表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/120

父との再会

翌朝。


スマイルキャラバン号は、山の向こうにある小さな町へ向かっていた。


車内はいつもより静かだった。


あかりは窓の外を見つめている。


「本当に……お父さんに会えるのかな。」


ひかるも手帳を握りしめる。


「会いたい。」


「でも、少し怖い。」


悠真は二人に笑顔を向けた。


「どんな答えが待っていても、聞きに行くことが大事だと思う。」


「一緒に行こう。」


二人は小さくうなずいた。



---


山間の小さな町。


理事長から教えられた住所を訪ねると、そこには古い工房があった。


看板には、


『白石工房』


と書かれている。


「ここ……。」


あかりが震える声で言う。


悠真が扉を叩く。


コンコン。


しばらくすると、中から男性の声がした。


「はい。」


扉が開く。


そこに立っていたのは、優しい目をした中年の男性だった。


「……どちら様ですか?」


ひかるは手帳を差し出した。


「これを……持っていました。」


男性は手帳を見ると、目を大きく開いた。


「それは……。」


「まさか……。」


あかりが勇気を振り絞る。


「あなたが……私たちのお父さんですか?」


長い沈黙。


男性の目に涙が浮かんだ。


「……あかり。」


「……ひかる。」


二人の名前を呼ぶ声は、少し震えていた。


「大きくなったな。」



---


工房の中。


白石誠一は、これまでのことを話し始めた。


「私は、二人を捨てたわけじゃない。」


「ただ……自分の失敗で、大切な人たちを傷つけたと思っていた。」


「だから、もう一度人を笑顔にする方法を探していた。」


ひかるは静かに尋ねる。


「どうして、連絡してくれなかったの?」


誠一はうつむいた。


「怖かったんだ。」


「今さら父親だと言う資格があるのか……。」


その言葉を聞いて、あかりは首を横に振った。


「資格じゃないよ。」


「私たちは、ずっと会いたかった。」


ひかるも涙をこらえながら笑う。


「お父さんに会えてよかった。」


誠一は二人を見つめ、静かに涙を流した。



---


その夜。


工房の外で、悠真たちは星空を見上げていた。


さくらが微笑む。


「よかったね。」


ひまりもうなずく。


「……家族って、離れていても消えないんだね。」


美咲も笑顔になる。


「悠真たちがいたから、再会できたんだよ。」


悠真は首を振った。


「違うよ。」


「二人が、お父さんを信じる気持ちを持ち続けたからだ。」



---


翌朝。


誠一は一枚の古い地図を取り出した。


「実は、まだ伝えなければならないことがある。」


「姉妹レンタルには、もう一つ隠された計画があります。」


悠真たちは驚く。


「隠された計画?」


誠一は地図を広げる。


そこには、見知らぬ町に大きな印がついていた。


「この場所で、最初の『みんなの家』を作る計画がありました。」


「しかし……まだ完成していません。」


誠一は真剣な表情で言った。


「もし君たちが手伝ってくれるなら。」


「最後の夢を、一緒に叶えたい。」


新たな目標が、六人の前に現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ