宇宙蟻地獄 正体
今度は大国が聞いた。
「えっ今何と言われました」
「ウスバカゲロウ。この星の固有の昆虫。ウスバカゲロウの宇宙版。仮に宇宙ウスバカゲロウとでも言いましょう。ただ今は宇宙ウスバカゲロウの幼虫がこの星を侵略しようとしているので、宇宙アリジゴクとでも言いましょう」
トリイは以前教授の研究室を話しの途中で出てしまった事を今後悔していた。
「宇宙アリジゴク、宇宙ウスバカゲロウ、侵略。教授もっとわかり易く説明願いませんか」
「やっとトリイ君にも興味が出て来たようだね」
「大国さんの古代ガニメデ国王の日記、B惑星でのチームレッド、チームブルーの遭難、そして今我々が直面している逆円錐状陥没事件これら全てこの宇宙アリジゴクの仕業なのです。彼等宇宙ウスバカゲロウは、宇宙空間に卵を生み出します。その卵は生命反応のある星を嗅ぎつけ、隕石の如く星に落下し、そこに住む生物を根こそぎ捕食してゆくのです。その星を餌場とし、エサがなくなるまでその星に居続けるのです。そして成虫になるとその星から宇宙へ飛び立って次の餌場を探します。その途中で産卵をしどんどん自らの仲間を増やしてゆくのです」
ゴングウジが
「ではこの星には今第一陣の宇宙アリジゴクと、第二陣の宇宙アリジゴクがいるという事でしょうか」
ミコトが頷きながら
「先日探査システムの推進開削が謎の鉱物に進行ができなくなったあの鉱物は宇宙ウスバカゲロウのサナギ。全ての外敵から身を守るように高硬質の殻に包まれ成虫になるのをただひたすら待っているのです。そのサナギが第一陣。そして先日飛来した隕石が第二陣なのです」
大国が不思議そうな顔をして聞いていた。
「大国さんどうされたのですか。何か私の説明におかしな点でもありますか」
ミコトは大国の変化を見逃さず大国に説明を求めた。
大国は戸惑いつつもミコトの話の疑問点を素直に聞いた。
「ミコト教授の話は非常に今の状況に照らし合わせてよくわかるのですが、宇宙ウスバカゲロウは惑星のエネルギーを食べ尽くすとおっしゃっているわけですが、ここで一つ疑問があるのです。もしガニメデ時代の事が、この宇宙ウスバカゲロウが原因だとしたら、なぜ宇宙ウスバカゲロウはその時この星を根絶やしにするまでとどまらなかったのでしょうか」
さすがは大国と思ったミコトだった。
「これは推測であると同時に、ほぼ間違いないと確信するものです。彼等宇宙ウスバカゲロウは、国王ガニメデ時代何かがあり古代のこの星を離れていったのです。その何かとは今皆様にお出ししているコーヒーなのです。正確に言えばコーヒーに入れた物資なのです。この物質が国王ガニメデ時代には、沢山あったのだと思われます。その物資を摂取した人達を国王ガニメデは生贄にしたのだと思います。なので宇宙ウスバカゲロウは一旦この星を離れたのだと思います」
「大国さんこれからが、大国さんの考古学の知識が多いに必要となるんです。多分国王ガニメデ時代以外にも似たような事例があると私は思っています。大国さんお手数ですが、ぜひお力をお貸しください。大国さんの未来につながる考古学と私の宇宙生物学にゴングウジ君の経験と行動力があれば必ず宇宙ウスバカゲロウを退治できると信じています」
大国は、政府が、先の逆円錐形地盤沈下緊急対策協議会になぜミコト教授を呼ばなかったのか不思議でならなかった。只今は、それよりも過去の文献を調べ直さなければならない事の方が先だと思った。
「ところでトリイさんここまでで何かわからないことは無いですか」
ゴングウジが教授の代わりに聞いた。
「トリイさんのお知り合いに宇宙物質学にお詳しい方どなたかいませんか?」トリイは、少しの間考え込んだ。
「宇宙物質学に詳しい人。えー。んー。・・・」
「まーゴングウジ君いくらトリイ君が顔が広いと言えども全ての研究者と知り合いでは無いから、そんなに無理を言っちゃトリイ君がかわいそうだよ。トリイ君のおかげで私たちは大国さんと一緒に行動をする事ができているんだから」
「あーそうですね。確かに私もついトリイさんならと勝手に思い込んでしまって」




