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姉妹レンタル  作者: なんなん


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時の原点!針のない時計に刻まれた秘密

### 1.時間の存在しない空間


七色の扉をくぐったユウマたちは、不思議な空間へ足を踏み入れた。


そこには地面も空もなく、無数の時計が星のように浮かんでいた。


ある時計は未来へ進み、ある時計は過去へ戻り、またある時計は完全に止まっていた。


「ここが……時の原点?」


アヤが周囲を見渡す。


ティアは静かにうなずいた。


「そう。すべての時間が生まれる場所だと伝えられているの」


ハルが腕時計を確認する。


「おかしいな。僕の時計まで止まっちゃった」


ソラも驚いた。


「でも、僕たちは普通に動けるよ?」


アステルが説明した。


「ここには決まった時間の流れがないんだ。僕たちは七色の橋の加護によって、自分たちの時間を保っているらしい」


そのとき、ノアが遠くを指さした。


「あそこを見て!」


空間の中央に、巨大な時計が浮かんでいた。


しかし、その時計には針がなかった。


数字もなく、ただ真っ白な文字盤が広がっている。


エリオがつぶやく。


「針のない時計……。何かを待っているようだ」


ユウマは仲間たちを振り返った。


「まずは、あの時計を調べよう!」


一行は光の足場を渡り、巨大な時計へ向かった。


### 2.刻まれていない歴史


時計の文字盤に近づくと、表面に文字が浮かび上がった。


『時は、選択によって生まれる』


ルミが読み上げる。


「選択によって……?」


次の瞬間、文字盤から七色の光が広がった。


光の中に、古い記録が映し出される。


そこには、まだ白い指輪も黒い指輪も存在しない、始原の世界があった。


そして、七人の創造者たちが集まっていた。


「セレス……!」


フィリアが声を上げた。


映像の中で、セレスは仲間たちに語りかけていた。


『世界と世界をつなぐ道を作りましょう。誰もが自分の意志で訪れ、帰れるように』


それは、ユウマたちが以前に見た記録と同じ願いだった。


しかし、今回の映像には続きがあった。


創造者たちの背後に、巨大な時計が浮かんでいたのだ。


その前には、一人の人物が立っていた。


銀色の長い髪と、青い瞳を持つ女性だった。


ティアが息をのむ。


「そんな……! あの人は……!」


「知っているの?」


ミオが尋ねる。


「私たちの一族に伝わる、最初の時の守護者……アイオーン様!」


### 3.八番目ではない存在


映像の中で、アイオーンは七人の創造者に語りかけた。


『世界をつなぐことには賛成です。しかし、時間だけは一つにつなげてはいけません』


セレスが問い返す。


『なぜですか?』


『世界には、それぞれ異なる歴史があります。時間を無理につなげれば、一つの世界の過去が、別の世界の未来を消してしまうかもしれません』


エリオが真剣な表情になった。


「だから世界ごとに時間の流れがあるのか……」


映像のアイオーンは続けた。


『私は時間の境界を守ります。あなたたちは世界をつなぐ道を守ってください』


そこで映像が一度途切れた。


カナタが首をかしげる。


「つまり、アイオーンは創造者の一人ではなかったんだね」


アステルがうなずく。


「七人の創造者とは別に、時間の秩序を守っていた存在だったんだ」


レイは文字盤を見つめた。


「でも、どうしてその記録が今になって現れたの?」


その疑問に答えるように、新たな文字が浮かんだ。


『記録の第二章を開くには、未来を選ぶ者の証が必要』


ユウマの手元で、八番目の紋章が輝き始めた。


「これか!」


紋章の光が文字盤に触れる。


すると、針のない時計に一本の光の針が現れた。


しかし、それは未来にも過去にも向かなかった。


真上を指したまま、静止していた。


### 4.封じられた一日の記録


時計から声が響いた。


『選択の証を確認。封印された記録を開示します』


白い文字盤が暗くなり、別の光景が映し出された。


そこには、美しい街クロノリアがあった。


現在の街よりも、はるかに古い時代の姿だった。


人々が笑い合い、時計塔の鐘が鳴っている。


しかし、突然、空に巨大な亀裂が走った。


「これは……!」


ナナが驚く。


亀裂の向こうには、別の世界の空が見えた。


二つの世界の時間が、互いに引っ張り合っていた。


片方では朝が訪れ、もう片方では夜が終わらない。


街の時計が次々と壊れ始める。


その中心で、アイオーンが両手を広げた。


『時間の境界を閉じます!』


七色の光が世界を包んだ。


亀裂は消えた。


だが、アイオーンの姿も薄れていく。


ティアが叫んだ。


「アイオーン様!」


映像の中のアイオーンは、最後に小さな時計を取り出した。


『いつか、未来を恐れて時間を戻そうとする者が現れるかもしれません』


その時計には、針がなかった。


『そのときは、過去を消すのでも、未来を決めるのでもなく……』


そこで記録が乱れた。


ザザザザッ!


映像が途切れ、真っ白な文字盤に戻ってしまう。


「肝心なところが!」


ハルが悔しそうに叫ぶ。


ノアは文字盤の下に現れた文章を発見した。


『最後の言葉は、失われた一日に封じられている』


「失われた一日?」


ユウマが繰り返す。


ティアは青ざめた。


「聞いたことがある……。クロノリアには、歴史から消された一日があるって」


### 5.過去からの警告


その瞬間、時の原点全体が大きく揺れた。


ゴゴゴゴゴッ!


浮かんでいた時計が次々と逆回転を始める。


「まずい!」


アステルが叫んだ。


「クロノリアの時間の逆流が、ここにまで影響している!」


エリオは周囲の時計を見つめた。


「いや、違う。誰かが時の原点そのものに干渉している!」


すると、暗闇の中から足音が響いた。


コツン。


コツン。


コツン。


一人の人物が、巨大な時計の裏側から現れた。


黒い外套をまとい、顔を銀色の仮面で隠している。


その手には、逆回転する懐中時計が握られていた。


「よくぞ、ここまでたどり着いた」


低い声が響く。


ユウマが身構える。


「お前は誰だ!」


仮面の人物は答えた。


「私は、失われた一日の記録を守る者」


レイが問いかける。


「その記録を見せてくれるの?」


「それはできない」


「どうして?」


「記録を知れば、お前たちは未来へ進むことをためらうだろう」


アヤが一歩前へ出た。


「それでも、私たちには知る権利があるわ!」


仮面の人物は静かに首を振った。


「知ることと、受け入れることは違う」


その言葉に、ユウマたちはセレスの願いを思い出した。


記憶を残すこと。


しかし、誰かに記憶を押しつけないこと。


エリオが静かに言った。


「僕たちは、記録を見るかどうかを自分たちで選びたい」


仮面の人物はしばらく沈黙した。


やがて、懐中時計を掲げた。


「ならば、試してみるがいい」


その瞬間、無数の時計が光り始めた。


### 6.三つの時間の試練


ユウマたちの前に、三つの扉が現れた。


一つ目は、青い扉。


二つ目は、赤い扉。


三つ目は、金色の扉だった。


仮面の人物が告げる。


「青は過去。赤は現在。金は未来」


「三つの扉……」


ルミがつぶやいた。


「それぞれの扉には、時間の試練が待っている」


「全部越えれば、記録を見せてくれるのか?」


ユウマが尋ねる。


「そうだ。ただし、試練の答えを他人に強制してはならない」


ミオが不思議そうに尋ねた。


「どういう意味?」


「過去をどう受け止めるか。現在をどう生きるか。未来へ進むか。それぞれが自分で選ばなければならない」


ユウマは仲間たちを見回した。


アヤ、ナナ、ハル、ミオ、ソラ、ルミ、レイ、フィリア、カナタ、エリオ、アステル、ノア。


そして、ティア。


誰もが真剣な表情をしていた。


「みんな、どうする?」


ユウマが尋ねる。


アヤが微笑んだ。


「もちろん、進むわ」


ナナもうなずく。


「ここまで来たんだもの!」


エリオは少し考えてから言った。


「僕も行く。でも、誰かが途中でやめたいと思ったら、その選択も尊重しよう」


「うん!」


ユウマは力強くうなずいた。


そして、最初の青い扉に手をかけた。


扉がゆっくりと開く。


その向こうに広がっていたのは、懐かしい風景だった。


ユウマが目を見開く。


「ここは……僕たちが旅を始める前の世界!?」


そこには、まだ何も知らなかった頃のユウマ自身が立っていた。


そして、過去のユウマの背後には、見覚えのない黒い時計が浮かんでいた。


仮面の人物の声が響く。


『第一の試練。過去を変えられるとしても、お前は今の自分を選ぶか?』


ユウマは静かに息をのんだ。


時間の試練が、ついに始まった。


次回「過去の選択! もう一人のユウマとの再会」


青い扉の向こうで、旅を始める前の自分と出会ったユウマ。過去を変えられるという誘惑を前に、彼はどんな答えを出すのか。そして、過去の世界に浮かぶ黒い時計の正体とは!?

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