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48.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 エレオノーラが騒動を起こした、その日の午後。

 彼女は本宅のリビングに居座り、バサッと扇子を広げて高らかに宣言した。


「ジークフリートちゃんの洗脳が解けるまで、わたくしもここで暮らしますわ!」


 それは、夫婦の平和な生活に対する明確な宣戦布告だった。

 さらに彼女は、忌々しそうにリリアナを睨みつけると、冷酷な声で告げる。


「それに洗脳女。いつまでも、離れのような掃き溜めにいるわけにはいきません。今日からあなたも本宅に移りなさい」


 一見すると厚遇のようだが、実際にはリリアナのプライベートを奪い、監視下に置くための策である。

 それだけではない。

 エレオノーラは窓の外、庭に積み上げられた山のようなトランクケースを指差して、意地悪く口角を上げた。


「ただし。嫁としての根性を見せていただきましょう。これらの荷物、一切の助けを借りず、あなた一人の手で本宅の部屋まで運びきることですわ」


 背後で、ルナが「あのババア、やっぱり消しましょう」と殺気立った手つきで冷たいミスリル包丁を取り出した。

 ポチは「やれやれ」と欠伸をしながら、リリアナの出方を伺っている。


「……分かりました。運べばいいのですね?」


「ええ。泣き言を言うなら、今すぐジークフリートちゃんとの離縁状を書きなさいな!」


 エレオノーラは勝ち誇ったように胸を反らした。

 普通なら、ひ弱な令嬢がこの量を運ぶには丸一日はかかるだろう。

 だが、あいにく相手が悪かった。


 リリアナはトランクの山に歩み寄ると、人差し指に魔力を集中させた。

 そして、空中にさらさらと一文字の漢字を書き記す。


『軽』


 蒼い光を放つ文字が、トランクの山へと吸い込まれていく。

 付与魔法『軽』。

 対象の重量を、羽毛のごとき重さまで軽減する魔法だ。


 リリアナは片手で、自分の背丈ほどもある巨大なトランクを三つ、ひょいと持ち上げた。


「……っ!? な、なんですの、その持ち方は!」


「さあ、次を運びますね」


 リリアナは軽やかな足取りで、トランクの山と本宅を往復し始めた。

 鼻歌まじりに、一度に五、六個の荷物を抱え、猛スピードで階段を駆け上がる。


 数分後。

 庭に積み上がっていた荷物は、すべて本宅の新しい部屋へと運び込まれていた。

 リリアナは額の汗を拭う素振りさえ見せず、呆然と立ち尽くすエレオノーラの前に立った。


「終わりました。これで、認めていただけますか?」


 エレオノーラは、まるで幽霊でも見たかのように口をパクパクさせていた。

 信じられないといった様子で、自分の手でトランクの一つを持ち上げようとし、あまりの軽さに勢い余って自分が後ろへのけぞり、ひっくり返りそうになる。


「な、なんという……いえ、怪力ですの!? この、洗脳女め!」


 彼女は顔を真っ赤に染め、扇子をバチンと閉じた。

 悔しさに肩を震わせながら、鋭い視線でリリアナを射抜く。


「ぐぬぬっ! ……まあ、体力だけは認めましょう。ですが、これで勝ったと思わないことですね!」


 捨て台詞を残して、エレオノーラは嵐のように本宅の奥へと去っていった。

 どうやら、嫁姑の戦いはまだまだ長引きそうである。


「主様、次はあの女の靴の裏に『重』を付与して、地面に埋め込みましょうか」


「二人とも、やめなさいってば」


 リリアナはため息をつきながらも、少しだけ口角を上げて笑った。


【お知らせ】

※4/6(月)


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