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バンド  作者: こくぼなり
二章
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60/60

ラストに

 あれから、ドラムもベースも一切触らずに高校生活を送ってきた。バンドメンバーにも特に関わらず、それぞれの進路も知らないほどだ。

 今日の卒業式でも、目が合っても声もかけず、はたからみたら他人のようだ。

 しかし、なぜか居心地の悪さは感じない。むしろ、無理して付き合っていた時より、心が通じ合っているような気がする。

 式も終わり、教室でのセレモニーも終わった。クラスの女子は泣いていたが、三年生のクラスに特に思い入れはなく、それほど面白いものではなかった。

 校舎の前に群がる人々をかき分け、早々に学校を出る。ふと、忠義という言葉が頭によぎり、校門に向かって一礼をする。

 帰路とは全く違う方向に、足を運び道端の花屋に寄り道をする。菊と藍を買い、急ぎ足で花屋を立ち去る。

 早く着きたい、という気持ちが強くなり早くない足を精一杯動かす。

 息切れしながら、十段の石段を登りようやく青藍の眠る墓地についた。

 青藍の墓地の前には、何故か人がいた。初めは、青藍の両親かと思ったが、どう見ても女子高校生三人だった。

「お、緑。やっぱりお前もきたか」

 初めに私に気づき話しかけてきたのは、紫織だった。続いて友黄と赤華が私に気づき「久しぶり」と他愛のない挨拶をした。

「あのさ、来てたよね。青藍」

 紫織はライブのことを言っているのだろう。

「そうだね」

 感慨深そうに、友黄が答え無言でそれに同意する。

「じゃあ、もう行くから。また今度ね」

「えー。もう行くの?もうちょっといればいいのに」

「親が学校で待ってるんだよ。何も言わずに飛び出してきたからさ」

「何それー」

 紫織は「じゃ」と手を上げ去って行った。もうこないだろう、また今度という言葉を残して。

「じゃあ私たちも帰ろっか。じゃあね緑」

「じゃあね」

 友黄は「じゃあね」と言ったすぐ後ろを振り返って、石段に消えて行った。赤華は「じゃあーね」と言いながら何度も振り返って、大きく手を振っていた。

 赤華も石段に消えたのを見て、青藍の墓地を見る。改めて手を合わせて「この一年間色々あったよ」と報告をする。

 体育大会や文化祭、受験勉強に持久走大会。どれも青藍がいたら楽しかっただろうな。

「前を向いて、私の知っている緑は誰よりも頑張り屋だから。大好きだよ」どこからかそんな声が聞こえてきた。どこからかは分からなかったが、誰からかははっきりと分かった。

「ありがと!」思いっきり叫び、私も踵を返す。石段を降りきり、空を見上げる。

 青々とした青が、私たちに勇気と希望を授けてくれた。

初めて小説を書き、分からないことだらけでした。これは所謂処女作となるわけですが、自分の中では至らないところばかりで、読み返すのも恥ずかしいほどです。

しかし、この小説を書いたことに、後悔はしていません。むしろ、この小説を書いてよかったとすら思っています。

これからも、小説を書いていきますので是非ご一読お願いします。

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