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犯人捜し


「で、何か問題があったの? 相当困ってるように見えるけど」

「はい。この前の夜、ライトとアイラちゃんが襲われたんです。その犯人がどうしても分からなくて」

「襲われた?」


 首を傾げて聞き返すギルドマスター。

 それほど信じられない言葉だったのだろう。

 ちょっと待って――と、いきなり話を遮っている。


「襲われたって、文字通り襲撃されたってことでいいんだよね?」

「はい」

「それなら、ボクよりしかるべき機関に行った方が良さそうだけど」

「でも、証拠が残っていないからまともに取り合ってもらえなくて……一応探してはくれるみたいですけど、あれじゃあ頼りないです」


 レーナは首を横に振り、ギルドマスターの助けが必要なことを表現する。

 真っ先に自警団には相談したが、未だに行動しようとしている様子さえ見られない。

 むしろ、レーナが探した方が早いのではないかと言われたくらいだ。


 時間が経てば経つほど、犯人を見つけられる可能性は低くなっていく。

 最悪の場合、もう一度ライトたちを襲ってくる可能性だってあるのだ。

 

 常に受け身の状態になっていたら、いつかは必ずやられてしまうだろう。

 できればそうなる前に、こちらから勝負を仕掛けたい。

 そのためにはギルドマスターの協力が必要不可欠だった。


「……状況は何となく理解したよ。ライトにアイラって、この前レーナとパーティーを組んだばっかりの子たちだったよね?」

「そうです」

「それなら大事なギルドの仲間だ。ボクも動くよ」

「あ、ありがとうございます!」


 ギルドマスターは小さな上着をハンガーから外して、サッと自分の肩にかける。

 身長は自警団の腰辺りまでしかないが、頼もしさは何十倍も上だ。

 途中で仕事を抜け出しても良いのか――逆にレーナが心配になるほどの行動力である。


「ギルドのメンバーが襲われたからには、ボクも黙っていられないからね。レーナには何度かお世話になったし、礼を言わなくても大丈夫だよ」

「ギルドマスター……私、このギルドに入って良かったです」

「嬉しいよ――さて」


 ギルドマスターは足を止めて振り返る。

 いつものヘラヘラした顔ではなく、いたって真面目な表情だ。


「もう一回聞いておくけど、レーナがいないタイミングで、ライトとアイラが襲われたんだね?」

「間違いないです」

「どんな武器で襲われたの?」

「それは……焦ってて確認はできてないけど、毒が使われていました」


 なるほどとギルドマスターは頷き、すぐにまた歩き始めた。

 その足取りに迷いはない。


「それじゃあ問い詰めに行こうか」

「え……? どこにですか!?」


 決まっているだろ――と、ギルドマスター。


「聖女のとこだよ」



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― 新着の感想 ―
[一言] いや、ギルド長ってくらいだから 他の冒険者が護衛の役に立たないくらい強いんじゃね?
[一言] まあ冒険者として登録したばかりの奴に暗殺者を仕向ける可能性を考えたら聖女くらいしかいないからな〜。
[気になる点] ギルドマスターの実力。聖女の許にノコノコ乗り込もうというのだから、何らかの確信があるのでしょう。 (※今回の犯行の事ではなく、実力的な意味で。若しくは、さすがの聖女もギルマスには手を出…
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