三十話 栗原との会話
「えぇぇぇ!?」
栗原、周りの目が痛いので叫ぶのはやめて欲しい。
「ど、どうやって?」
「転移って言うスキルで、ぴょんっと」
「そんなスキルがあったんですね…」
栗原は驚いた顔を向けてくる。
今俺が持っている転移系のスキル、これは今のところ俺しか持っていない……とは限らないがその可能性が高い。
現在自衛隊が確認できたスキルの一覧を公開しているが転移系のスキルは載っていない、しかしそこはファンタジー定番スキル、スキル考察スレで存在が囁かれていたのだが所有者は現れなかった。
「栗原はスキル考察スレ見てない?」
「えぇ、自衛隊が公開しているスキル一覧しか」
そりゃしょうがない、それにスレを見てても実際有るとは思わないだろうしな。
「とまぁスキルの話はここまでにして試合見ようか」
「それもそうですね」
そう言って歩き出したのだが前を歩く栗原が可愛い…試合が楽しみなのか少しスキップをしているが外見がロリなせいで子供が遊園地ではしゃいでいるようにしか見えない。
「鴉田君?何かいいことあったの?」
「……へ?」
「顔がにやけてたよ?」
やべ、気を付けないと外見ロリがスキップしているのを見てニヤニヤしている変態になってしまう。
「いや、俺は試合を見るのは初めてだからちょっと興奮しちゃって…」
「へぇ!そうなんだね!」
やめて!そんな眩しい笑顔を向けないで!俺の心は汚れております…
「うわぁ、空いてる席あるかなぁ…」
「え?あ、着いてたのね……あそこ空いてるな」
「あ、ほんとだ行こ?」
「あぁ」
あぁ、そんなに急いだら人にぶつかるぞ…っておい!栗原は横にある通路から走って出てきた二人組にぶつかりそうになっている。
転移!からの転移!
「危ねぇ…」
「あ、え?」
栗原はまだ状況が掴めてないのか呆然としている、それにしても今日は転移魔法大活躍だな。
「大丈夫か?」
「あの、一体何が?」
「ぶつかりそうになってたぞ、気を付けろよ」
「あ、ありがとう/////」
なぜ顔を赤らめる…って俺が栗原を抱えたままだったな、ほい。
『只今から第四試合を行いまーす!』
『『『『うぉぉぉ!』』』』
やっぱり叫ぶの好きだなこいつら。
「あれ?鴉田君ってこの次の試合に出るんだよね?」
「まぁそうなるな」
この大会の流れは今日の第二試合では四組で試合を行い、勝ち残った四人がランダム抽選で二組作り準決勝、そして明日決勝戦という流れ。
「控え室に行かなくてもいいの?」
「転移があるから大丈夫」
「でもお昼ご飯食べれないよ?」
「いや、それも多分大丈夫」
今舞台に居る二人の男の実力は見た感じ同等、それに両者ともタンク型の様である、持久戦になるのが目に見えている。
この説明を栗原は納得したようなので二人で試合を見ながら昼食を食べる。
「にしても拮抗し過ぎたろ、観客も少し飽きてるじゃないか……ごちそうさま」
「本人達は真剣なんだろうけどね……私もごちそうさま」
それにしても小動物のように蕎麦をもぐもぐする栗原は可愛かったなぁ……ハッ!俺はロリコンじゃない、違う…うん、多分。
暇すぎて思考がロケットエンジンを積んで飛んでいってしまう。
「なぁ栗原、ステータスを鑑定してもいい?」
「良いよ…鴉田君になら」
え?何?なんでそんなに潤んだ瞳で見てくるんだ?
「えと…じゃあ鑑定」
栗原 愛
レベル:6
称号:"巫女の系譜"
魔力:A+
SP:0P
スキル:回復魔法Lv.3
ユニークスキル:御神楽
……ユニークスキルを持っている人は初めて見た。
「ユニークスキル持ってるんだな」
「はい、私も初めて見た時はビックリしちゃいました」
「これってどんなスキルなの?」
「えっと、私って神社の娘なんですよ」
へぇそれは初耳だな、何たって下の名前が愛って事を今日初めて知ったからな。
「それで称号に巫女の系譜がありまして、その称号を友達に鑑定してもらったら効果の欄に御神楽取得と書いてあったそうです」
「で、その御神楽の効果は?」
「私が神楽を舞っている間、味方の全能力徐々に向上と言うものでした」
それはすごい、徐々にとは言え全能力がupするんだからな。
「レベルは近くのダンジョンで上げたのか?」
「えぇ、鉱石迷宮で友達に手伝って貰いました」
鉱石迷宮とは俺の家から二駅程にあるとある民家の庭にダンジョンの入口が出来たもので、そこのダンジョンの壁には一定の確率で鉱石が出現するのでそれを採取して外の換金所に持っていけば買い取ってもらえる。
そのため東京都内では多分一番人気のダンジョンである、因みにその周辺の土地は国が買って今は凄いことになっているそうだ。
「それに栗原は凄いな、回復魔法をSP5Pで取得出来るんだからすごい適性があるって事だよな」
「えぇ/////そ、そんな事ないよ〜……えへへ」
支援職としては最高のポテンシャルじゃないか?
『おぉっと、ようやく試合が終了しましたァ!次の選手は準備をお願いします!』
お、やっと出番か。
魔力はA~Fまでで、一つのアルファベットごとに+・無印・-の3段階表記です。




