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33.皆でチート

 スキルについては、とりあえず習得を試すことにした。

 アンリは知覚系を欲して、俺の『術式感知』を選んだ。レイルの『魔力探査』は固有能力らしく選べず、セーナの『魔力感知』よりは魔術師向きだという理由だった。

 俺は身体系を試そうと考えたのだが、

 「強化スキルと《負荷》を同時に使った場合、弊害はないのですか?」

 セーナから問われ、それなら「自分が試す」とレイルが言い出し、暫く様子見となった。

 実はセーナも身体系の固有能力を持っているみたいなのだが、侍女としての仕事もあるセーナでは全力で鍛錬をする訳にもいかなかった。

 セーナは護衛としての能力向上のため、アンリが持っている『魔力結界』を選んだ。体の周囲に防御結界を張れるらしい。脳内で囁いている『バリアクラッカー』って何だよ。バリアなら判るんだが。

 レイルは《負荷》テストとは別に、俺が持っていた、正体がよく判らない『特殊魔術』を試すことにした。ひょっとしたら、これがプロセス生成に必要な能力かもしれない。そしてこれが扱えれば、無詠唱も夢ではないと知り、アンリは大興奮していた。それでも、まずは自分では試さずにレイルにやらせるところはお嬢様らしいな。

 俺は、レイルが試していることを様子見だ。『魔力結界』も欲しいが、優先度的には『運動能力強化』が上。将来的には両方欲しいが、現時点でのスキル容量が不明なため、気軽には選べない。ただ、《負荷》との併存に支障があるなら、当面は不要かなと思っている。


 レイルの『運動能力強化』スキルはレベル三。強化系は意識してその強化段階を習得している最大レベルまで変更が可能で、レイルは活動中常に最大実行していた。

 強化レベル三だと、元の能力の六割増し。これを相殺するため、《負荷》レベルを六に設定した。

 この状態で俺と一緒に鍛錬を行ったのだが、一週間ほどで効果が判明した。

 結果から言うと、問題なく鍛錬が行え、かつスキルそのものの強化にも有効だった。

 初めのうちは、異常に体力を消耗してしまい、長時間の連続活動は無理だった。だがそれも、徐々に改善=体力向上にも繋がり、そしてスキルの強化レベルが四まで出来るようになった。

 この結果を受け、俺も『運動能力強化』を習得、セーナも自身の強化と相殺できる最大レベルの《負荷》を掛けて日常業務をこなすことにしたのだった。

 アンリは最後まで鍛錬を嫌がっていたのだが、それでも仲間はずれの状態の方が嫌だったらしく、『術式感知』習得後に『運動能力強化』も習得することにしたみたいだ。


 ***


 六歳になった。

 身体能力はかなり向上したと思う。運動嫌いのアンリでさえ、五割増しくらい強化されている。

 その分、全員の食事の量が増え、周囲を驚かせているのはご愛敬か。

 レイルは『特殊魔術』を習得し、プロセスの操作は出来るようになったのだが、どうしても脳内で魔法陣を描いてパラメータに渡すという行為が出来ず、有効なプロセスの実装も、魔術の無詠唱実行も出来なかった。

 それを聞いて、アンリが物凄く悔しがっていた。そこまで無詠唱がやりたかったのか。

 それでも、アンリとセーナにも『特殊魔術』を習得させた。《負荷》レベルの調整や《拡張》を停止する手段があれば、俺に万一のことがあっても問題が無くなるからね。

 他のスキルについては、世の中にどんなスキルがあるのか把握しておらず、容量のこともあるので当面は様子見することにしていた。


やっと六歳……まだ冒険に出れる年齢じゃないですよねw

色々間違ったかなorz

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