表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十二年地下牢に捨てられた俺は《誓約簒奪》に目覚めた――王国を支えた裏切り者たちへ、死より長い贖罪を  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/72

フィナの最初の証言

移動先の廃礼拝堂で、リオルは班長と向き合った。

 卓上には八年前の記憶固定剤と、受領印を写した紙がある。班長は最初、印は盗まれたものだと言い張った。

 リオルは能力を使わず、薬包の封を開いた。内側には七色の糸の細片が貼られている。フィナが受け取った証拠として残したものだ。

「なぜ妹へこれを飲ませた」

 班長は長い沈黙のあと、摂政府の役人が月に一度、フィナへ質問していたと語った。十二年前の三日間に何を見たか、誰の名を聞いたか。忘れさせる薬を使う一方、特定の記憶だけを固定して何度も証言させたという。

「何を見た」

「王立誓約院の地下で、五人が一枚の契約へ血印を押すところだ。お前もいた」

 リオルの失われた三日とつながる。

 班長は、その契約の保管番号を知らなかった。だがフィナが毎回同じ言葉を繰り返していたことは覚えている。

《王冠は権利ではなく、返せない借り物》

 リオルは七色の糸のうち、まだ意味の分からない白を見た。妹は記録を残しただけではない。建国時の誓約に関わる何かを、十二年前に知っていた。

 地下牢脱出は終わった。だが牢へ至る三日間の扉は、今ようやく細く開き始めた。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ