星を映すプラネタリウム
光をなくした星の湖を救い、青い星、緑の星晶、そして金色の星をそろえた悠真たち。
一行は湖畔の村を出発し、最初に冒険が始まった「星を失ったプラネタリウム」へ向かっていた。
「もうすぐプラネタリウムに着くね!」とナナ。
「うん。三つの星の力を使えば、あの場所にも星空を取り戻せるはずだよ」と悠真が答えた。
ユウトは手のひらの青い星を見つめていた。
「ここまで一緒に旅をしてくれてありがとう。僕、みんなと出会えてよかった!」
「まだ旅は終わってないよ。プラネタリウムの星空を取り戻すところまで、一緒に頑張ろう!」とミオが笑顔で言った。
ユウトは元気よくうなずいた。
## ふたたび星の町へ
夕方、一行は星を失ったプラネタリウムのある町へ到着した。
町の人々は、相変わらず夜空を見上げていた。星が消えてから、町では夜空を楽しむ人が少なくなっていたのだ。
「ただいま戻りました!」
ルミがプラネタリウムの扉を開けると、館内には静かな空気が流れていた。
受付の奥から、管理人の男性が現れた。
「ルミさん! 戻ってきたんですね!」
「はい。そして、星空を取り戻すための三つの星を見つけてきました!」
悠真が青い星、緑の星晶、金色の星を取り出すと、館内が柔らかな光に包まれた。
「おお……! これが、失われた星の力なのか!」
管理人は目を輝かせた。
「さっそく投影装置を調べましょう!」
一行はプラネタリウムのドームへ向かった。
## 動かない投影装置
ドームの中央には、大きな星空投影装置が置かれていた。
しかし、装置は動かず、天井には何も映っていない。
「三つの星を置けば動くのかな?」とハル。
ルミは装置の周囲を調べた。
「ここに三つの星をはめ込む場所があります。青、緑、金色……。順番も、神殿の門と同じみたいです」
悠真たちは、それぞれの星を決められた場所にはめ込んだ。
ところが、装置は一瞬光っただけで、再び静かになってしまった。
「えっ、どうして動かないの?」とナナ。
ソラが装置の側面を調べると、小さな文字が刻まれていた。
「『星の光だけでは、夜空は完成しない。星を見上げる者の願いを届けよ』と書いてあるよ」
「星を見上げる人たちの願い……」
悠真は町の人々のことを思い出した。
星空が戻ることを願っているのは、冒険をしてきた自分たちだけではない。
この町で暮らす人々も、もう一度星を見たいと願っているのだ。
「町のみんなにも来てもらおう!」
## 町のみんなの願い
悠真たちは町の広場へ向かい、プラネタリウムで星空を取り戻すために協力してほしいと伝えた。
最初にやってきたのは、小さな男の子だった。
「ぼく、星座を覚えたいんだ!」
続いて、年配の女性が言った。
「昔、家族と一緒に見た星空を、もう一度見たいわ」
「私は子どもたちに、本物の星の美しさを教えてあげたいです」
町の人々は、それぞれの願いを胸に、プラネタリウムへ集まった。
管理人はドームの入口に立ち、みんなに呼びかけた。
「それでは、心の中で願いながら、天井を見上げてください!」
町の人々が一斉に天井を見上げた。
すると、青い星が輝き始めた。
緑の星晶が続き、最後に金色の星がまばゆい光を放った。
三つの光が投影装置の中心で重なり、装置がゆっくりと回転し始める。
「動いたよ!」とアヤ。
装置から光の筋が放たれ、ドームの天井へと広がっていった。
## よみがえる星空
最初に現れたのは、小さな青い星だった。
続いて緑色の星が輝き、その隣に金色の星が浮かび上がった。
やがて無数の星々が天井いっぱいに広がり、美しい星座が姿を現した。
「わあああっ!」
ドームの中から歓声が上がった。
星々はゆっくりと動き、まるで本物の夜空を眺めているかのようだった。
「これが、僕たちが取り戻したかった星空なんだね……」
ユウトは感動した様子で天井を見上げた。
そのとき、青い星がひときわ明るく輝いた。
天井の星々が並び替わり、一つの大きな星座を描き始める。
それは、二人の人影が並んで星を見上げているような形だった。
「これ……僕とお姉ちゃんみたいだ!」
ユウトの声が震えた。
青い星は、ユウトの手のひらの上で優しく輝き続けていた。
ルミは微笑みながら言った。
「きっと、あなたの願いが星空に届いたんですね」
ユウトは空を見つめたまま、静かに言った。
「お姉ちゃん。僕は約束を忘れていないよ。いつか、必ず一緒に星を見ようね」
## 新たな光の知らせ
星空の投影が終わると、町の人々は悠真たちを囲んで感謝を伝えた。
管理人も深々と頭を下げた。
「みなさんのおかげで、このプラネタリウムに再び星空が戻りました。本当にありがとうございます!」
「こちらこそ、みんなの願いを聞けてよかったよ」と悠真。
しかし、そのときだった。
投影装置の奥から、聞いたことのない音が響いた。
ピロン、ピロン……。
装置の横にある小さな画面に、見たことのない星の地図が表示された。
「これは何でしょう?」とルミ。
ソラが画面をのぞき込む。
「地図の端に、まだ光っていない星が一つあるよ」
その星は、ほかの星とは違い、淡い紫色をしていた。
画面には、古代文字が浮かび上がった。
『第∞世界の境界に眠る、忘却の星。すべての記憶を守る者よ、次なる光を探せ』
「忘却の星……?」とハル。
悠真は仲間たちを見渡した。
星空を取り戻す冒険は、これで終わりではなかったのだ。
「次は、この紫色の星を探す旅になるのかな?」
ルミは地図を見つめながら、静かにうなずいた。
「おそらく。でも、この星については、私も何も知りません」
ユウトは青い星を胸元にしまい、悠真たちに向かって微笑んだ。
「僕はここで、お姉ちゃんからの返事を待つよ。みんなの旅が、また素敵な冒険になりますように!」
「ありがとう、ユウト。また会おうね!」とナナ。
一行はユウトと別れ、紫色の星が示す場所を調べることにした。
町の上空では、取り戻された星々が静かに瞬いていた。
そして、第∞世界のはるか彼方。
誰も知らない場所で、紫色の星が一度だけ強く輝いた。




