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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
9/153

第9話 ヒールで一瞬にして治る傷も一話どころか何処までも続く

 血塗れのケージがノディールに背負われ冒険者ギルドに運ばれて来た。

 冒険者ギルドの中は騒然となる。


 血相を変えた冒険者ギルドの受付嬢アンナ・ハーリンはケージを抱き上げると、「神殿へ連れて行く」と言って走り出そうとするが、ソフィアさんに止められた。


 いつも冷静沈着な受付嬢アンナ・ハーリンの動揺に周囲も驚く。


「出血が酷いです。神殿までは持ちません!! 私が水魔法で応急処置します!!」


 街に詳しくないソフィアだが、神殿と冒険者ギルドの位置くらいは理解る。


 ギルドフロアにいた冒険者の中からも治癒魔法を得意とする数名が治療に参加してくれたおかげで、俺は第二の人生を終えずに済んだ。


「ごめんにゃ、ごめん……」


 治療の間もずっと俺の手を離さなかったノディールやご主人様の事を、意識が戻ってからソフィアさんに聞いて、少し恥ずかしくもあり嬉しかった。


 俺の容態が安定すると、アンナ・ハーリンことご主人様は、緊急クエストを発動させる。

 このクエストには、ギルド最強の戦士ペチタ(ハーフエルフ族・244歳・♀)が強制参加させたれていた。

 総勢65名の冒険者たちは、スリの少女であるロジーナ(ナガミミ兎族・10歳・♀)に先導され、盗賊アーリンズの拠点を目指した。


「私の性奴隷に傷を付けたこと、死を持って償うが良い!!」


 この一言で、冒険者ギルドのギルドマスターですらご主人様に意見に逆らえず、緊急クエストの後始末を全力でサポートし始めたとか……。

 後から聞いて血の気が引く思いだった。


 それから五日後、俺はようやくベッドから起きれるようになった。

 その間、俺の代わりに家事をこなしてくれていたのは、ソフィアさんだった。


 まずはご主人様に挨拶だな。


「ご主人様、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」


 流石に回復してすぐに性奴隷として扱うような真似はしなかったが、パブロフの犬のように寝室で俺の姿を見ただけで興奮するのは止めて欲しい。

 うん、胸と股間を手で押さえるのは止めて!!


「全く、どうやったら子猫探しで死にかけるのよ!? もう心配させないで……。うん、この話しはお終い。それより夕飯の用意がもうすぐできると、先程ソフィアが言いに来てくれたの。ケージも一緒にどう?」

「はい!」


 お屋敷の食堂に行くと、あれ? 人数が多い!?


 ソフィアさん、ノディール!? それと長い耳の少女? 誰?

 俺が不思議そうな顔をしていると、既に座っていたノディールが説明をしてくれた。


「お前の命の恩人にゃ!!」


 うん、まるでわからない。黙っていろバカ猫!!

 一応、お礼を言っておく。


「そうなの? あ、ありがとうございました」

「本当にわからないか……。言い辛いけど、ソフィアさんから財布を盗んだ……犯人だ。種族はナガミミ兎族。名前はロジーナ。10歳……」


 そうなの!?

 フード付きの外套で素顔を隠していたからね……。


 ソフィアさんを見ると、軽く頷いていた。

 絶大な信頼を寄せるソフィアさんが、そう言うならば、そうなのだろう。


「で、何で、ここにいるの?」

「はいはい。それは食事の後でね」とご主人様が会話を打ち切った。


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