カグツチ
無限と博美がお出かけ中。落ち着かない博美。
無限 どうしたんお姉ちゃん?
博美 なんか、、 変な気分や。 不安な感じ。
無限 ふ〜ん。
博美 気にしてくれへん?
無限 気にしたほうがイイの?
博美 どうなんやろか?
無限 どうしてほしいん?
博美 それは、、 私に尋ねるもんなん?
無限 的外れなことは言われたくないやろ?
博美 そりゃそうやけ、、、って、疑問形の応酬やめへん?
無限 少しは気が紛れた?
博美 ま、まぁ、 え? それを狙ってたん?
無限 狙ったように思う?
博美 この流れやったらそうなるんちゃうの?
無限 そろそろ質問返しやめてくれへん? グハッ痛
博美 フッ、 どうもどうも、 少し気分が晴れたわ。
無限 打撃を加えるなよ。
博美 あんたがナメたことするからや。
(「お母さま〜」 遠くから聞こえる声)
博美 な、な、なんか聞こえたか?
無限 そやね〜
博美 た、他人事かよ!
無限 他人事やからね。
博美 どうすんの?
無限 どうも何も、、 どうにもならんやろ?
博美 どうにかしてよ。
無限 「どうどう」言い過ぎやで、 痛ッ
博美 半分はおまえが言ってるやろ!
無限 余裕あるやん。
博美 あぁ、 そんなこと言ってる場合ちゃう。 どないしよ、
無限 こっちに来るって決めた時から分かってたことやん?
博美 そ、そうや。
無限 まぁ、そんな簡単な話でもないか。
博美 そうや。
無限 体がめっちゃ反応してるもんね。
博美 そうや。
無限 頭では分かってるけど心が追いつかない。
博美 そうや。
無限 出てきたらどうしよう、逃げてしまうのか? 逃げて良いのか?
博美 そうや。
無限 そもそも今はあの時とは違うじゃないか!
博美 そうや。
無限 毅然とした態度で居ればよぃぃ痛い
博美 全部分かってるやないか! どこで情感豊かになっとんねん。
無限 はい? あ、ほらほら、 来たで。
(カグツチが小走りでやって来る)
カグツチ お母さま〜 あぁ、 やっとお会いできました。
博美 !出た〜!
無限 漫画みたいに抱きつかんといてもらえる? 近付いて来るの見てたのに、「出た〜」もおかしいやろ。
博美 ヒィィ〜 た、助け、、
無限 あ、 マジで怖いんや。
カグツチ あんまりです、、
無限 カグツチ君?
カグツチ はい、 どうもはじめまして。 あなたが黄泉、 ですか。 とても不思議な感じがしますね。 お母さまとずっと一緒に。 僕は、 お母さまと初めて会います。
無限 ホントやね。 無限です、よろしく。 で、いいかげん離れてくれへん?
博美 ヒィィー‼ やめっ! ふんっ! ふんっ!
無限 こ、こいつ、めっちゃ力入れやがる。 コラ、 離れろ。
カグツチ 無限さん、 そんなに手荒くしないで。
博美 そ、そうや! 優しくしろ!
無限 そこはタッグ組むんかい! えい!
博美 ギャッ‼
カグツチ お母さま、 大丈夫ですか?
博美 ヒィィ~ 来るな!
カグツチ あっ、、
無限 ちょっと酷ないか?
博美 わ、わ、私は、、 この子に、、 オ、 オマンティス焼かれたんやぞ!
カグツチ オ、、オマン、、?
無限 な、何言ってんの?
博美 ア、ア、アホを見るような目するな! ほんなら何か? ピーがファイヤーしたって言うんかい? 意味分からんし、明らかに下品やないか! だから気ぃ使ってオブラートに包んだんや。
無限 取り乱すな。
博美 だ、 誰がカラスやねん!
無限 そっちの鳥やないわ。 ファンキー過ぎやぞ! いやいや、そこやない。 そもそも隅から隅までおかしな反応や。 ほら、避けられないことは分かってたんやから、神として親としてしっかりしいや。
博美 な、なに諭しにかかってんねん! そういう問題ちゃうわ! もう行くで! コラ、 行くって言ってる。 もう、 手ぇ離せ!
無限 抱きついたり手を離せと言ったり忙しいな。 ほらカグツチ君、君も会いたかったんでしょ? 言いたいこと言わんと。
カグツチ あ、、
博美 何取り持ってんのや、アホ!
無限 カラスだけにな。
博美 そっちの鳥ちゃうわ! って、またそれか! どのタイミングの天丼やねん。 行くぞ!
無限 じゃあ、けじめつけて絶縁でもしたら? 何度も繰り返すことなるで。
カグツチ む、無限さん、、
博美 う、 そやな、、 分かったわ。 カ、カ、カグツチ、 私はあんたが、 む 無理や。 なんやねんこの嫌な空気は〜
無限 酷いこと言ってるからな。
博美 おまえが絶縁しろって言ったんやないかい!
無限 少し落ち着け。
カグツチ お母さま、 僕も随分苦しみました。 お父さまにも、、
博美 そ、そや、 あんたボコられたんちゃうの? なんで生きてんねん?
無限 これまた酷い。
カグツチ 打たれたことなんて大したことないですよ。 お母さまの言葉の方がよっぽど刺さります。
博美 うぅ、、
カグツチ お母さまを焼き殺してしまったことが辛かった。 それに、お父さまは黄泉から戻ってきてやけにすっきりしてました。 それがすごく嫌で、、
無限 お父さんと会ってるの?
カグツチ たまに出会うだけです。 特に何もありません。 お母さまには会いたかったです。 謝りたかったし、
博美 あ、あ、あんたが謝ることなんて何もないやろ?
カグツチ そんなことは、、 いや、そうですね。 多分、会いたかっただけです。
無限 他に言いたいことは?
カグツチ え? いや、 分からない、、 ですね、
無限 今は人間として生活してるん?
カグツチ はい、 教師をしています。
無限 しっかり溶け込めてるみたいやね。
カグツチ そうだと嬉しいですが、 ふふっ 毎日、いろんなことを学んでいます。
無限 子どもたちから?
カグツチ そうですね、 人と同じ感覚にはなれませんが、それでも彼らの喜怒哀楽に触れることで心が動かされるのを感じます。
無限 悩みは同じなのかもしれないね。
カグツチ そうですね。 お母さま?
博美 うぅ、、
カグツチ お会いできて嬉しかったです、 お美しいお姿も。 では、さようなら。
(カグツチが去る)
無限 あら、あっさり。 そして、こちらは、、
博美 フゥーッ フゥーッ
無限 そんなに気が張ってたんや。
博美 私は、、 悪か?
無限 善悪の話はせんよ。 ただ、分かるやろ?
博美 私があの子なら、こんな仕打ちは耐えられへん。 やけど、 どうしても体が受け付けられんかった。
無限 みたいやね。
博美 酷い母親や。
無限 子どもは親を選べんからね。 まぁ、気にすることはないよ。
博美 気にするわ!
無限 それだけ自己嫌悪してたら十分やで。 カグツチくんも自分で道を切り開いていってるし。
博美 あの子はどうしていきたいんかな?
無限 聞いてみれば?
博美 無理!
無限 まぁ、そもそもしっかりしてるし、自分のしたいようにするやろ。 会えて嬉しかったのは本当やで。
博美 そ、 そやな。
無限 もう居れへんし、もっと喜べば?
博美 できへん。
無限 立派な存在になってるのは分かるやろ?
博美 もうやめて。
無限 あのね、複雑な気持ちは分かるけど、自分の子どもが立派になっていることは素直に喜ぶべきやで。
博美 簡単に言うなや。
無限 いや言うよ。 大体、二人に関係性なんて何もないんやで? カグツチくんはただ子どもというだけ。 育てもしてないし。
博美 なんやねん、その言い方。 それやったら喜ぶなんて無理やろ?
無限 立派に育ったという事実だけで十分や。 それを喜ぶねん。
博美 難しいことを言う。
無限 大切なことや。
博美 私はあの子に、、 二度と会いたく、、 ない。 やけども、そういうことを思う自分が心底嫌や。 あの子がしっかりした存在になっていることは、頭で理解できるだけや。
無限 そう、、 確かに、仕方ないね。 ただ、今日感じたことはしっかり覚えときや。
博美 うん。
無限 立てる?
博美 無〜理
無限 駄々っ子やんけ。
博美 おんぶして。
無限 はぁ? カラスになって帰れや。
博美 お〜ん〜ぶ〜
無限 面倒。 ほらっ。
博美 うん。
無限 なんやねんこれ、 え? 寝てるやん、、 この一瞬で、、




