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先生は勇者と共に…  作者: 朱音
第3章
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帰還

久しぶりの投稿なので、文章おかしかったらごめんなさい。


 太陽の光がこんなに懐かしいと感じるとは思わなかった。


 ダンジョンから無事帰還というより、帰らされたシシツキたちは、よく知る王都の喧騒に安堵の息を漏らした。


「まだ、頭の処理が追い付いてない感じがするねぇ…」

「うちもよーわからんかった!」

「そりゃあんたは、途中から寝てたからじゃないかい」


太陽の位置からみて、時間にして数時間しかダンジョンに潜っていなかっただろう。しかし、もう数日も彼処に居たように感じるのは、内容が濃かったからか。


しかし、シシツキのその感覚はあながち間違ってはなかったらしい。


「シシツキ!無事で良かった…」


ギルドに戻った瞬間、駆け寄って来たギンチヨにシシツキは、目を白黒させた。


ギンチヨのブラコンっぷりは以前からのことだが、たかが数時間離れたくらいで、こんなに熱烈な歓迎をされるとは思っていなかったからだ。


「ちょっと、どうしたの、ギン兄」


辺りを見回すとギンチヨだけでは無い。いつもは冷静な受付嬢達や冒険者までが、シシツキたちの帰還を喜んでいるようだった。

元々活気のあるギルドであっても、さすがに今日は騒がしいと感じるくらいだ。


何か問題があったのだろうか。

例えば大物の魔物が出たとかなら、このメンバーは強力な戦力になるだろう。


「違うわよ」


頭にクエスチョンマークを浮かべ、状況の把握ができていない帰還組に冷静な声が突き刺さる。その声は、シシツキにとっては聞き知った声、しかしアイカ達にとっては知らない声らしい。

シシツキだけがその声に反応して、パッと表情を明るくした。


「ユエ!」

「おかえりなさい、3日ぶりね」


シシツキが振り向いた先には、車いすの少女がいた。

 年齢にして10代後半であろうか。濃い紫の髪にシシツキに似た無気力を思わせる紅い瞳のせいで昏い雰囲気を漂わせている。


「3日ぶり…?」

「そう、3日もダンジョンにいたの」

「なるほど、道理で」


シシツキの実力はギルドに知れ渡っている。

その上、冒険者ギルドの若手エースとして名が流れ始めているオウキにリュウジがいるのだ。そんな面々が、とあるダンジョンに潜って3日間も音沙汰がなかったのだ。

騒ぎになっても仕方がないだろう。


 しかし、ダンジョンから帰還した組はそれどころでは無い。いきなり現れたシシツキと親密そうな少女に、衝撃を受けていた。

 まさか、シシツキの彼女なのか。それとも、聞いていないだけで婚約者とかかもしれない。恋する乙女であるアイカは最悪の展開を想定して顔面を蒼白にした。


「誰なんだぃ、その子」


皆を代表してコウメがシシツキに問いかける。

シシツキはそうだったと手を叩いた。


「紹介するよ。俺とギン兄の妹であるユエだよ」

「初めまして。噂はかねがね聞いてた」


 礼儀正しく車いすの上で頭を下げたシシツキの妹であるユエにつられて、コウメも頭を下げた。

 不思議な少女だと、コウメは直感的に感じた。

 何がとは具体的には言えないが、仙人のような世を達観しているような気がする。


「とりあえず、部屋に戻りましょう。お互い立ち話では終わらないでしよう」


 未だシシツキにしがみつくギンチヨを呆れたように見ながらユエは、ギルドの受付の奥を指さした。

 そこには個別の重要な話をするときに使われる部屋があり、ユエもそこを示しているのだろう。


ぞろぞろとギルドホールから移動する。さほど距離がある訳では無いので、部屋まではすぐに着いた。

シシツキがユエの車いすを押しているので、アイカが部屋の扉を開く。

するとそこには予想外の人物がいた。


「アンドウ・テルアキ、なんでここに」


 唖然とした表情を向けるシシツキに、テルアキは会釈をした。


「お久しぶりです、先生」

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