14話
「おい、子供のイノシシがいたぞ」
「いえーい、今夜の晩飯にしようぜ」
どうやら、イノシシが出たらしい。
作物を狙いにきた獣なだけに、仕事を中断して狩りをしようとしている冒険者を農家のおじさんは、止めようとはしなかった。
「この辺って、よくイノシシとかでるのかな?」
「いや、ここの仕事は今日で三日目だけど出たことなかったにゃ。後でお肉分けてもらいたいにゃ、子供のイノシシは、やらわくておしいからニャア」
そんな、会話をしている間に、子供のイノシシは冒険者複数人に囲まれて、袋叩きにされていた。
食べるためのト殺とはいえ、なんだか可愛そうな気がする。あれが大きなイノシシなら何も思わないだろうが。
「子供のイノシシだけど、近くに親イノシシがいたりしないかな。」
「まぁ、イノシシの子離れは早いらしいし、たぶん大丈夫だニャア。そもそもイノシシが親子でいるところを見たことないしニャア。君って案外心配性だニャア」
何だろう、ものすごくフラグを立てている感じがする。
今は、ほとんどの人が動きやすいように、防具は付けておらず武器は草刈り用の鎌だけである。今イノシシに襲われたら非常にまずい。
とりあいず、不安なので、あたりを見渡すことにした。
案の定と言うか、なんというか
後ろの方から、大きな黒いイノシシが走ってくるのが見えた。