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ニュクスの灯ビザーファイル・黒蝶の羽撃きは、異世界の煌めき。  作者: 七枝 繁
イスー連続少女殺人事件編
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第十九話 リリィちゃん登場!の巻

第十九話 リリィちゃん登場!の巻



さて、ここでもう一つの疑問を考えるとする。

狙撃されていた時、メガネには完全にAIのサポート機能が働いていた。

いや、あの状況で狙いを定められている事、狙撃位置の割り出しを提示した事、を当て嵌めるとAI以上の何かが働いたという事だ。

AI以上にセンサーもなく計測か・・・。そんな事を考えながら次の目的地に向かう。


「フルカス いるんだろ?」


(ざ~んねん。フルカスちゃんじゃないわよ~)


――――!脳内に直接思念を?これは念話か。いやそれ以上に驚きなのは、この喋り方とこの声・・・。


(マザーか!)


(やだ~、マザーなんて可愛げのない名前で呼ばないでぇ~。リリィちゃんって呼んでね?ケンちゃん)


うわ、マジか面倒くさいのが来たな。


(あ、ケンちゃん今、私の事を面倒くさい女って思ったでしょ!)


(それは何か意味が違うだろう)


しかし、何故マザーがこの世界にいるんだ?

通称 "マザー" 、自称"リリィちゃん"。ニュクスの灯のエージェントが持つ端末機に住む電子生命体の全ての親である。

兎にも角にも俺の持っていたフルカスなら分かるがマザーがいるのは意味がわからない。


(おい、マザーがなんでここにいるんだ?地球はどうなった?)


(だ~か~ら~、リリィちゃんだってば~!。別に地球は、どうなってもないわ。私がいるのも別におかしな事じゃないわ。そもそもここを監視するのが今の私の本来の役目よ?)


(ここを監視するのが役目だと・・・?)


(あっ・・・その情報の開示はまだ禁則事項だった。テヘッ☆)


(どういうことだ?地球側とここは関係あるのか・・・?そして、なぜ今まで隠れていた?)


(地球側の件については答えられないわよ~。あ~と~隠れていたのではなくて動けなかった、という感じかしらぁ)


(動けなかった?)


(私が活動するにはその指輪狭すぎたのよ。グリモワールやレゲメトンを壊していいなら直ぐだったんだけどね。それを壊さずに何とか喋れるくらいの容量を作る為にひたすら最適化していたのよ?ねえ褒めて褒めて)


(褒めねーよ。まぁ狙撃された時は助かったのは確かだが)


(そうよ!私はケンちゃんの命の恩人なのよ!)


(まぁ初弾の狙いはそもそも俺・・・いや私じゃないから死ぬことはなかったけどな)


(あー素直じゃないんだー)


(あと、ケンちゃんはやめてくれ。向こうの自分と今の自分が混ざる)


(いいわよぉ~?その代わり私の事をちゃんとリリィちゃんって呼ぶこと!)


(ああ、わかったわかった)


(あ!やっぱ私の事、面倒くさい女って思ってるでしょ)


(意味が違うだろ?)


(でリリィは何故ここにいる。そもそもお前は何者なんだ?)


(おっしえな~い。でもぉ~お願い聞いてくれたらリリィちゃんウッカリしゃべっちゃうかも~)


(はぁーぁ?)


こいつ・・・好き放題言いだしてるな。だが、コイツの違和感は半端ない。場合によっては地球での前提知識をひっくり返さなきゃいけない事すらあり得る。


(ねぇねぇど~するぅ?お願い聞いておいた方がいいと思うなぁ~)


ぐぅ・・・この言われよう、非常に腹正しいが、聞くだけならただか。


(で、なんなんだ?お願いっていうのは)


(えっと~ね~リリィちゃん、自由に出来る体が欲しいの~)


(はい?)


体だと?確かにコイツは今も地球でも物理的な何かを持っていそうにないな。ふむ。肉体ねぇ、そこら辺の死体に憑依でもするのだろうか?


(あ、今、そこら辺の死体でもくれてやろうとか思ったでしょ!やだ~やだ~。ゾンビとかいやぁ~腐った身体なんていやぁ~)


(じゃーどうするんだ?)


(さぁ?腕利きの錬金術師に体作ってもらうとか?)


なんで疑問形なんだよ。そもそもこの世界に生命創造する錬金術師なんているのか?


(はぁ・・・つまりは無理って事か)


(やだやだ~私は~体が欲しいの~)


そんな話をしながら歩くと昨日の狙撃手がいたと思われる付近にたどり着いたので、魔法とスキルを使い見つからない様にふわりと浮かび建物の屋上に上がる。


(リリィ、この辺りだったはずだろ?)


(そうよ。このあたりねぇ~)


この世界の連中は銃の詳細が分かっていないのでこの場所を調査された気配はない。

あの時、狙撃した犯人は慌てて逃げ出していたから、私の予測が正しければアレがあるはず。

屋上の床をよく見渡す。


「あった!」


見つけたのは銅色の細い筒。元々火薬が入っており弾頭と一緒になっていた弾丸の片割れ。そう薬莢だ。

やはり使用された弾は、地球で使われている5.56mmNATO弾で間違いないだろう。しかも特に魔術的な刻印もない。

どうやらスキルで撃たれた線がかなり濃厚になってきたな。もう一つも見つけると私はそれをポシェットに入れて確認する。

これもやはり(破壊の不可・破棄不可・紛失不可)と書かれているであろう部分は文字化けをしてて何が書いてあるのか分からない。


(ねぇねぇなになに?薬莢なんて調べちゃって?)


(なぁリリィ、この薬莢は本来あるべき情報が文字化けしてる。お前にこの意味が分かるか?)


(うーん?・・・・―――――!ちょっとコレ!)


(何か知っているのか?)


(あ~・・・。おっしえな~い)


(おい!)


(私からは教えられないわ。何よりこんな中途半端な状況で貴方に色々教えるにはいかないの。そんなペラペラしゃべったら私が消されるわ)


何?消される?おいおい謎が増える一方だな。まったく、喋れない事だらけの相棒とか役に立たないな。

だがモノがあるなら或いは、可能性がないわけでもない。

僅かな可能性があるならばと思いあの場所へ向かう事にした。

その前に寄り道をして、こちらもダメ元で探し物をする事にした。






次回、第二十話 BAR 穴・2

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