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COMIC-MAN  作者: ゴミナント
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再生怪人軍団の進撃

ちょっとキリがいいところで終わらせたかったので短め。

 いくつもの極々小さなミサイルが私を追う。和也が以前に倒したと言っていた、ルリちゃんを襲った虫型のイマジネーターが放った攻撃は、一つ一つが意志を持っているかのように追いかけてくる。眼鏡でよく見れば、それは一つ一つが虫だった。それらをロックオンし、私は空中を蹴って急停止しながらレーザーガンのショットガンモードで一斉に叩き落とした。

 ミサイルとしての機能があるからか、レーザーの直撃で一斉に爆発していく虫たち。

「うっ!?」

 だけども新しい虫たちが爆風を無視して襲って来ていた。おまけに後ろにも虫が回り込んできたから、私は慌ててジェットを吹かして急上昇し、そして今度は掃射モードに切り替えて撃ちながら横薙ぎに払って虫たちを叩き落としていく。

 そしてもう一度足裏ジェットを全開にしてビルとビルの間を飛ぶと、そこにはあの虫のイマジネーターが待ち構えていた。咄嗟にレーザーガンを向ける私。だけど次の瞬間、すぐ隣のビルのガラスを突き破って襲い掛かって来たミノタウロスに殴られて私はバランスを崩してめちゃくちゃな軌道で落下してしまう。

「くう…っ!!」

 すぐに緊急システムが作動してフライトスーツが体勢を整え、足裏ジェットが適度な噴射で地面に落下する前に何とか再上昇する。そしてフルパワーのレーザーガンで自由落下しているミノタウロスを狙い撃った。

「当たるっ!!」

 正確に撃ち込まれたレーザーがミノタウロスの上半身を吹き飛ばす。これで四体目。思わず微かに気が抜けたその時、私目がけてバズーカが撃ち込まれて来た。

「まだ居るんだった…!!」

 幸いなことに戦っているイマジネーターはどれもこれも中身の無い再生怪人。ありとあらゆる性能は大幅に下がっているからフルパワーの半分くらいの出力のレーザーで十分倒せる。だけどその分同時に襲ってくるのが厄介だった。

「ええいっ!!」

 ならば、とガトリングモードに切り替えて地上から私を狙っている蛇と馬の二体のイマジネーターを攻撃する。照準補正と手ぶれ補正の二つがかかっているからガトリングモードの一斉掃射もかなりの精度の筈だった。

 だけど、それらは全てあの虫型イマジネーターが放った虫ミサイルが盾になって防いでしまった。

「やっぱりアレを倒しておかないと…!!」

 排熱の為に暫く使えないレーザーガンを抱えて虫型イマジネーターに向かって行く。追尾してくるミサイルを最高速度で振り切って、フライトスーツの頑丈さをあてにしてタックルを決める。だけど虫型イマジネーターはそれを真正面から受けながらも軽々と飛び去ってみせる。

「ダメージになって無いって言うの!?だったら…!!」

 レーザーガンを自立飛行モードにして空中で投げ捨てて飛びかかる。予想外の行動だったのか敵がビックリして動きが止まったのを見て、私は空中で一回転しながら足裏ジェットをフルパワーで吹かして虫型イマジネーターにぶつけた。

「グエエエエエエエ!!」

 ジェットエンジンの加速するエネルギーの全てを一気にぶつけられた虫型イマジネーターが全身を燃やしながら落下していく。私は地面に落着するのと同時に爆散するのを見届けてレーザーガンを取り戻そうと手を伸ばした。

「え…っ?」

 その時、私の右手をぬめりとした何かが絡み取った。そのまますごい力で引き寄せられていき、気が付けば左手や両足、それに腰のあたりまで白い何かに絡めとられてしまっていた。

「こ、これ…イカの足!?」

 見ればイカのイマジネーターが全身から生やしたイカ脚を私に向けて伸ばしていた。私は自分の迂闊さを呪う。あのイカのイマジネーター、和也が苦戦したって言ってた奴なのに目を逸らしていたなんて。

「うっ…!!くうっ!!」

 フライトスーツのパワーアシストを全開にして何とか振りほどこうとしたけど、イカ脚の拘束がきつくて逃げられそうにない。

 しかし、拘束から逃れようと抵抗したのが敵の癇に障ったのか、新しいイカ脚が私のお腹の辺りを強かに殴りつけた。

「…ぁっ!!」

 フライトスーツですら吸収しきれないダメージが走って、思わず出そうになる悲鳴を歯を食いしばって堪える。

(ダメ…。こんなことで弱音を吐いちゃ…!!)

 イカだけでなく蛇と馬も襲い掛かって来て、動けないことをいいことにゼロ距離のショットガンで私を何度も痛めつけてくる。眼鏡に映るフライトスーツの耐久度や私の身体のバイタルの変化で目に見えて弱っていく私自身を見せつけられても、私は抵抗を止める訳にはいかない。

(私は…もう和也に助けてもらうだけのヒロインじゃない!!)

 ここで悲鳴の一つでも上げれば、すぐにでも和也が飛んできてこいつらを倒してくれる。だけどそんなことをしたら、私はもう二度と戦えなくなる。おじいちゃんに無理を言って作ってもらったこのフライトスーツも、元々は和也と一緒に戦えるようになりたかったから作ってもらった物。これを着て戦うってことは、和也や皆を助ける為に力を尽くさないといけないってことなんだから。

「緊急シークエンス…バトルモード!!」

 声紋認証で登録された、フライトスーツとレーザーガンに新たに備え付けられた緊急時用の最終システム。空中を自動浮遊していたレーザーガンが反応して一度二つに分離。しかしガン=カタモードと違って余分な部品はそのまま一まとめになるのではなく、バラバラのまま私の元に向かってくる。

 そして、二つの銃に変わったレーザーガンが単発のレーザーで私を拘束しているイカ脚を焼き切って脱出すると、そのままレーザーガンはフライトスーツの両腕に装備された。更に背中にジェネレータユニットが装着し、その上靴にも一部のユニットが装備。

 最後に眼鏡に映る表示に装着完了の文字が映り、フライトスーツとレーザーガンの二つのエネルギーが重なり合って増幅した私の新しい戦闘形態への変身が完了した。

「行くわよ!!」

 フライトスーツのパワーアシスト、そしてレーザーガンの出力の双方が跳ね上がったこの姿。自分でもびっくりなスピードで接近してパンチを叩き込むと、蛇はたったの一撃で防御の構えを解いてしまう。

「はあっ!!」

 そこをバク宙しつつフルパワーの足裏ジェットの噴射を叩き込んで蛇が燃える。そしてそのまま急上昇した私は両腕に装備されたレーザーガンの照準を合わせ、二筋の超強力レーザーをホースイマジネーターに叩き込んで蒸発させた。

「最後…!!」

 イカのイマジネーターがイカ脚を伸ばしてくる。それを見た私はレーザーガンのモードをさらに切り替える。

「レーザーブレード!!」

 両腕の甲の辺りから一本ずつレーザーの剣が出現する。私はその剣を構えながら突撃して行き、襲い掛かって来るイカ脚を次々と焼き切りながらイカのイマジネーターの目の前に降り立つ。

「フィニッシュ!!」

 大きく✖を描きながら振り下ろされた二筋のレーザーブレードは、イカのイマジネーターの身体を四つに切り分けつつ爆散させた。

「こっちは終わったよ、和也…!!」



「はああああああああっ!!」

 ファイヤーコミックマンの炎を帯びたボードブレードを振り下ろす。まるで火山でも爆発したのかと思いたくもなる様なエネルギーの奔流を前に、目の前の亀はヒビ一つ入っていない甲羅の端でそれらすべてを受け止めていた。

 思わず舌打ちして後ずさる俺。亀ことタートルイマジネーターは一気に態勢を整えると三本の砲台に加えて甲羅の裏の腹からも巨大な砲台を生やし、俺ではなく天龍寺グループの本社ビルを狙う。

「やらせる物かよっ!!」

 最大限の炎を吹いてタートルイマジネーターの視界を塞ぐ。流石に狙いを澄ましきれずに腹の砲台を戻して立ち上がるのを見た俺は、ついに出せる炎が尽きたことを感じてファイヤーコミックマンからふつうのコミックマンへと戻ってしまった。

「強いな、お前…!!」

「…」

 何の感情も見せないタートルイマジネーター。やはりと言うか、あのプロフェッサーDの改造を受けたんだろうけども、あのジジイは相変わらず自我や人格を無視した改造で満足しているらしい。

「けどなぁ、イマジネーターは想像力が力の源!漫画家志望のこの俺に想像力で勝てると思うなよ!!」

 ボードブレードを構えて精神を集中させ、コミックマン・サムライモードへと変身。日本刀のように鋭く伸びたボードブレードで斬りつけると、ようやくタートルイマジネーターの甲羅に微かに歯が立った。

「…!!」

「驚いたか!?」

 サムライモードの正確で精密な斬撃なら、あの甲羅に傷を負わせられる。これなら何とかなるか、と思ったその時だった。

 タートルイマジネーターはうめき声を上げると、何と傷ついた甲羅が音を立てて再生していったのだ。

「こりゃ驚いた…」

 そして何の前触れもなく三本の砲台から砲弾が放たれ、俺は空から降り注いだ爆弾の爆発をくらって吹き飛ばされてしまうのだった。

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