神トーク
喫茶店に博美、無限、瑄が入ってくる。店内はざわつく。
「ちょっとあれ、、」「凄っ、、、 どういう人たち?」「あの二人カップルかな?」「まじ、、え? 人間に見えへん」「それそれ、、」
無限 フッ フッ ププ 痛っ、、 何すんねん!
博美 そこに脛があるからや。
無限 いややねほんま。 自分で「茶しばきに行こ」言うといて。 しばくんはそっちですか? はぁーん!
博美 ムカつく顔すんなや。 だいたいなんで並んで座ってんねん。
無限 なんで、、 並んで、、 座ってんねん。 瑄さん、綺麗やね。
瑄 あ、ありがと
博美 おーい! 突っ込
無限 以前にもこういうことがあってね。
瑄 こういうこと?
無限 周りの反応ね。
瑄 ああ、、 フフ、 意地悪ですね。
無限 いや〜 いつもひどいことされてるからね〜 たまには、 「ありがとう」
瑄 「いい薬です」
無限 おお! ナイスですね〜 いつもは返しが酷くてムカムカすんのに。
瑄 胃酸に効いたんちゃう? ハハ、 あっ、、 丸聞こえですよ?
無限 あ? いい、いい。 だいたい今かって自分でヒートアップしてるからね。
瑄 いつも?
無限 多いね。 ほんま、これこそマッチポンプっていうぐらい自分から。
瑄 ブチ込むタイプなんや?
無限 と言うか、欲しくてしゃあないタイプやな。
瑄 おもしろいね!
無限 やろ? ただ暴力がね〜
瑄 可愛いやん。
無限 可愛い? いいね〜
瑄 楽しんでんやろ?
無限 まあね。 瑄は?
瑄 私も楽しんでんで。 パーリーピーポーやし。
無限 パーリーかよ〜
博美 おおおーぅい!
無限 な、何?
博美 ちゃらい話で盛り上がりやがって。 私抜きやし。
無限 入ればいいのに。 軽い感じは悪ないやろ?
博美 軽すぎや! まだそんな関係でもないやろ? もっとしっかり刈り取っていけや!
瑄 フフフ リーパー。
無限 やろ? だいたい気楽な雰囲気出そうとしてたん誰やねんって話やし。
瑄 おもしろいね。
博美 ちゃう〜 オラァ。
無限 痛あっ。 つま先折れるわ!
博美 次は首刎ねたるわ!
瑄 リーパー。
無限 な?
博美 ちゃう〜 って、なんやねんこの流れ!
無限 ハハハ そろそろやめにしよか。 そもそも始めたんはお姉ちゃんやんか。
博美 はぁ? なんでやねん?
無限 変なところで対抗心持って。 なぁ?
瑄 そやで、 おか、、 博美さん。
博美 変な感じやな。 さっき言えてたやん。
瑄 か、 簡単には言えん。
博美 無限には気楽に話せてるやん?
瑄 あっ、、
博美 ふ〜ん。 まぁええわ。 もっとプレッシャーかけたるし。
無限 ハハ それは悪くないな。
瑄 ちょ、 ちょっと。
無限 なんやったらオレどこか?
瑄 え? いや、それは、、
無限 プッ
博美 なんか傷つくこと考えてない?
瑄 ちゃ、 ちゃうで、、 ほんま。
無限 大丈夫やで。 こう見えてオレが抜けたらお姉ちゃんも気詰まりなるから。
博美 そういうこと言うかね?
無限 そんなもんやろ?
瑄 そ、そうやで。 そうや!
博美 どないしたん?
瑄 気楽になんか簡単にはなれへんで。
博美 まぁ、 そうかな。
瑄 3人やからいいってのもあるやん?
博美 そうなんかな?
瑄 今がそうやん。
博美 まぁ、 そうかな。
瑄 意識するやん、いろいろと。
博美 意識、、 なんなんかな、、 分からん。 あんま経験ないし。
瑄 そっか、、 まぁ、人の距離感なんていつも難しいわ。
博美 そうなん? 学校とかそんなに感じへんけど。
瑄 立場があるんちゃう? それが無意識に自分の位置を決めてくれんねん。
博美 無意識で安心できるってこと?
瑄 ん〜ん、、 と言うか、互いの立ち位置ができるってやつかな。 生徒と先生なら、それだけでほど良い距離ができるし。
博美 ふ〜ん。 今の私らは?
瑄 なんなん?
博美 なんなんやろか?
瑄 誘ってくれたんは、おか、、 博美さんやし。
博美 もっかい言って。
瑄 え? 博美さん。
博美 やっぱ「さん」付けっておかしくない?
瑄 と言うか、「お母さま」で良くない?
博美 こんな可愛らしい母て。 まぁ、「さま」感はあるけど。
瑄 うわぁ、おっもんね〜
博美 漏れてるで、、
無限 プッ 痛ぁ
瑄 そんなことより、
博美 そんなこと?
瑄 私のことも名前呼んで。
博美 え? 呼んだやろ?
瑄 さっき連呼しただけやん。
博美 せ、 瑄。 なんか言
瑄 もっかい。
博美 ちょっ、 せ、 瑄。
瑄 もっかい。
博美 瑄。 あの
瑄 もっかい。
博美 せ
瑄 もっかい。
博美 まだ言
瑄 もっかい。
博美 おおおーい! 新手のリズムネタか!
瑄 えっ! ねぇ?
無限 フッ。
瑄 もっかい。
博美 余裕あるやんけ、 あんた。
瑄 えっ?
博美 せ、 瑄や。
瑄 えっ?
博美 なんでその返
瑄 えっ?
博美 おいマジ
瑄 えっ?
博美 わざとやってんな!
瑄 そりゃそうやろ。
博美 な、、
瑄 無限さん、 私ちょっと頑張った。
無限 分かるよ。 求めてないのに親愛感出してくるめんどい奴に合わせたったんやな。
瑄 自分も呼ばれへんくせに。
無限 ほんまそれ。
博美 おい。 そろそろやめれ。 なんやねんこの変な流れは。
瑄 実際、変な関係やん。
博美 まぁ、 確かに。 いやいやこんな納得いらん。
瑄 何ぶつぶつ言ってんの?
博美 あんた、まあまあ言うやん。
瑄 そらあなたの娘ですからね。
博美 だいたいさぁ、 あんたなんで声かけてきたん?
瑄 それを言うならどうして神宮来たん? 分かってたやろ?
博美 うぐ、、、
瑄 え? 嘘やろ?
博美 ちゃ、 ちゃうで。 確かにあんたのことは頭に浮かんだけど、、
瑄 普通に観光楽しんでたんや、、
博美 ま、、 まあ、、
瑄 ヤバイな、、
博美 あ、あんたはなんで?
瑄 瑄です! さっきから「あんた、あんた」って。
博美 うぐっ せ、瑄。
瑄 会いたかったからに決まってるやろ。
博美 お、 おう。
瑄 ほんま、マジ信じられへんねんけど、、 え? あの中学生みたいなノリは本気やったん?
博美 ま、 ま、 まさ
瑄 マジか〜 さすがに冗談やと思てたのに。
博美 か、被せて話進める
瑄 いや冗談でも酷すぎるな。 なんか私の基準おかしくなってもうてるやん。
博美 おい! 話を進め
瑄 無限さん? 博美さんはヤバい人なん?
無限 ん? そうやな
博美 待てい!
無限 どうぞ。
博美 瑄、、 待てい。
瑄 で?
博美 で?
瑄 なんか言うんやろ?
博美 いや、、 その、、 一人で話進めてる。
瑄 切れ味悪〜
無限 プププ
博美 何、笑とんねん。
無限 いやいや、 ハハ いいやん二人とも。 おもろかったで。
瑄 はぁ、 変な人やね、博美さん、、 う〜ん、 ヒロさんは。
博美 ヒロさん? いいね。 いや、あんたも相当変やで。
瑄 まあ、それは否定せ〜へんよ。 こっちはどう?
博美 ん? 楽しんでるよ。
瑄 そう。
博美 瑄は?
瑄 私? どんなんかな〜 私はずっとこっちに居てるし。
博美 どんな感じなん?
瑄 難しいな〜 でも悪いことはないよ。
博美 どうやって暮らしてんの?
瑄 ん? 時代に合わせて、、かな。
博美 私らは人間ちゃうし、それって難しないん?
瑄 チートなことはしてるよ。
博美 どんなこと?
瑄 空気みたいになるんよ。
博美 どういうこと?
瑄 記憶に残らんようにするんやなくて、遠い思い出みたいにするねん。
博美 関わった人にってこと? それだけで大丈夫なん?
瑄 大丈夫やで。
博美 全部消した方が良いかなって思った。
瑄 まあ、、 そうやね。 でも、それってやっぱ不自然なんよ。 だって関わったのは事実やから。 だからね、フェイド・アウトするように記憶を操作するんよ。
博美 そんなもん?
瑄 そうそう、 時間は戻らんからね。
博美 なんか、、 寂しいな。
瑄 フフ、 私もそう思う。
博美 仕方ないか、、
瑄 そやで! だって人やないんやから。
博美 瑄は、そういう寂しさにも慣れたん?
瑄 ん? それはないよ。 うん、私はなかったな、、 慣れるかなって考えたこともあるけど。
博美 気付いた感じ?
瑄 そうやね。 私は人が好きなんよ。 多分、他の神もそうちゃうかな。
博美 人が好きやから、寂しさも変わらんってこと?
瑄 人の一生っていうのは、私の意志と同じようにどれも一つしかなくて、それに偉大なんやと思う。
博美 どれも重大な出来事ってこと?
瑄 そうやね。 それに全部違う。
博美 嫌なことはないん?
瑄 それはたくさんあるよ。 争いなんて最悪や。 嘘もたくさん。
博美 やっぱ、 それは見たくないよな。
瑄 まあね。 やけども私らは真実を知ることができる。
博美 一つしかない真実。
瑄 そう。 それが視えるから嫌なことがあったとしても人を好きで居られる。
博美 そうか、、 どうなりそう? これから。
瑄 ん? 人? もちろん茨の道やで。
博美 今までそうやったように?
瑄 うん。 繰り返すからね。 人は変わらんから。 と言うより、人の在り方ってのがそうやねんやから。
博美 自分のために生きる。
瑄 そやね。 私らと同じ。
博美 自分のために生きることが自分の首を絞めるんやからな。
瑄 “本質”なんて分からんから。 お腹が空いたら食べる。 その時に行動の意味を考えたりしないでしょ?
博美 まあね。
瑄 映画を観て感動した。 例えばその作品は人が力を合わせることの大切さを表現したものだったとする。 大いに感動したその人は、だけど、学校や職場に行けば平気で少数派を排除したりする。
博美 SNSでヘイトを見つけたら、ヘイトで返すってやつもかな。
瑄 そうそう。 これって昔から全く変わってない。 「人のしたことが黒く見える。その黒さが足りないので、いっそう黒く塗り立てた」なんて表現もあったし、上手いこと言ってる。 でもさ、そういう人にも大切な家庭があって、仕事で社会の一部になってたりする。
博美 矛盾だらけのような行動も、その人の心から沸き起こったものに違いはない。
瑄 つまりみんな好き勝手やるんやけど、本人にとって自分事ってのは常に重大。その上、他者を共感できないんやから、同じことを繰り返すしかないやん。 ハハハ、、 まあ、私たちは真実が一つしかないことを知ってるから、受け入れられるんやけどさ。
博美 そう考えるとつまらんことない?
瑄 そうやね。 でもさ、人として生きてんやから、そこは同じ感じになれるんちゃう?
博美 た、、 確かに。
瑄 だから嫌なことも感じるんやけどさ、、
博美 そうか、、
瑄 学校は楽しい?
博美 ん? 楽しいよ。 瑄は何してるん?
瑄 私も先生やで。
博美 へ?
瑄 同じこと考えんのとちゃう? ハハハ。
博美 生徒は特別扱いしてまうやろ?
瑄 あ! してるんや? フフ、 いいやん、それで。
博美 やっぱするんや!
瑄 人やからね。 やけどもそれ以上のこともできへんし。
博美 人の常識の中で生きてるから?
瑄 そういうこと。 あ、 ごめんね無限さん。
無限 ん? いやいや、楽しく聞いてるよ。
博美 あんたはどう思うん?
無限 真実は一つ。 最後はオレのところ。 それだけや。
博美 あんたのところに行ったらどないなんの?
無限 さあ、、 どうなるんかな。
博美 何それ?
無限 人外のことやから、表現できへんな。
博美 する気ないだけちゃうの?
無限 黄泉津大神の答えは?
博美 いじわるやな。
無限 ごめんね。 何もないやろ?
博美 うん。 死ねばみんな一緒。 存在がなくなるだけ。
無限 そやな。
博美 でも、あんたはその先を知っているように思う。
無限 なら、「その先」はあるよ。 人が死後を考えるのと同じように。
瑄 難しい話やね。
無限 答えがないことやから。
博美 そやな。 そやそや、 こんなこと話してる場合やない。
瑄 フフフ、 何それ?
博美 瑄、 大阪に遊びにおいで〜や。 楽しい友達も居るし。
瑄 すごいノリで来るね。
博美 楽しいこと考えな。 瑄ともいろいろしたいし。
瑄 うん。 嬉しい。
博美 ちょ、 ちょっと、、 なんなん?
瑄 いろいろ思うことあるねんで。
博美 そう。
瑄 ヒロさんは違うみたいやけど、、
無限 もっと言ったれ! 痛った
博美 「いった」被ってんぞ。
無限 イッタ〜
瑄 アハハハハ
博美 なんで私が痛い目見とんねん。
無限 まだ「被す」んやな。
博美 冷静に返すな! いろいろ教えてや。
瑄 そやね。 せいぜい敬ってもらわなな。
博美 ちょいちょい攻めてくるな。
無限 ハハ、良かったね。 新たな出会い。
瑄 出会い? ほんとや。
博美 娘と出会いって、、 変な感じやな。
無限 変なことなんていくらでもあるやん。 本来はそれが普通やねんで。
瑄 十人十色が普通。
無限 そうやで。
博美 「普通」って言葉はなんか嫌やな。
瑄 確かに。
無限 比較が生じるからな。 「普通じゃない」が生まれてまう。
博美 つまりどう考えたらええんやろ?
瑄 周りに迷惑をかけなければ、それでいいやん。 気にすることない。 それだけで十分。




