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狂気の片鱗はすぐそこに

《注意》

・文章力は皆無です。おそらく問題点だらけなため、そういったことがあればご指摘をお願いします。

・私がルルブしか持っていない+独自解釈を大量に用いているためもしかしたら矛盾点などが見つかる

可能性が大です。その場合はこの物語はこういったものなんだと思っていただければ幸いです。


以上のことに納得してもらえた人はどうぞゆっくりしていってください

「......この部屋にも慣れて来たなぁ」

「やっと起きましたか、日稲月壮馬」

王城での大騒ぎから1週間が経ち、壮馬自身も王城に慣れてきていた。

扉の前にいたのは、パンとスープの入っているトレイを持ったメイド、アリシアである。

「では、食べ終わったら自分で片付けをお願いします」

そう言うと、トレイを机に置き、部屋から出て行く。

「へいへーい」

そう返事すると、もっさもっさと食べ始める。



王城内、会議室


会議室に5人の人間が集まっている。

その中で金色の鎧を身にまとった端正な顔立ちの男性が最初に口を開く。

「で、今回の議題は?」

そう聞くと、真っ黒な魔女風の衣装を身にまとった赤髪の女性が返答する。

「そんなの、決まってるだろ?」

「......はい」

赤髪の女性に続いて口を開いたのは銀の鎧を身にまとった蒼髪のポニーテールの女性だ。

「...この前の無断入国で拘留した壮馬という男についてです」

「...君の独断で拘留期間を短縮させ、王城内での自由も許したという男か」

「......本当に申し訳ございません」

「そこまでにしときなよ、騎士団長」

険悪になってきた空気をどうにかするためか、魔女風の女性がたしなめる。

一旦静まったのを見て、茶色の髪のメイド服の女性が切り出す。

「では、第78回円卓会議を始めます」


「まずは、罪人の要求を部分的にですが呑み、王城内での自由も許した王直属護衛軍、序列39位ニーナ=ディスベルの処遇ですが...」

「...............」

「私は無罪を主張します」

「え...?」

メイド長の思わぬ言葉にニーナは思わずきょとんとした顔になる。

「なんでそう思う?アリシア=レイド」

「私もあの男と戦って分かりました。あの男はその気になればこの王国の噂など自由に操作できるでしょう」

「.........」

「不可思議な術の連続、彼には必ず隠し玉があります。騎士団長、あなたをも倒せるだろう隠し玉が」

「......それがあなたの主張ですか」

「えぇ、逆にあの時ニーナが要求を拒否していたなら、今はもうこの国は混乱の渦中でしょう」

「......魔導士団長はどう思う?」

アリシアの主張を聞いた騎士団長は今度は魔女の女性へと話を聞く。

「ん?あぁ、私も無罪でいいと思うよ、ついでに言うと、壮馬君のことも私は処分とかしたくないなぁ」

この場の空気に似合わないほどの軽さでそう答える。

「何故です?」

「何故って彼、面白いじゃん」

ふざけているとしか思えない理由に騎士団長はため息を吐く。

「はぁ...これだから毎回円卓会議が変な方向にもっていかれるんだ...」

「ははは、でも殺したくないのは本当だよ?実質ただ無断入国しただけじゃん」

「でもその男はあの部屋にも勝手に入ったと聞いたが?」

「あれはニーナが伝え忘れていたと証言しています、もし罰を与えるとしても軽くするのが妥当だと」

「......珍しいですね、メイド長が罪人の肩を持つなど」

「...気のせいです、私は事実を述べたまで」

「......ニーナはどうしたいのだ」

「...私は...確かにあいつを危険だとは思います...しかし、あいつ自身悪いやつじゃないことはなんとなく分かります...ただやられたら根に持つタイプというだけで」

「......無罪3人、有罪1人...決まりだな」


騎士団長は周りを見渡し、そして最後に隣にいる人物に視線を向ける。

その人物は目が虚ろを向いており、確実に見えていないだろうことが一目でわかる。

開きっぱなしになっている口からは涎が垂れ、意識すらないのだろうかと思わせる。

「王...あなたが正気であれば、この会議も変わっていたのでしょうか...」

王と呼ばれた人物は気づいていないのか、返事はしなかった。

「...あなたも、毎回その言葉を言うのは控えた方がいいと思いますよ」

そう言うと、アリシアは王を背負い、会議室を後にする。

「......私もそろそろ研究室に戻るよ、それじゃあね」

レイナもすたすたと会議室から出て行く。

残ったのは騎士団長とニーナのみであった。

「ニーナ、数日前の事件の話は本当か...?」

「......はい、殺人鬼事件が終わってからまた4日後に、また連続で殺人事件が起こっています」

「そして...目撃証言は...ないと」

「目撃証言がない?」

不可思議な言葉に騎士団長は目を細める。

「はい...唯一現場を見たという者は...目の前でいきなり知人が血を出し、内臓を潰されながら死んでしまったと...しかし、他に誰も見ていないと言っています」

「............そうか、お前は引き続き犯人を捜せ」

「...了解です」

そう返事をするとニーナは会議室を後にする。

一人になった騎士団長はそのまま長考しているようだった...。


「...なんか、きな臭いな......」

「...どうしたよ、いきなり」

牢で会話しているのは、壮馬とノーネームドだ。

「いや、今日は警備が薄いなぁって」

「...あんたは警備の具体的内容を知ってるから分かるんだろうが、俺はさっぱりだからなぁ。でも本当にそうなら確かにきな臭いかもな」

「......なんかまた事件でも起きたのかもなぁ」

「じゃあ、あんたはどうするんだよ、もう事件に首突っ込む必要もないだろう?残り5日だしさぁ、逆にあんたは運がいい方だよ」

ノーネームドの言う通りだ。もう事件を解決して拘留期間の短縮を図る必要もない。というか、二回目は許してくれないだろう。

「.........でもなんか...嫌な予感がするんだよなぁ...」

ただただ、壮馬は嫌な予感だけを身に受けていた。



夜の街―――――――城下町の裏路地。

ニーナは本来ならごろつきしかいないような、そんな危ない道をなんとなくで歩いていた。

「.........なんだ...?」

ニーナの目には薄暗い路地しか映らない。しかし―――


ガサガサと...風の音ではない、何かが近づいてくるような音を確かに耳にした。


「.........」

前ならば少しはてんぱっていたかもしれない。

「......あれを見た後じゃ、何でもありえる気がするな」

壮馬との闘いでの不意打ち、理不尽の連続。気を抜くことは許されない。

――――瞬間、予想していた理不尽が時を待たずして襲ってくる。


「ッ!?これはッ!?」

衝撃が来た方向を見ると、いつの間にか身にまとっている鎧に傷がついている。しかも、かなり深い傷だ。

その傷は人間によるものではない、獣のかぎづめのような傷だが、明らかに大きさが違う。

「(どこからだ、どんな方法で攻撃してきた...?)」

腰の剣を構え、周りを観察する。標的の姿は見えない、故に自然に目を向ける。不自然を見つけ出すのを最優先する。


その時、整備されていない裏路地の土むき出しの地面が土埃を上げる。

「そこだッ!」

瞬間、普通の人間なら即死レベルの威力の突きを繰り出す。


――――当たった。しかし、本体ではない。

何も見えないが、ぼとっと何かが落ちた音がした。おそらく腕だろう。

「また来るかッ!?今度は命をもらうッ!」


――――観念したのか、果ては力が尽きたのか、それは分からない。

『それ』は、姿を現した。

異形の姿をもった『それ』は人間の原型『は』留めていると言えるのかもしれない。

その瞳はかなり大きく、赤い瞳を爛々と輝かせている。その皮膚はゴムのような色をしている。

3mを超える巨体がそれらを更に恐怖を引き立てる。


「...な......なんだ...こいつ...」

その姿は目の前の人間を狂気に近い恐怖に浸らせるのに十分なものだった。

この狂気に身を任せれば楽になれるのだろうか...そんな考えまで浮かんでくる。

そんな思考が数秒続いただろうか、やっとニーナは我に返った。

「ッ!?......はぁ...はぁ...」

「...............」

だが、そんな様子のニーナを後目に、異形は無くなった左手を庇いながら、逃げるところだった。

「ッ...!ま、待てッ!」

その後を追いかけていくと、そのまままた姿を消して、異形は町の外へ出て行く。


「あれ、師団長。どうしました?」

「!お前はここで待機していろ!私が帰って来るまではそこを動くな!」

なにやらただならぬ事が起こっていることを察した門兵は何も聞かずに命令に従う。

「ッ!絶対に逃さん!」

それを見たニーナは地面についた奴の物であろう足跡を追っていく。


......それが本当の狂気への一歩であることも知らずに。

狂気に足を踏み入れて、戻ることはできない。

出来るなら...それこそ――――

狂気そのものであるはずの邪神だけであろう。

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