44話
メランが食べ始めて5分くらい立っただろうか。
金属の擦れる音が聞こえた。
まさか、また敵なのか?
金属の音から察するに、鎧的なものを着たモンスターか、鎧その物がモンスターになった奴かもしれない。
おそらく、短剣は、刺さらないだろう。
短剣が利かないとなると、俺には勝てない。
これは、逃げるしかなさそうだ。
「おい、メラン敵が来たかもしれないから逃げるぞ。」
「うぇん?たぶんねぇ、敵じゃあないとねぇ、思うようぅ。」
「なんで、わかるだ?」
「隣にねぇ、いてぇ、襲ってこないからぁ。」
「わぁ。」
いつのまにか、長めの槍をもち隣に頭の先から、手足までの全身鎧を着た騎士のような人がいた。
なぜ、ここまで近づかれても俺がきずけなかったかと言うとそれは、メランと同じくらい小さかったからだ。
その騎士のような人は、はぁはぁと息を乱している。
「あの、すいません。僕たちに何か用ですか?」
なんとなく、すみませんとつい言ってしまうのが日本人である。
「ふぅ、やっと息が落ち着きました。今日の朝、この森の浅いところでオークを見たという証言が寄せられましてこのあたりをパトロールしてて・・・」
「オークならここに、もしかして倒したらまずかったですか?」
襲われたから、倒したがこの世界の法律的にまずかったのか?
オークは襲ってきたとはいえ、会話できる生き物だったし獣人の一種だったかもしれない。
まさかの異世界3日目で豚箱エンドになってしまうか。