第20話
* * *
あの戦士が完全に服従するようになってから。
得体の知れない危険が、空気に漂っている気がしてならない。
私は彼の記憶の一部――特に戦闘に関するものへの接触を許された。
そこで見たものは、あまりにも驚異的だった。
すぐにでも彼を「守護者」として縛り付けたいと渇望したほどに。
それは同時に、ここしばらく溜まり続けていた鬱憤を晴らす、絶好の機会でもあった。
契約が長引くにつれ、彼の記憶がより多く流れ込んでくる。
この種の呪文ではごく普通のことだ。
少なくとも、私はそう思っていた。
初めて彼の精神に侵入した時。
巨大な闇に圧倒されるような感覚に陥った。
それはほんの一瞬の出来事で、すぐに消え去った。
だから、その時は気にも留めなかった。
だが、その認識は覆された。
初めて共に夜を過ごした後。
レイカとケイラが私の元へ来て、私と全く同じ体験を語ったのだ。
呪文は結ばれた。
彼は完全に私に服従している。
それなのに、何かがおかしい。
何かが、私の心をざわつかせる。
私は水妖たちと共に、彼に新たな武器を与えた。
これからこの聖域の勢力圏を積極的に広げていく。
少なくとも、そのつもりだった。
しかしあの戦士は、まるでこの森全体が自分の領土であるかのように振る舞った。
隅々まで見回り、あらゆる獣道を歩き回った。
何より、彼が本来成すべきことをしなかった。
森と池に糧を捧げるという役割を。
だから私は教え込んだのだ。
誰に、どう仕えるべきかを。
その夜から、すべてが始まった。
彼が眠りに落ちた途端、恐怖が私を包み込んだ。
何に対する恐怖か。どこから来る恐怖か。それすら分からなかった。
同時に数十もの人間の声が聞こえ始めた。
穏やかな声など一つもない。
どれもが暴力的で、激しく。
何よりも、怒りと殺意に満ちていた。
私は、その声に付随するあらゆる傷、打撃、痛みを肌で感じた。
私は叫び声を上げた。
そして、以前一瞬だけ垣間見たあの闇が。
私を完全に呑み込んだ。
闇は、戦士の眠りを妨げることを許さなかった。
彼は夢を見続けた。
そのすべての惨劇を、自ら追体験するように。
それが私の精神の中で起きていることだと、頭では理解していた。
だが、何の救いにもならなかった。
一晩中、ただ苦痛と拷問だけが続いた。
戦士が他者に与えた責め苦と、彼自身が味わった地獄。
私は、時間の感覚すら失っていた。
だが、最後の光景だけは鮮明に脳裏に焼き付いている。
彼が素手で、私の目の前で他の女たちを引き裂いていくのを。
私はただ、見ていることしかできなかった。
一人、また一人と。
少し経ってから、気づいた。
最初の一人は、彼の傍らに横たわっていた女だ。
だが、それは筋が通らない。
彼が彼女を殺したわけではないのだから。
二人目は、青いドレスを着た女だった。
私の知らない顔だったが、その貌は記憶に深く刻み込まれた。
そして次を見た瞬間、私の血は凍りついた。
レイカが現れた。
その次に、ケイラ。
誰もが同じ運命を辿った。
狂乱した戦士によって、肉を裂かれたのだ。
そして彼は私に近づき。
私の胸に指を突き立て、抉り開け始めた。
それが現実であったかのように、今でも胸に痛みが残っている。
その時になってようやく、私はその禍々しい闇から解放された。
全く同じタイミングで、水妖たちが私の元へ駆け寄ってきた。
恐怖に怯え、錯乱し、死人のように青ざめている。
彼女たちは、私がたった今経験した悪夢を、そのまま口にした。
唯一の違いは、彼女たちの方が早く目を覚ましていたことだ。
私と同じ、あの瞬間に。
私たちには、それをどう解釈すべきか見当もつかなかった。
その時、彼が目を覚ました。
勢いよく立ち上がった彼の姿に、私たちは全身の毛が逆立つほどの戦慄を覚えた。
(あいつ……笑っているわ!)
彼はその場で伸びをし、こちらを振り返った。
水妖たちが彼を指差す。私はとっさに反応し、声を上げた。
「私たち全員が同じ幻覚を見たわ。でも、それが何かを証明するわけじゃない!」
「私たちを引き裂くのを見たでしょ! あいつは私たちを破滅させるわ!」
「レイカの言う通りよ! あいつを始末しなきゃ!」
「でも、最初の女を見たでしょ!?」
「死んでるんだから関係ないじゃない!」
「でも、あいつが殺したわけじゃないわ!」
ケイラとレイカは押し黙った。
戦士はすでに背を向け、自分の道へと歩き出していた。
「アイオ、あなたが彼をあんな風に扱った後に、これが起きたのよ」
「そうよ! ケイラの言う通りだわ! 最初の夜はどうだった? あんなこと、何も起きなかったじゃない!」
(……水妖たちの言う通りかもしれない。私たちの運命は、まだ決まりきってはいない?)
思い出すだけで背筋が凍る。
(全員が同じ幻覚を見ていなければ、ただの夢だと切り捨てられたのに。そして、あの闇……)
私たちはどうやら、決して触れてはならないものを罠にかけてしまったようだ。
「彼を始末しなきゃ……」
「もしそれが、私たちの破滅を早めることになったらどうするの、レイカ?」
「どういう意味よ?」
「幻覚は、あなたが彼を殴った後に始まったのよ! 私たちの方から、接し方を変えるべきなんじゃない?」
(冗談じゃないわ! ここは私の森よ!)
「自分の下僕が、こんな風に我が物顔で歩き回るのを許すわけにはいかないわ!」
水妖たちは沈黙した。
そして一言も発することなく背を向け、池の深みへと消えていった。
(惨めね! 私は決して屈しないわ!)
私の中で怒りが沸騰する。
(こんな扱いは許さない。もしこれが繰り返されるか、彼が私に逆らう素振りを見せたら、この私が直接始末してやるわ)
そう決意を固めたにもかかわらず。
その日、私は一瞬の安らぎも得られなかった。
昨夜の悪夢が、絶え間なく脳裏に蘇ってくるのだ。
(……戻ってきた!)
怒りで全身の血が煮えくり返る。
彼に向かって歩み寄ろうとした瞬間、私は足が地面に縫い付けられたように動けなくなった。
木々の間を縫って、戦士がこちらへ歩いてくる。
その腕には、誰かが抱えられていた。
時が止まった。
血の気が引いていく。
(そんな、あり得ない……)




