食事会
食事会
教室ではアヤコ、ナナコ、アイコが話している。教室に向かう真那と博美の会話。
博美 食事会なんてやってるんや。
真那 そうそう、親睦を深めるんが目的やけど、楽しいで!
博美 どんな話してるん?
真那 ん? そやね、、 いや、やめとこ。 好きなこと話しいや。
博美 ふ〜ん、 ま、楽しんでみるわ。
真那 それが一番!
(真那と博美が教室に入ってくる)
真那 私はあっちね。
博美 OK!
(博美が3人の席に座る)
ナナコ お、ヒロ先生と食事やん。 うわぁ〜 詰められたらどうしよ〜
博美 なんでいきなりそれなん?
ナナコ さすが先生、食いつき良好!
アイコ 先生もお弁当なんですか?
博美 そやで。
アイコ マジで!
博美 どこで驚いてんの?
アイコ 聞いてください。 私、お弁当を自分で作ろうと思ってるんです。
博美 で?
アイコ 1年の時からずっと思ってて、
博美 うん。
アイコ この思いがいつまで続くのかなって、、
博美 はい?
アイコ ですよね?
博美 ?「ですよね」?
アヤコ アイコ、 あんた飛び過ぎ。 今の話でどうしてそこまで情感豊かになれるん?
博美 今のは何やったん?
アヤコ 気にせんといてください、 この子の通常運転なんで。
博美 そうなんや! へ〜 アイコすごいね。 引き込まれたで!
ナナコ うぉ、 アイコのテンション受け入れてるやん。 ヒロ先生、やっぱ変わってる〜
博美 「やっぱ」はやめ〜や。 次、何来るんかなって思わされたし、そういうのいいやん!
ナナコ 変な子って思わんかったの? ヒロ先生?
博美 ん? そう? 私から見たらみんな変わってるで。 ナナコはそう思ってるんや?
ナナコ う〜ん、 なんか調子狂う〜
アイコ 詰められてるやん!
博美 なんでそうなんの、 ほら、早く食事しよ。
アヤコ ですよね。 で、アイコの弁当を作ったのは?
アイコ もちろん、お母さんやで。
アヤコ よくもドヤ顔で「もちろん」なんて言えたな! うわ! 先生のお弁当、めっちゃおいしそうですね!
ナナコ えっ、凄っ! 豪華過ぎません? ん? 先生?
博美 う〜ん、見た目はいつも通りやな。 あいつちゃんと作ったんかな??
ナナコ 先生? え? 無視? 独り言?
アヤコ ちょっと先生? あ、食べだした。
博美 (んん?? おお! だいぶ美味しくなってるやん。 やけども、昨日ほどの驚きはないか。 いやいや、それでも全然イケるな)
ナナコ ヒロ先生〜 お〜い って、なんかロボットみたいになってるやん
アヤコ 黙って食べろってことなんかな?
アイコ そうそう、食べよう!
ナナコ アイコ、 なんか助かるわ。
(しばらく無言で食事。 生徒たちが先に食べ終わり、互いに目配せ)
アイコ ヒロ先〜生。 生きてます〜?
ナナコ ちょっと、やめって、、 食べてる時点で生きてるやろ。
アイコ 引くぐらい綺麗に食べてるよね?
ナナコ それは思った。
アヤコ ほら、食べ終わるで。
博美 ごちそうさま。 みんなえらい静かに食べるんやね? そうそう、私の弁当って豪華に見えた?
ナナコ 嘘でしょ。
博美 ん?
アヤコ 話聞いてたんですか?
博美 もちろん。 あ! あぁ、そうか。 ごめん、 私、無言なってた。
ナナコ ヤバイですよそれ。
アイコ 顔もやばかったし。
博美 え? ちょっ、 どういうこと?
ナナコ 自覚ないんですか?
アイコ 能面ですよ。
博美 の、能面て、、
ナナコ その凹みっぷりにビックリです。
アヤコ なんでそんなことなるんですか?
博美 え? ちょっと今日はね、、 味が気になってて、、
アヤコ それだけで?
博美 重要やで!
アヤコ なに可愛く言ってるんですか。
ナナコ ほんまやで先生、 ちょっと怖かってんやから。
博美 ごめんごめん、 許して。 今日のお弁当の出来がほんまに気になってて。
アイコ 弁当って誰が作ってるの?
ナナコ お、アイコ、 ナイス話題!
博美 弟が作ってる。
ナナコ え? 先生、弟さん居るんですか?
博美 うん。
ナナコ しかも弁当作ってくれる?
アヤコ めっちゃ素敵な弟さんですね。
ナナコ それな〜 料理も上手やし。
博美 上手?
ナナコ どう見ても上手でしょ? めっちゃ豪華やし。
博美 いつも綺麗に作ってくれるで。
アイコ 先生、嬉しそう。
アヤコ ドヤ顔なってますよ。
博美 だ、ダサい人みたいに言わんといて。
ナナコ 仲良いんやね先生。
博美 ん、 ま、そうかな。 昨日一緒に食事行っておいしかったから、今日は期待しててん。
アヤコ もう彼氏ですやん。
ナナコ どんな人なんですか? 写真あります?
博美 あ〜 ないわ〜。
ナナコ ヒロ先生に似てますか?
博美 どうかな、、 似てるかな、、
ナナコ 先生に似てたらめっちゃイケメンやん。
アイコ あ、またニヤついた。
アヤコ 先生、超顔に出るよね。
博美 あ、あ〜 やめて〜
ナナコ 紹介してくださいよ。
博美 別にいいけど、 ここに連れてくるのも変やろ?
ナナコ 確かに、、
博美 まぁ、チャンスがあればね。
アヤコ じゃあ作りましょう!
ナナコ それそれ、いいやん。
博美 ぐいぐい来るな〜 何? みんなはプライベートでも先生と会ったりするんや?
ナナコ 真那先生とも何度か会いましたよ。
アヤコ ライブも行ったしね。 真那先生、めっちゃギター上手いんですよ!
アイコ かっこ良かったよね。
ナナコ あの時はクラス全員行って、他のお客さんがビックリしたんですよ。
博美 へ〜 すごいね。 真那先生が全員を誘ってくれたん?
アヤコ 違いますよ。 今日みたいに昼食の時に話が出て、始めはそこのグループが行くことになったんです。けど、すぐに広まってみんな行きたいってなって。
ナナコ 別クラスの子もって、どんどん増えていったけど、バンドメンバーのお客さんもいるから、うちらのクラスだけになったんです。
アイコ 学校の全員が来そうな雰囲気やったしね。
博美 へ〜 そんなことあるんや。
ナナコ 次のライブもみんな行くんちゃうかな。 その時はヒロ先生も一緒に行きましょうね。
博美 そうやね。
アヤコ で、それはそれで、弟さんはどうします?
博美 提案してよ。
ナナコ ランチ!
博美 いいね。 みんなのオススメに行ってみたい。
アヤコ え、 食事って、弟さんと二人で今日みたいに能面とかならんといてくださいよ。
博美 うっ。
ナナコ マジか〜 確実なりますって顔やん。
アイコ 真那先生も誘って、ヒロ先生のあの顔見せたらおもろいやん。
アヤコ あんたの発信力ってほんとすごいな。
ナナコ よし決まり。 じゃあ、私たちで場所考えますね。
博美 OK!
(博美と真那が教室を出る。二人の会話)
真那 楽しそうにしてたやん。
博美 楽しかったで。
真那 みんなもヒロのこと好いてるな。
博美 あの子らがとても良い子なだけやで。
真那 そう? フフフ