第60話 ババ抜き
「何だい、その顔、そんなに睨んでも魚をあげないぞ」
「いらないわよ、あんたの魚なんて...........」
ニタは換気用鉄格子を削り、私は看守が来ているかどうか廊下を見張っていた。
周りの牢屋を見ると誰もいなかった。
カラカラの監獄には気味悪さを感じた。
看守も少ないと思った。
ここに入れられてから巡回の看守は見かけなかった。
暗い廊下を見ていると、鉄格子が切れた音がした。
「ふー、やっと削ったよ」
「ついでに爪をやすりで削ってやるよ、音茶」
とニタは余計な一言を言っているが今は無視しよう。
第一目標はエマ様の救出である。
その頃エマは...........。
この俺、ロイドが先輩と共に衛兵から看守に移動させられた。
最近、勇者が捕まった女魔族の監視の任務を遂行していたが...........。
この女強い、めちゃくちゃ強い。
ババ抜きでこの俺が負けるなんて、ありえん。
ありえないぞ、先輩と賭けをしてカモっていたのに。
侮れないぞ、笑顔を一切崩さないその余裕。
これが魔族の生まれ持つ強者の風格なのか。
先輩は既に負けていたが、俺は負けないぞ。
人類を代表して、このババ抜きに負けっ————。
あふん。
「案外、楽勝だったな音茶」
「ええこの看守たちが間抜けで良かったです」
と看守たちを倒し、エマの牢屋を解放した。




