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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
永劫回帰編(完全最終章)

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巨大塔トロイメライ:第1層

【巨大塔トロイメライ】


 トロイメライの出入り口は常に解放されている。

 ナハトの記憶を頼りに、俺は適当な壁へ向かった。


「……? ラスティさん、ここ……壁ですよ?」

「良い質問だ、スコル。トロイメライの出入り口はどこからでも入れるんだ」


「そうなのですか?」


「ああ。地上の周囲(ここ)だけは出入口になっているんだ」


 無機質な壁が一面広がっているが、これが全部出入口。出ることも入ることも可能な進入経路なのである。



「ほー、このような構造になっているとは興味深いです」



 壁に触れるルドミラ。右手が壁の中に沈んでいる。やはり、過去の記憶と同じだ。



「みんな、俺についてきてくれ。第1層はほとんどモンスターがいないから安全だけど、前と同じとは限らない」


「ラスティ様は一度来られたことがあるのですね?」



 不思議そうに首を傾げるストレルカ。……そうだった、みんなには話していなかったかもしれない。改めて説明しておこう。


 俺は、少し前にナハトの過去を見たとみんなに打ち明けた。もちろん、寵愛を受けし世界聖書オムニア・ウィンキト・アモルを通してということも含めて。



「なるほど、それで兄上は詳しかったわけか」



 納得するハヴァマールは、何度もうんうんと頷く。

 ちなみに、エドゥが要であることも話しておいた。



「なんだって!? エドゥが別の世界に行っていたのか」


 事情を知らなかったらしいテオドールが驚きながらも、エドゥに視線を送るものの――反応なし。



「…………」

「無視をしてくれるな、エドゥよ」

「そうではありません。第1層から第40層まで登るのが大変だと思いまして」


「確かに」



 エドゥの言う通りだ。

 だけど、転移スキルは一切使えないしなぁ。自分の足で上へ行くしかない。



「急がないといけないし、歩きながら話そう」



 俺はみんなに言いながらも先陣を切った。

 トロイメライの壁の中へ入っていく。


 ぐにゃりと視界が歪み、妙な感覚が全身を襲う。転移とは違う……息苦しいような、重苦しいような雰囲気。


 なんだ、以前とはまるで違うぞ。



【トロイメライ:第1層】

【安全地帯あり/回復スキルおよび回復アイテム無効】



「なっ……!」


 最初に塔の中に入って、俺は困惑した。

 ダンジョンの雰囲気とか構造はほとんど変わっていない。

 ただ、明らかに仕様が変化していた。



「どうなされたのですか、ラスティ様」


 心配そうに見つめるアルフレッドに対し、俺は答えた。



「回復系が使用できなくなっている……」

「なんと。それでは我々は回復を封じられた状態で塔の攻略をしなければならない……と」


 恐ろしい条件を突きつけられ、俺どころかみんなが沈黙していた。


 ……回復スキルおよび回復アイテム無効。


 過去にはなかった仕様だ。

 これはシックザールの嫌がらせに違いない。


 というか、先遣隊は無事なのだろうか。

 同じ条件のはずだから、かなり苦戦していると思うけど……。



「まずいですね、ラスティくん」

「……ああ、ルドミラ。体力には限りがある……ダメージを一切受けずに第100層の頂上へ向かわねばならないということだ」


「そんな無茶な!」



 そう、無茶苦茶だ。


 シックザールは俺たちに塔の攻略させるつもりはない、ということだ。


 それもそうだよな。

 ヤツの企みはハッキリしている。


 この島国ラルゴで儀式を完成させ、世界をひとつにする。そして、再構築したうえで理想郷を作り上げる。


 それがシックザールの真の目的。



「回復スキルすら使えないなんて……」


 落ち込むスコル。

 そうだな、ヒールが使えない。回復ポーションも使えない……絶望的だぞ、これは。



「先行しているパーティはどうやって回復を……?」


 ストレルカがつぶやく疑問に答えられる者はいなかった。

 俺も思いつかないぞ。


 無人島開発スキルに回復系スキルはないと思うし……。



「回復スキルと回復アイテムが無効なのだろう?」

「テオドールさん、妙案があるのですか?」


「試してみるしかない」



 テオドールは『錬金術師』として、謎のポーションを取り出した。



「なんだ、それ?」

「良い質問だ、ラスティ」



 俺の真似をするテオドールは、そのポーションを地面に投げる。ぱりんと割れると、それは植物モンスターとなり、黄金の林檎のような形になった。


 ――って、どこかで見たことあるな。


 いったい、どこで見たっけ。



「――あ! これってコルキスの……」


「そう。黄金の林檎(アムブロシア)さ」


「いつの間に!」

「コルキスに頼んで研究に使わせてもらった。錬金術師の力を使い、植物モンスター化できたんだ」



 なるほどね!

 黄金の林檎(アムブロシア)は、本来はアイテム。

 食べると、どんな病気も治癒する万能薬みたいなもの。


 だけど、テオドールの黄金の林檎(アムブロシア)は品種改良型らしい。



[黄金の林檎(アムブロシア)]

[詳細]

 品種改良者:テオドール

 召喚者に従う植物モンスター。

 あらゆる状態異常を回復。

 アムブロシアが放つ特殊エナジー[ネクタル]は、周囲のパーティを大幅に回復させる効果がある。



「特殊エナジーなのか?」

「そうだ。これは特殊エナジーによる回復なので対象外だ」



 こりゃ凄い。

 先遣隊も“抜け穴”を使って回復しているに違いない。


 これなら先へ進める……!


 いや、進まねば。

 回復問題が解決したところで、ダンジョン攻略開始――!

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