宇宙蟻地獄 コーヒー
「本当はトリイ君も一緒の時の話そうと思っていたんだが、大国さんと改めてゴングウジ君に説明する。大国さん私の研究は宇宙生物学です。本来ならばこの星以外の優れた文化文明をもつ友とコンタクトするために私は宇宙生物学を深めていた。だがゴングウジ君をはじめとする宇宙探査チームが持ち帰ったデータには文明はおろか微生物すら見つかっていない。そして今から私がお話をする事がこの宇宙に私たちの友がいない原因だと言うこと、そして我々もその同胞と同じ運命を辿ろうとしている事を。大国さんが昨日お話しくださった国王ガニメデ時代のお話ですが、今この時が国王ガニメデが朝目覚めたときの光景そのものです。あたりを無数の逆円錐陥没の穴ができその穴に吸い込まれた人や建物は皆消えて無くなっていく。そしてその穴は人が多いところ国王ガニメデはこの陥没事件を神の怒りと思いその穴に生贄を何度も何度も捧げた。つまり、この時代で言うと都会の人口密集地という事が言えるのです。我々も最初世界各地に隕石が落ち、その周辺で陥没事件が起きたのですが日が経つにつれ、都会での陥没事件ばかりとなって来ました。なぜでしょう?対策協議会が導いた対策では陥没事件は止める事ができなかったなぜでしょう?」
ゴングウジが教授のコーヒーを持って来た。3人ともコーヒーを口にした。
「まず大国さんのお話し頂いた国王ガニメデ時代の陥没事件と今起きていることは同じ原因です。そしてその原因とは・・・」
トゥルルル教授の携帯が鳴った。トリイからだった。トリイは病院を抜け出し教授の研究室の前に来ていたのだった。
「教授先程はありがとうございました。今教授の研究室をでたところなんです。今から教授にご自宅に伺います」
3人が笑った。目の前の恐ろしい現実にトリイのもって生まれたと言っても良い人の良さと何処にでも顔をだす天才的な臭覚に。先程の極限状態からの生還をしてまだ半日も立っていないのにだ。
「大国さん、ゴングウジ君。続きはトリイ君が来てからにしましょう」
玄関の呼び鈴が鳴った。モニターに写し出されたのはトリイだった。トリイを呼び入れるとみんなが立ち上がりトリイの生還を喜んだ。トリイもなぜ自分だけが生還できたのか不思議でしょうがない様子だった。
「ちょうどトリイ君も来た事だし先になぜトリイ君そしてB惑星でのチームイエローが助かったのかを説明します。ゴングウジ君トリイ君いつものを淹れてあげてくれないか」
ゴングウジはトリイにコーヒーを持って来た。
「トリイさんはじめましてゴングウジです。って今日2回目ですね」
「ゴングウジさんさっき私を穴の中から助けてくださった!先ほどはありがとうございました。おかげで命拾いをしました」
「そのお礼でしたらミコト教授にしてください」
トリイはまた何のことか分からず、言われるがままミコト教授にお礼を言った。
「さて皆さんこれで全ての方が揃ったので説明を続けさせていただきますよ。えートリイ君今日は途中で帰らず最後まで聞いてください」
「分かってますよ」
トリイは見透かされたような気分だったが素直に聞いた。
「では続きですがなぜ助かったのか、それは今皆様にお出ししたコーヒーにあります。昨日大国さんにも申しましたように、世界中を駆け巡り見つけた成分をコーヒーに入れたものです。B惑星出発を前にしていた、ゴングウジ君に会えたのは出発1週間前のことだった。私は以前からB惑星について独自に調査していた。このB惑星には時折不思議な現象が起きていたからだ。当然宇宙調査団もそのことは承知していた。だから調査だったわけだ。その現象が生物が起こすものに似ている事に気づいた私は、ゴングウジ君に充分用心して欲しい気持ちを伝えると共に何か新しい生物の出会いに期待する気持ちも伝えてゴングウジ君の壮行会では無いのだが出発を祝っていた。そこで私はその現象に非常に危険なものを感じ、ゴングウジ君に今皆さんにお出ししたコーヒーをご馳走したのです。このコーヒーにの中に入れた物資には昆虫が嫌う成分が入っており人などには全くの無害なのですが昆虫は嫌うことを実験の結果で証明していたのです。そしてそれが宇宙昆虫にも効くのではと思いゴングウジ君飲ませたのです。もしこの時事わけを話していたらゴングウジ君は飲まなかったでしょう!せっかくの未来の宇宙昆虫との対面をこのコーヒーでダメになるわけですからね。そして今日トリイ君もこのコーヒーをいつも私に飲まされていたわけです。なので陥没事件に遭遇した時、トリイ君だけたすかったと言うわけなのです」
大国が驚きとこれさえあればとの思いにミコトをまっすぐ見つめていた。
「そうですこれさえあれば陥没事件に遭遇しても生きる可能性が格段にあがります」
ゴングウジは教授の家で毎日朝早くから遅くまでこのコーヒーへ入れる成分を作る化学式を作っていたのです。そう世界中の人々に行き渡るように。トリイが聞いた
「教授それでその昆虫とはいったい・・・」
ミコトがトリイの質問を遮りながら
「名前はまだない。そう、強いてゆうならば、ウスバカゲロウ」




