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【つぎラノ】【書籍化】web版 悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第五部 小国フィーアネンの試練編

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閑話 ひな祭りに友達から呼ばれたら私と婚約者が雛人形になっていました

「フラン、3月3日は何の日か覚えている?」

 同じ転生仲間のメラニーが私に話しかけてきた。


「三月三日って言ったら、そうだ、雛あられを食べる日よね」

 私が思い出して言うと、

「あんたね。なんですぐに食べ物になるのよ。ひなあられも食べるかもしれないけれど、それ以前に雛祭りでしょ」

 むっとしてメラニーが話してくれたけれど、

「ええええ! だって私、ほとんど病院だったから雛人形なんて飾った所を見たことはないんだもの。前世はほとんど病院で、雛あられしか食べたことが無かったのよ」

 私が反論すると、

「ああ、そうだったわね。理由は判ったわよ」

 メラニーが私に首を振ってくれた。

 なんかメラニーの私に対する対応が雑だ!


「で、その三月三日がどうしたの?」

「実は雛人形を作ったのよね。あなたも興味がないかなと思って」

「えっ、そうなの? それは見たいわ」

 私は驚いてメラニーを見た。前世ではテレビでしか雛人形は見たことがなかった。実物見れるなら見てみたい。まさかこの西洋の国で見れるとは思ってもいなかったわ。


 メラニーの家は商会だから、業者に命じて作らせたと思うけど、どんな雛人形が出来たんだろう?


「だから明日我が家に来ない」

「行く、行く、どんなのか是非とも見てみたいし」

 私が頷くと、

「フランは来てくれると思ったんだ」

 メラニーが当たり前のように頷いた。


「フラン、どこに行くの?」

 後ろにいたノエルが尋ねてきた。

「メラニーの家よ。雛人形作ったんだって」

「何? 雛人形って」

「どう説明すればいいのかな?」

 私が判らないでいると、

「東洋で流行っているお人形セットなのよ。西洋バージョンで作ったからノエルも来てみて」

「何かわからないけれど、面白そうね」

 ノエルが笑って頷くと、


「おい、俺も行って良いか? 楽しそうじゃ無いか」

「俺も」

 アルマンとバンジャマンが後ろから加わってきたが、

「ええええ! ひな祭りは女の子の祭りよ」

 私が嫌がると、

「まあ、フラン、良いんじゃないの。我が家は何人でも良いし」

「メラニーが良いんなら」

 私が渋々頷くと、

「まあ、冷たいこと言うなよ、フラン。我が家のケーキも持って行くから」

「じゃあ、仕方が無いわね」

 バンジャマンの家のケーキはとても美味しいのよ。


「じゃあ、俺も」

「俺も、幸福堂のプリン持っていくから」

 オーレリアン達も言いだしてくれて、結局E組の大半がメラニー邸にお邪魔することになった。




 翌日、私は馬車でメラニー邸に行くと、まだ、誰も来ていなかった。


「ゴメン、メラニー、楽しみにしすぎて早く来ちゃった」

「良いわよ。フラン。あなたの意見も聞きたいから」

 そう言ってメラニーは早速雛人形の所に案内してくれたんだけど、それは想像していた日本風の雛人形では無くて、西洋人形をアレンジした雛人形だった。


「どう、フラン?」

 目を輝かせてメラニーが聞いてくるんだけど、和風の雛人形を期待していた私としては期待外れだという訳にも行かずに、おひな様のディテールを評論することにしたのよ。

 そうすれば期待外れだとはならないと思って……


「あれ?」

 私はお姫様を見て、キョトンとした。

「どうしたの?」

「このお姫様、どこかで見たことがあるのよね」

 私が人差し指を顎に当てて考えると、


「ああああ! フランがいるぞ!」

 後から来たバンジャマンがいきなり言い出したくれたんだけど……


「来て悪かった? 元々私がメラニーに誘われたんだけど」

「違うよ。この人形だよ。これフランだよな」

 バンジャマンが雛人形のお姫様を指さした。


「そう、バンジャマン、よく気付いてくれたわ。どう、フランに似ているでしょ」

 メラニーがそう教えてくれて、どこかで見たことのある顔だと思ったら自分の顔だということに私はやっと気付いた。


「ちょっと、メラニー! 私の許可も得ずに私のフラン人形を作ったの?」

 むっとして私が指摘すると、


「違うわよ。殿下に自分とフランの人形を作ってほしいって言われたから知り合いの人形工房に頼んで作ってもらったのよ。王太子とその婚約者の出会って11周年記念にするそうよ」

 メラニーが言い訳してくれたけれど、私の許可を得ていないのは同じじゃ無い!

 アドも勝手なことをしたくれて!

 私はアドにも切れていた。


「何よ、それ、作るなら最初に私の了解を得てしかるべきじゃ無いの?」

「だから今見せているじゃない! 本当はアドルフ殿下に最初に見せようとしたんだけど、あなたの方が先に来てしまったから」

「ああああ! フラン、先に見たのか」

 後ろからやってきたアドが叫んでくれた。


「ちょっと、アド、無断で私の人形を作るなんてどういう事よ?」

 怒って私が睨み付けると、

「良いじゃないか。王太子夫妻のペア人形ってことで、少しデフォルメしてある見た感じ、めちゃくちゃ良い感じじゃ無いか」

 アドが勝手に言ってくれるけれど、

「ええええ! でも、とても恥ずかしいわよ」

 私が文句を言うと、

「まあ、殿下とフランのカップルは魔道具の映像で散々お披露目されているんだから今更でしょ」

 メラニーがバッサリと言ってくれるんだけど……


「そんなこと言ったってあれも恥ずかしかったけれど、これも恥ずかしいわよ」

 私がむっとして言い返す。


「フラン。これが幸福堂の最新のカスタードプリンだ。俺とフランの婚約11周年を記念して作らせたんだ」

「アド、あなた、私に食べ物見せたら許されると思っているでしょ。

 甘いわよ。勝手にこんな人形作らないでよ」

「ええええ! フランとても可愛いのに!」

「可愛いって……」

 私はアドの言葉に赤くなった。

「だから、良いだろう?」

「えっ、嫌だ」

「じゃあ、このプリン俺の分もやるから、はい、あーんして」

 私はその言葉に思わず口を開けてしまったのだ。


「ああ、ああ、またこのバカップル、人前で食べさせしているよ」

「本当に嫌になるよな」

 アルマンとバンジャマンの言葉に私は赤くなった。


「まあまあ、皆、これ殿下からのプリンだから」

 そう言ってオーレリアンが慌てて皆にプリンを配りだした。

 私はもう真っ赤だった。

 女の子達もこちらを見ないようにしながらちょくちょくのぞき見してくれたし……


「ちょっとアド、皆が見ているから」

 私がむっとして抗議すると、

「ほら、もう一つ」

 アドは全く無頓着で私の口の中にスプーンを入れてくれるんだけど……結局私はアドからアドの分まで食べさせてもらって、人形の件はいつの間にか了承させられていたんだけど……

 なんか違うと思ったときにはもうどうしようもなくなっていた。


 アド・フラン人形はいろんなバージョンが出て沢山売れたそうだ。

 私がアドに食べさせられている人形も出て、バロン商会の売り上げに大いに貢献したんだとか……


ここまで読んで頂いて有り難うございます。

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