配しないはずないだろ。中学から同じ学校なんだから、そこまで意地悪じゃないよ」
「それはどうもありがとう。でさ、吉川君は何しに病院にきたの? もしかして私のお見舞いに来てくれたとか?」
ニヤケながら冗談で聞いてみると、彼は少し黙って斜め下を向いてから、真剣な表情で私に向き合う。
「僕さ、癌なんだよ。もう助からないんだ」
読んで頂いてありがとうございました。(^^)/
ZARDは実在した歌手になります。
もうお亡くなりになりましたが、筆者は好きで良く聞いてました。




