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バンド  作者: こくぼなり
二章
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急がば回れ

 突き当たりを右に行くとフェンスで囲まれた公園がある。案の定緑はそこにいた。

「緑!」

「もうこないでよ!なんで私なの?ベーシストなんて他にいくらでもいるじゃん!」

「違う!緑じゃないとダメなの。私たちには緑しかいないの!」

 泣きじゃくる緑に狼狽えながらも、しっかりと自分の意見を伝える。

「またみんなでバンドやろ!だって仲間じゃん。確かに、私はみんなのこと見下してたよ。一時期嫌いなこともあったけど、青藍が死んでから気付いたの!やっぱりみんなが好き。いやみんなとバンドしたい!」

 言いたいことは全部言った。緑は相変わらず泣いている。

「おかしいでしょ!私に拘らないでよ!」

「嫌だ。緑じゃないと!緑だけじゃない。他のみんなも揃わないと私は嫌だよ!」

「なんで……」

「だって親友でしょ!」

 袖で顔を覆ったまま緑は私の横を通り過ぎる。

「緑!」

 振り返りながら呼びかけると、緑は立ち止まり

「考えさせて」

 と一言だけ言い残して公園を出ていった。その一言は私を動けなくさせた。

 ブランコに腰掛ける。小学生以来のブランコは案外小さかった。向かいの滑り台の天辺をただ見つめる。

 さっきの「考えさせて」はどう言う意味だったのだろう。一旦家に帰り落ち着いて考えたいと言うことなのだろうか、それともこの場を離れるための、出まかせだったのだろうか。

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