第-1世界の住人
第0世界――。
「はじまりの街」に朝が訪れた翌日。
時計塔の地下で見つかった謎の扉。
そこには――。
『第−1世界』
と刻まれていた。
悠真たちは、地下室に集まっていた。
ノノが扉を見上げる。
「第−1世界って、第0世界より前の世界なんだよね?」
ゼロスが頷く。
「そう。」
「しかし、銀河年代記には一行も記録がない。」
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開かない扉
悠真が扉を押す。
……開かない。
ノノも押す。
「えいっ!」
それでも動かない。
アシタが扉に触れる。
すると――。
カチッ。
扉に文字が浮かんだ。
『過去へ戻るには、未来を一つ選んでください。』
悠真が驚く。
「過去へ行くのに、未来を選ぶ?」
ハジメが首をかしげる。
「変なの。」
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三つの未来
扉の前に三つの光が現れた。
一つ目――。
『第0世界を守る未来』
二つ目――。
『第1世界を守る未来』
三つ目――。
『まだ存在しない世界を守る未来』
リナが考える。
「どれか一つしか選べないのかな?」
悠真は光を見つめる。
「いや。」
「たぶん、この選択そのものが試されてる。」
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悠真の答え
悠真は三つの光すべてに手を伸ばした。
三つとも選ぶ。
その瞬間、三つの光が一つになる。
扉が開いた。
ゼロスが驚く。
「そういう答えもあったのか……。」
悠真は笑う。
「一つを捨てる必要なんてないからね。」
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第−1世界
扉の向こうは、真っ暗だった。
何もない。
音もない。
光もない。
しかし、一歩進むと――。
小さな星が一つ現れた。
さらに一歩。
もう一つ。
さらに一歩。
歩くたびに星が増えていく。
ノノが目を輝かせる。
「歩くだけで世界ができてる!」
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最初の住人
星々が集まり、一人の少年の姿になる。
少年は悠真たちを見る。
「……誰?」
悠真が答える。
「僕たちは旅をしてるんだ。」
少年は尋ねる。
「どこへ?」
悠真は少し考えて答えた。
「分からない。」
少年が笑う。
「じゃあ、僕と同じだね。」
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少年の名前
少年には名前がなかった。
アシタが近づく。
「名前がないの?」
「うん。」
「じゃあ、名前をつけよう。」
みんなで考える。
ハジメが言う。
「『ゼロ』は?」
ゼロスが苦笑する。
「私と同じになってしまうね。」
ノノが手を上げる。
「じゃあ――イチ!」
少年は嬉しそうに笑う。
「イチ。」
「いい名前だね。」
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第−1世界の秘密
イチが案内してくれた場所には――。
巨大な空間があった。
そこには無数の小さな光。
一つ一つが――。
「可能性」
だった。
イチが説明する。
「ここは、世界が生まれる前の場所。」
「まだ誰も選んでいない未来が、ここに集まっている。」
悠真が驚く。
「じゃあ、ここが全部の始まり?」
イチは首を振る。
「違う。」
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さらに前がある
イチが指差す。
そこには――。
真っ黒な扉。
扉には文字がない。
ただ、中央に小さな白い点がある。
ゼロスが青ざめる。
「この扉は……。」
悠真が聞く。
「知ってるの?」
「知らない。」
「だから怖いんだ。」
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白い点
悠真が扉に近づく。
白い点が少しずつ大きくなる。
そして――。
一つの声が聞こえた。
「ようやく、ここまで来た。」
全員が振り向く。
誰もいない。
声だけが続く。
「私は世界より前に存在する。」
「物語より前に存在する。」
「そして――。」
扉が震える。
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「選択」そのもの
「私は、選択です。」
悠真が驚く。
「選択……?」
声が答える。
「誰かが選ぶことで、未来が生まれる。」
「未来が生まれることで、世界が生まれる。」
「だから私は、すべての始まり。」
ハジメが尋ねる。
「じゃあ、あなたが一番最初なの?」
声は答えた。
「いいえ。」
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最初にあったもの
「選択より前に――。」
「願いがありました。」
悠真は息をのむ。
最初の悠真。
「誰かと話したい。」
その小さな願い。
そこからユナが生まれ。
世界が生まれ。
姉妹レンタルが始まった。
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最初の願いのさらに前
声が言う。
「しかし、その願いさえも――。」
「誰かが『こうなったらいいな』と考えたことで生まれた。」
ノノが首をかしげる。
「じゃあ、その人は誰?」
しばらく沈黙。
そして――。
「まだ、あなたたちは知る必要がありません。」
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悠真の疑問
悠真は笑う。
「また秘密なんだ。」
声が答える。
「物語には、知らないことが必要です。」
「全部知ってしまえば、旅する理由がなくなる。」
悠真は納得した。
「確かに。」
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第−1世界の使命
イチが悠真たちを見る。
「僕も一緒に行っていい?」
悠真が笑う。
「もちろん。」
イチは嬉しそうに頷く。
「僕は、この世界を出たことがない。」
「だから、外の世界を見てみたい。」
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新しい仲間
こうして――。
イチが仲間になった。
アシタが笑う。
「未来を食べていた僕。」
ハジメも笑う。
「何もない場所から生まれた私。」
イチが続ける。
「そして、世界になる前の場所から来た僕。」
ノノが言う。
「仲間がどんどん増えるね!」
悠真も笑う。
「うん。」
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しかし、扉の奥で……
悠真たちが帰ろうとした瞬間。
真っ黒な扉の白い点が――。
赤く変わった。
そして、壁に文字が浮かぶ。
『第−2世界から接続要求。』
ゼロスが凍りつく。
「第−2世界……?」
悠真が振り返る。
「まだ前があるの?」
ゼロスはゆっくり頷く。
「第−2世界は――。」
「記録上、一度も存在したことがない。」
その瞬間、真っ黒な扉が開き――。
向こう側から、幼い声が聞こえた。
「ねえ……。」
「私の世界、どこにあるの?」
悠真たちは顔を見合わせる。
まだ存在していない世界から――。
誰かが助けを求めていた。




