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姉妹レンタル  作者: なんなん


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未来を渡す

【第五十の歴史】


門をくぐった悠真たちは、真っ白な世界に立っていた。


空もない。


大地もない。


ただ、遠くに小さな光が浮かんでいる。


「僕に……未来を渡してくれる?」


その光から声がした。


悠真はゆっくり近づいた。


「未来って、渡せるものなのかな?」


光は少し考えた。


「わからない。でも、僕には何もないんだ」


ユイが周囲を見る。


「本当に何もないね」


すると、世界の意思が前に出た。


「何もないなら、一緒に作ればいい」


光が少し明るくなった。


「僕にも、作れる?」


「もちろん」


悠真は白い地面に一歩踏み出した。


すると、足元に小さな円が現れた。


「これが最初の場所だね」


光が円の中へ入る。


すると、円が小さな広場になった。


「次は何を作る?」


悠真は答えなかった。


代わりに、光へ尋ねた。


「君は何がほしい?」


「僕は……」


光は長い間考えた。


「誰かと話せる場所がほしい」


すると、広場の横に小さな家が現れた。


窓が一つ。


扉が一つ。


椅子が二つ。


光は嬉しそうに言った。


「ここなら、誰かが来てくれるかもしれない」


そのとき、遠くから別の光が近づいてきた。


「入ってもいい?」


最初の光が答える。


「うん!」


二つの光が家の中に入る。


すると、家の壁に新しい文字が浮かんだ。


【ここは、未来を受け取る場所】


悠真が読む。


「未来を受け取る……」


ユイが考える。


「でも、誰かが未来を全部決めて渡したわけじゃないよね」


世界の意思がうなずいた。


「未来を渡したのではなく、未来を作るための最初の一歩を渡したんだ」


悠真は納得した。


「なるほど……」


その瞬間、家の前に小さな種が落ちた。


最初の光が拾う。


「これは?」


「植えてみたら?」


悠真が言う。


光は種を地面に植えた。


すると――。


芽が出た。


小さな木が生まれる。


その木は少しずつ成長し、やがて枝を広げた。


しかし、実は一つもならない。


「実がならない……」


光が心配そうに言った。


悠真は笑った。


「まだ早いんじゃないかな」


「いつ実がなるの?」


「それは、君たちが決めることじゃないかもしれない」


ユイが木を見上げる。


「未来には、待つ時間も必要なんだね」


その言葉に応えるように、木の枝に一つだけ光が灯った。


そこには、


【これから】


と書かれていた。


すると、世界の彼方に新しい道が伸び始めた。


道の先には、まだ見たことのない景色がある。


世界の意思が言った。


「未来を渡すことは、未来を完成させることじゃない」


悠真が続ける。


「次の誰かが続きを作れるようにすることなんだ」


その瞬間、空に大きな文字が浮かんだ。


【第五十の歴史――未来を渡す者】


そして、その下に新しい文字が現れる。


【未来を受け取った者は、次に誰へ渡す?】


悠真は新しい道を見つめた。


「まだ続きがあるみたいだね」


ユイがうなずく。


「うん。未来は、どこまでも続いていく」


二人と世界の意思は、新しい道を歩き始めた。


その先には――。


一つの巨大な扉。


扉には、こう刻まれていた。


【第五十一の歴史――未来をつなぐ者】


扉の向こうから、たくさんの声が聞こえてきた。


「僕たちも、未来をつなぎたい!」


悠真は扉に手をかける。


そして、ゆっくりと開いた。

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