父との再会
翌朝。
スマイルキャラバン号は、山の向こうにある小さな町へ向かっていた。
車内はいつもより静かだった。
あかりは窓の外を見つめている。
「本当に……お父さんに会えるのかな。」
ひかるも手帳を握りしめる。
「会いたい。」
「でも、少し怖い。」
悠真は二人に笑顔を向けた。
「どんな答えが待っていても、聞きに行くことが大事だと思う。」
「一緒に行こう。」
二人は小さくうなずいた。
---
山間の小さな町。
理事長から教えられた住所を訪ねると、そこには古い工房があった。
看板には、
『白石工房』
と書かれている。
「ここ……。」
あかりが震える声で言う。
悠真が扉を叩く。
コンコン。
しばらくすると、中から男性の声がした。
「はい。」
扉が開く。
そこに立っていたのは、優しい目をした中年の男性だった。
「……どちら様ですか?」
ひかるは手帳を差し出した。
「これを……持っていました。」
男性は手帳を見ると、目を大きく開いた。
「それは……。」
「まさか……。」
あかりが勇気を振り絞る。
「あなたが……私たちのお父さんですか?」
長い沈黙。
男性の目に涙が浮かんだ。
「……あかり。」
「……ひかる。」
二人の名前を呼ぶ声は、少し震えていた。
「大きくなったな。」
---
工房の中。
白石誠一は、これまでのことを話し始めた。
「私は、二人を捨てたわけじゃない。」
「ただ……自分の失敗で、大切な人たちを傷つけたと思っていた。」
「だから、もう一度人を笑顔にする方法を探していた。」
ひかるは静かに尋ねる。
「どうして、連絡してくれなかったの?」
誠一はうつむいた。
「怖かったんだ。」
「今さら父親だと言う資格があるのか……。」
その言葉を聞いて、あかりは首を横に振った。
「資格じゃないよ。」
「私たちは、ずっと会いたかった。」
ひかるも涙をこらえながら笑う。
「お父さんに会えてよかった。」
誠一は二人を見つめ、静かに涙を流した。
---
その夜。
工房の外で、悠真たちは星空を見上げていた。
さくらが微笑む。
「よかったね。」
ひまりもうなずく。
「……家族って、離れていても消えないんだね。」
美咲も笑顔になる。
「悠真たちがいたから、再会できたんだよ。」
悠真は首を振った。
「違うよ。」
「二人が、お父さんを信じる気持ちを持ち続けたからだ。」
---
翌朝。
誠一は一枚の古い地図を取り出した。
「実は、まだ伝えなければならないことがある。」
「姉妹レンタルには、もう一つ隠された計画があります。」
悠真たちは驚く。
「隠された計画?」
誠一は地図を広げる。
そこには、見知らぬ町に大きな印がついていた。
「この場所で、最初の『みんなの家』を作る計画がありました。」
「しかし……まだ完成していません。」
誠一は真剣な表情で言った。
「もし君たちが手伝ってくれるなら。」
「最後の夢を、一緒に叶えたい。」
新たな目標が、六人の前に現れた。




