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真田隆盛記 ~おゆきの戦国日記(ぶろぐ)~  作者: とむ熊 しのぶ
湖上の告白編
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066 京再び

安土会議編開幕です。その前に京の後片付けをやります(笑)


我々は秀吉さんと信澄さんを連れ立って、再び京に入った。


懐かしいと言う程の昔で無いのだが、それ程京の街が荒らされて無さそうで正直ほっとした。


着いて早々、我々は、本能寺、妙覚寺、二条城も見て回ったが、本能寺、二条城は流石に酷い有様だった。ただ妙覚寺はほぼ無傷で少し驚いた。信忠さん達の一派は居なかったので、火をかける必要はなかったとは言え、この辺は光秀さんの性格による物だろう。信心深い人だったのかもしれない。


勿論多少の損害は出ていたので、結構な額を寄進した上で、二条城で討ち死にした面々の供養を依頼した。


堂宇が完全に焼け落ちていた本能寺はほぼ壊滅と言って良い状態だったが、何とか生き残った関係者には再建を約束した。お寺に踏み入れる前に我々は手を合わせて黙祷したが、ここでも秀吉さんは滂沱の如く涙を流していた。


最近判って来たのだが秀吉さんって一々芝居がかった大げさな事をしたがる質なのだ。別に本人にしてみれば決してワザと大げさにやっているわけではないのだが、それを客観的に見ているとなんか噓くさく見えてしまう場合もあったりする。


大げさに悲しんでみたりしたかと思うと、その後はケロッと早速遺骨や遺品集めを開始していたりするからなお更だ。



信忠さんと私達は、大徳寺に宿を借り宿泊した。ここは信忠さんのお祖父さんである信虎さんの為に信長さんが創建した黄梅院がある。流石に妙覚寺に宿泊するわけにも行かないだろうし、本能寺も二条城も燃えてしまったのでしょうがない。


もちろん引き連れて来た全員を泊める広さは無いので、近くに分宿している。秀吉さんは本能寺や二条城の片付け、信澄さんの方は京の見回りをしつつ、治安を図っている。


信忠さんは無事再会した、村井貞成さんと禁裏周り、特にお世話になった東宮誠仁親王殿下等へのお礼と騒がしたお詫びを申し上げに真っ先に向かったが、流石に私の同席は断られた。



我々忍軍も借りっ放しになっていた菊亭家の別邸に再び司令部を作って、信忠さんの身の回りを守る部隊を除いて、そこを拠点としている。


ちなみに菊亭家へは無事の報告と騒がした事のお詫び(我々の所為ではないのだが・・)、しばらく別邸を続けて借り続けたい旨お願いに挙がっている。


十蔵が(笑)


私は、出ると色々説明がややこしいので、安全が確認されるまで堺に避難している事になっている。決してお公家さんへの挨拶が面倒くさかったわけでは無いですよ。本当ですよ?



そして京に入り数日経った今日、信忠さん、秀吉さん、信澄さん、村井貞成さん、官兵衛さんと言う面々は黄梅院に集っている。。


もちろん、一通り京の状況を掴んだ上で、当面の行動について打ち合わせる為である。


まず、信忠さんが口火を切る。


「禁裏の方は俺が挨拶した限りでは、特段反応に変化はない様に見えたな。やはり、比較的早めに解決したのが効いたのかもしれん。もっとも奴等の本音は見え辛い。どうだ?貞成?」


「本能寺が落城した時には流石に動揺が見えましたが、その後上様が蜂起し多くの手勢の糾合に成功した辺りからは、かなり落ち着いた感じでした。其ればかりか、山崎の戦いでの勝利が伝えられると、反乱鎮圧の功で上様に右大臣職をと言い出す始末で・・」


「親父殿の前職か?気が早すぎないか。まだ親父の喪も明けない内に・・」


信忠さんは多少うんざりした表情で言った。


「流石にご葬儀前にと言う事は無いでしょうが、内示ぐらいは出したい感じでしたね。」


貞成さんがそう言うとうーんと言う感じで考え込む。


「貰える物は貰っておきなされ。それが彼らの仕事ですから。権威と紐着かない様に注意を払えば宜しいかと」


官兵衛さんが口を挟んできた。


「それについては俺にも考えがあるが、その事は後日にしよう。右大臣やらなんやらの話は貞成に任せる。適当にやってくれ」


考えって何だろう?凄い気になる。話の流れからすると権威と紐着くとか着かないとかいう官兵衛さんの言葉の後半部分の話だと思うけど・・。後でこっそり聞いて見よう。


信忠さんは続けて京の様子を信澄さんに聞いた。


「町の治安は極めて良好。本能寺や二条城周辺を除いてほぼ無傷と言っても良い程です。こう言っては何ですが、さすが綱紀に厳しい明智勢と言う所でしょうか。上京・下京いずれも、少なくとも無為な狼藉・略奪は皆無だった様です。」


信忠さんはうむと頷いた後、続けた。


「明智の一族郎党は出来るだけ寛大な措置にしてやろう。領地は全て没収するが命までは取るまい。但し男子はすべて出家。無論変に参加した者や抵抗する者はその限りにあらず。・・そんな所か。これは安土で正式に皆に伝える。官兵衛悪いが先に安土に行って、長秀と計って草案を纏めてくれ。」


本来は官兵衛さんの仕事では無い気もするが、変で大量の官僚を失ってしまった為、頼らざるを得ないと言った所であろう。官兵衛さんもそう思ったか、或いは信忠さんの事を甘いお人と思ったのかも知れないが、とりあえず無表情のまま一礼した。


秀吉さんが何やら言いたそうにうずうずしている。この人は本当に・・。


京での宿泊先をどうしようかと思って、まぁ特に限定しなくても良いかなとも思い始めていたんですが、京で葬儀を行うような事を言ってしまったので、その絡みもあり、お祖父ちゃま所縁のこちらにい泊まらせて頂く事にしました。ちなみに現在の黄梅院(庵?)は移築されているようですよ。



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