12.予想外
今日一日休ませてもらいます
ショッピングモールにつくと、俺達は急いで入口に向かい、ボロボロの扉を開け人気のない店内を通った。
(おかしいな…。このショッピングモール内にあるって三号は言っていたはずなんだけどな。)
皆で手分けして探したがこれが中々見つからない。そのことをハンナに伝えると、どうやら隠し扉に特殊な魔法をかけているようだ、と言っていた。どおりで見つからないわけだ。だがハンナはその魔法を解除することが出来ないので、俺がなんとかするしかない。
まあ創作があるからいいけど…。
「スキル、創作を発動!スキル、トラップキャンセレーションを創作!スキル、トラップキャンセレーションを発動!」
すると何もなかった店内に立派な扉が現れてガチャっといい、ロックが解除されたのだ。このスキル万能すぎる!
「いいか、今からこの扉を開けるから、お前らはベルナルドひきつけてくれ。俺はその間集めなければならないものを集め、ベルナルドを倒す。」
「承知いたしました。」
「いくぞ…。」
扉を開けると中はとても大きな広間だった。ここまで広いと500人は入りそうだ。それと、とてもどんよりとした空気で、決していい雰囲気とは言えないほどだった。
正面には王が座るような、立派な椅子がありその上にスラッとした若い男が座って目を閉じていた。どうやら眠りについているようだ。これはチャンスだ。一気に畳みかけるほうが得策だろう。
「いくぞ。お前ら音を立てないようにして、ベルナルドに近づくんだ。」
小声でハンナたちにいうと、ハンナたちはゆっくりと音を立てずに歩き出した。彼女らがベルナルドに手が届きそう、というところまで来たとき、
「知っているぞ。お前らが俺の近くにいるのは…。まだまだだな。隠密がなっていない!いくらグレンの弟子といえどその程度か。」
「な、私達の隠密を見破った!?ていうか起きていたの?こいつ、只者じゃないわね…。」
「おいグレン、他の四天王はどうした。」
「三号と四号と五号のこと?あいつらならお前がいないところで裏切ってきたから、消し炭にしておいたよ。」
「そうか…。まああいつらも四天王といえど実力はそこそこだからな。」
「四天王とはなんのことだ。」
「あいつらはミハエル協会カールソン組の中で二番目、三番目、四番目に強い悪霊なんだ。だが、予想より少し早くいなくなってしまったか…。お前のせいでな!」
そうベルナルドが言うと、いきなり俺に怪しい瓶を投げつけてきた。間一髪で避けた。あぶかったぁ。でも何かから出が少し変だ。なんだろうこの感じ。
「俺をそんなもので倒せると思ったか!スキル、範囲攻撃、奈落を発動!」
ベルナルドはびくともしていない!どうしてだ。俺のステータス値はすべて∞のはず…。魔力消費量も増えている。どういうことだ。なにかトリックがあるのか。…そんなときはロザリアに聞いてみよう!
俺はとりあえずロザリアに、
(どうなっているんだ。ロザリア俺の身になにが起きているんだ。教えてくれ。)
<<どうやらあなたは状態異常によりステータス低下を受けているようです。おそらくあの瓶の効果かと…。>>
「どうだ。今のお前では何もできまい。悔しいか」
ベルナルドは満足げにいった。
避けていたと思ったが被弾していたか。本当に卑怯な輩だよ。
だが俺には秘策がある。正直余裕だ。